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色素が色褪せて緑とグラデーションをつくる「秋色アジサイ」は、アンティークなカラーが美しく、ドライフラワーやアレンジメントにとても人気な花材です。ただし、自分で秋色アジサイをつくるには少しコツが必要です。
今回は秋色アジサイとは何か、秋色アジサイを育てる・つくるコツや、おすすめの品種についてご紹介します。
秋頃になると花屋や手芸店などに、「秋色アジサイ」「アンティーク紫陽花」などのネーミングで出回ります。
そもそも、アジサイの花と思われている部分は、実際には葉の一部が変形した萼片(ガクヘン)であり、装飾花と呼ばれる部分です。(なお、本当の花はその装飾花の中心にごく小さく咲きます。)
そのため、装飾花は中央の花が枯れても残り、やがて色素を失う老化現象を起こしていきます。色素が退色していくと、もともとの葉の緑色に戻っていくのですが、色素の色褪せと緑色が混ざることで、秋色アジサイとなるのです。
秋色アジサイは特定の品種を指すわけではないので、基本的な育て方は他のアジサイと変わりません。ただし、花が咲いてからは秋色にするため、他のアジサイと育て方を変えましょう。
秋色アジサイは、花が咲き終わってからも剪定せずに、そのまま立ち枯らせていくことでつくれます。
ただし、難しいのが日当たりです。
アジサイは花を咲かせるまで、直射日光を避けた日当たりで育てますが、秋色アジサイにするなら花が咲いた後は、明るい日陰で強い風にさらされない場所で剪定せずに育て、ゆっくりと退色をうながす必要があります。
秋色にそまったら、アジサイをドライフラワーにします。アジサイは構造上、ゴミや虫が入り込みやすいので、ドライフラワーにする前に花序を水につけて、ゴミや虫を浮き上がらせる下処理をしましょう。
下処理をしてキレイにした秋色アジサイは、吊って乾燥させるか、シリカゲルという乾燥剤をつかってドライフラワーにしていきます。
吊って乾燥させると、より色褪せが激しいアンティークな仕上がりになります。シリカゲルは花茎を残すのが難しいですが、より花色を鮮やかに残すことができます。
秋色アジサイは一般的な園芸品種だと、開花後に装飾花が水分を失って枯れたり、剪定を遅らせると翌年の花付きに影響してしまうことがあります。
上手に秋色アジサイをつくりたいのであれば、秋色アジサイ用に改良された園芸品種を育てるようにしましょう!
秋色アジサイに改良された園芸品種の特徴は、梅雨時期から霜が降りる初冬まで咲き続ける、四季咲き性、もしくは二季咲き性があることです。
一般的なアジサイは、梅雨が終わるにつれて立ち枯れていく一季咲きですが、四季咲きだと長期間にわたって次々と新しく花をつけます。
なぜ秋色アジサイの園芸品種の開花期が長いのかというと、四季咲きアジサイには、その年に生えた新梢に花をつける特性があるからです。
一般的なアジサイは新梢に対して、翌年にしか花をつけないので花数が限られ、剪定の時期にも気を使います。しかし四季咲きアジサイは花が終わっても、新梢につく新たな花を楽しむことができ、剪定も翌年の花付きにさほど関係ありません。
一季咲きのアジサイでは直射日光に当たると花が痛み、立ち枯れてしまうので、自分できれいなアンティークカラーをつくるのは難しいです。
一方、秋色アジサイの園芸品種は直射日光に強くなるよう改良されているので、そのまま時間を放っておくだけでも秋色アジサイができやすいのです。
霧島の恵は、ガクアジサイの仲間で四季咲きアジサイの代表的な品種です。とにかく直射日光に強いので、一番秋色アジサイもなりやすいと言われています。
墨田の花火もガクアジサイの仲間です。形良い八重咲きの装飾花がぴょんぴょんと飛び出て咲くので、花火のようです。秋色アジサイになると淡い黄緑が浮き出てきます。
エンドレスサマーは透き通るのような爽やかな花色がかわいらしい、二季咲き〜四季咲きのアジサイです。日向を好み、水切れにも強いので、管理も楽に育てることができます。秋色アジサイになると、全体が淡く緑がかります。
ピラミッドアジサイはノリウツギの仲間で、円錐形の花をつける四季咲きアジサイです。白、ライムライト、ピンクなどがあり、それぞれ咲き進むにつれて色が変化していきます。秋色ミナヅキという名前でもよく出回ります。
プリンセスシャーロットは八重咲きで花の中心の色が濃くなる、グラデーションが美しい、新品種の四季咲きアジサイです。花粉が出ず、株もコンパクトに育つので室内栽培にも向いています。
ほかの秋色アジサイをもっとみたい方はこちら!
アジサイは本来、剪定の時期にかなり気を使うものですが、秋色アジサイの園芸品種の四季咲きアジサイはとくに気にせず、そのままおいて色の七変化を楽しんだり、切り戻して次の花を楽しむことができます。
梅雨時期にしか楽しめなかったアジサイが、長期間楽しめるので、みなさんもぜひお庭の仲間に迎えてみてください♫
GreenSnap編集部