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バラはギリシャ時代から長く世界中で愛される花です。バラの種類は、樹形で分類する他、誕生由来で分類(オールドローズ、イングリッシュローズなど)したり、花姿で分類(剣弁高芯咲き、丸弁咲き、一重咲など)することができます。
今回は栽培したい品種を選ぶ際に参考になる、樹形の分類で、バラの種類をご紹介します。
バラの種類は原種から日々生まれる園芸品種を含め、現在では約2万以上の品種が確認されています。あらゆる花の中でもっとも種類が多い植物です。
バラの種類系統は、初の園芸品種が生まれた1867年を境に、それより以前のバラをオールドローズ、以降のバラをモダンローズというように分類されています。
さらにモダンローズはバラの樹形や特徴によって下記のように呼び分けられています。
このほかにも、バラ育成の本場英国が産んだ天才、バラ栽培家のデビット・オースチン氏によって生み出されたバラを総称して「イングリッシュローズ」と呼ぶこともあります。
ここからは、それぞれの種類の特徴や代表品種・人気品種もふまえてご紹介していきます。
オールドローズとは、人工交配の園芸品種が生まれる1867年以前から自生していた、原種のバラまたは原種のバラを系統にもつ品種のことを指します。
オールドローズの多くは春だけに開花する一季咲きの性質をもっており、さらにそのほとんどはつる性か半つる性です。
また、花弁がぎっしりと重なり合い重たげなカップ咲きの花からは、濃く甘い香りがただようなど。、香をもつ種類が多いのも特徴のひとつです。
原種特有の強健さをもつので、初心者にも育てやすいおすすめのバラといえます。
「ガリカ」はバラの系統のひとつで、オールドローズでもっとも古いともいわれ、赤いバラの祖先でもあります。ロサ・ガリカはガリカ系統の中でも代表的な品種で、つる性一季咲きのバラですが、あらゆるオールドローズの交雑親ともいわれています。
「アルバ」もオールドローズを代表する系統のひとつです。純白の花色が特徴で、花央の黄色が明るく目立ちます。他の原種ローズの自然交雑から生まれ、白バラの祖先ともいわれています。
「ダマスクローズ」といえば、クレオパトラが愛した香り高いバラとして有名です。ダマスクローズの多くはピンク色か白の花いろが特徴で、中輪から大輪のものがほとんどです。なかでもイスパハンという品種は耐寒性が高く病気にも強いので、育てやすい品種として人気です。
「ケンティフォリア」もオールドローズを代表する系統のひとつです。ケンティフォリアは「100枚の花びら」という意味で、その名の通り幾重にも花びらを重ねたカップ状の花姿が特徴。強い芳香がするのも魅力の一つです。
ハイブリッド・ティーローズは、人工交配されて観賞用に開発されたバラです。四季咲きで、15cmほどの大輪な花をつけ、木立ち性で1.5m以上まで伸びる品種が多いです。
品種が多く、花色もさまざまで切り花として流通しています。栽培が比較的難しく、バラ園などプロ向けの品種です。
ハイブリッド・ティーローズの人気・代表種は以下です。
黒赤バラの名花と知られるミスターリンカーンは、とても強健で病害虫にも強いので、初心者でも栽培が可能です。ダマスク系の香りがあり、その気品のある花姿とともに長く愛されています。
そのほかの赤色系品種
優しいピンク色の花が特徴のラ・フランスは、ハイブリッド・ティー系で1号目のバラです。ハイブリッド・ティー系(モダンローズ)とオールドローズ系は、このラ・フランス誕生以前と以降で別れています。
そのほかのピンク系品種
クリーム色の落ち着いた花色のエリナは、世界中で愛されるバラを決める「世界バラ会議」で殿堂入りをしています。多倫な花びらがボリューミーで気品溢れる存在感です。花付きもよく、比較的丈夫に育ちます。
そのほかの白系品種
20世紀を代表する傑作とも言われるピースは、大輪な黄色の花を、うすいピンク色が縁取る美しい花です。葉にもツヤがあり大変魅力です。強健で花付きも良いため世界的に大流行しました。
そのほかの黄色〜オレンジ系品種
フロリバンダローズは、ハイブリッド・ティー系と強健な品種の交配により誕生しました。四季咲きかつ房咲きで、長く中輪の花を楽しめます。
木立ち性ですが、高さ1mほどのコンパクトな樹形のものが多く、比較的丈夫なので、自宅の花壇や鉢植えで気軽に楽しめます。また、横に伸びて咲き続け、一本の茎にたくさんの花が房状に咲くのも特徴です。
フロリバンダローズの人気・代表種はこちらです。
スカーレット・ボニカは、フロリバンダ系の中でも非常に育てやすく、あまり手入れもせずとも絶え間なく咲いてくれる、初心者向きの品種です。真っ赤な花びらを幾重にも重ねるゴージャスな佇まいです。
そのほかの赤系品種
ブライダル・ピンクは、透き通った爽やかな、まさに「花嫁」の色とも思えるピンク色と、美しい花姿が人気を呼び、今でも多くの人に愛される名花です。枝葉からも気品を感じられ、花壇用、切り花用として人気です。
そのほかのピンク系品種
すっきりとしたクリーム色の花をさかせるエーデルワイスは、まさにアルプスの山々につのる雪のようなう美しさがあります。草丈が低く、コンパクトなので花壇の前列で楽しむのがおすすめです。
そのほかの白色系品種
はっきりとした黄色の発色が美しいフリージアは、散り際まで褪せないので、咲き始めから花が終わる直前まで、長く楽しむことができます。花姿に似合う爽やかな香りもあり、長く愛される人気品種です。
そのほかの黄色〜オレンジ系品種
ミニチュアローズは、小さい原種を交配して開発された品種です。四季咲きで、小輪の花をたくさん房状にさかせます。木立ち性で高さ15〜40cmほどのミニチュアサイズで、あらゆるバラの中でも、病害虫にもっとも強く、初心者でも容易に栽培できます。
ミニチュアローズの人気・代表種はこちらです。
鮮やかな明るい赤の花びらで、中心が白に抜けたグラデーションが美しい花です。横張りに育っていきます。花もちは悪いですが、花付きが良く、四季咲きなので次々と小さな花を咲かせていきます。
そのほかの赤系品種
マジック・キャローセルにはトゲがなく、白地の花に、発色の良いピンクの覆輪が入るバラです。花付き・花もちが共によく、長い期間花を楽しめます。ミニチュアにしては大きく育つので、鉢植えにも向いています。
そのほかのピンク系品種
グリーン・アイスは成長にしたがって色味の変化が楽しめるお花です。つぼみのうちは淡いピンク、花が開くと白になり、咲き進むと緑色になります。樹高60cmほどと、ミニチュア系にしては大きいですが、花径3cmほどの小輪の花をたくさんつけます。
そのほかの白系品種
テディ・ベアはまさにクマのぬいぐるみを彷彿するような落ち着いたオレンジ色の花を咲かせます。花が咲き進むと赤みを帯び、茶色く色づきていきます。早咲きで次々と開花し、花もちもいいので長く楽しめます。
そのほかの黄色〜オレンジ系品種
クライミングローズはつる性バラの代表的な系統です。
数mまで伸びるツル性の枝が特徴で、花の大きさや、開花期もさまざまで、多様な系統があります。芳香で有名なダマスクローズもつる性バラの系統です。
クライミングローズの人気・代表種は下記が有名です。
アルティシモは花径8cmほどの大〜中輪で、一重咲の赤い花を咲かせるバラです。マットな質感の発色の良さが特徴で、若干枝は硬いですが、雨にも強いので屋外での栽培も容易です。
そのほかの赤系品種
ピエールドロンサールは中心から淡いピンクの発色を広げて咲かせる、カップ咲きのバラです。大輪で花付きもよく、壁面仕立てにして楽しむと、満開時は見事な咲きっぷりを楽しめます。クライミングローズの中でも特に人気のバラです。
そのほかのピンク系品種
シティ・オブヨークは白い中輪八重咲きの花に、雄しべの黄色が美しく映えるバラです。一季咲きなので、その清らかな花姿を楽しめる時間が限られますが、誘引しやすいのでフェンスなどに適しています。
そのほかの白系品種
ロイヤルサンセットはその名の通り、美しい夕日のような淡いオレンジ色が特徴で、花姿の美しい大輪の花を咲かせます。長さ12mと長く育つので壁面などで楽しむのに適しています。返り咲き性もあるので、長く人気を得るバラです。
そのほかの黄色〜オレンジ系品種
例えば花壇に植えたいのであればフロリバンダ系、アーチにしたいのであればクライミング系など、ご自身で栽培する環境や用途に合わせて、バラを選ぶようにしましょう。
バラ園などで実際に見に行って、選んでみるのもいいかもしれませんね。ぜひ、自分なりのバラの栽培を楽しんでください。
GreenSnap編集部