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テラリウムは、ガラス容器のなかに植物を植える育て方のひとつです。おしゃれでインテリアにもおすすめですが、意外と初心者でも簡単につくることができます。
今回はテラリウムの作り方や、その後の管理方法、テラリウムづくりにおすすめの苔植物をご紹介します。
テラリウムとは、ガラスなどの容器の中で、一定の環境を保ちながら植物を育てることです。
そのインテリア性の高さから、テラリウムは近年ブームを巻き起こしていて、好きな容器にこのみの植物をいれ、小物などを用いて、より自分好みに楽しむ人が増えています。
最近では100円ショップでも材料がそろうので、気軽に挑戦できるようになたのもブームの理由でしょう。
テラリウムの仕組みとしては、中に植えた植物が土から水分を吸い上げて蒸散し、さらに蒸散した水分が内側のガラスに結露して、再び容器の壁面をたどって土に戻り潤う、というものです。
ガラス容器の中でこの水分のサイクルが繰り返されるので、生命の活動が垣間見えると同時に、少量の水やりですむので、管理も楽です。
まずは容器に土を入れます。スプーンで山や谷をつくり、レイアウトが決まったら霧吹きや水差しで湿らせて固めます。より本格的につくる場合は、土の下に、活性炭(有機物の吸着)→気孔石(空間確保)→水苔(調湿効果)を敷いていたりしますが、なくても問題ありません。かわりにゼオライトを少量入れるのもおすすめです。
ヒカリゴケなどの、高さがある苔は植える前に下準備しておきましょう。あらかじめ茎から葉が生えているところを基準に合わせ、数本ずつまとめたヒノキゴケブーケをつくっておきます。ブーケにしたら茎部分が2cmくらいになるように切りそろえます。
ピンセットを使って挿し植えていきます。ピンセットでつまむときは、ピンセットの先と茎の先の長さを揃えるように持ちましょう。なお、苔植物には根がありません。よく見るホソバオキナゴケ(山ゴケ)などの場合は、敷き詰めるように置いていくだけで大丈夫です。
苔を植えたらあとはお好みで、鹿沼土や富士砂、石などをテラリウムを飾っていきます。フィギュアなどを置いてジオラマ風につくりたい方は、ここで世界感が決まるのでイメージをしっかり持ってからつくるのがオススメです。
仕上げに霧吹きをします。傾けて溜まった余分な水分はスポイトで吸い取って、側面を柔らかな布で拭き上げれば完成です。
テラリウムは直射日光が当たる場所は避けてください。レースカーテン越しの日光が当たる場所か、明るい日陰で育てましょう。植物用LEDライトや、苔の種類によっては室内灯のあかりでも十分に育ちます。
苔やシダ植物は冷涼な環境を好む種類がほとんどなので、夏場はとくに蒸れすぎないように気をつけてください。
テラリウムの水やりは、基本的に霧吹きで与えます。ただし、水やりの頻度はテラリウムの蓋の有無によって異るので、気をつけましょう。
蓋があるテラリウムの場合、水やりは半年に1度程度するようにしてください。中の結露がだんだん少なくなってきたら霧吹きをしましょう。
蓋がないテラリウムの場合、水やりは2~3週間に1度を目安にしてください。毎回霧吹きでたっぷり水をかけてあげましょう。
テラリウムには蓋ありとなしの蓋通りの作品がありますが、じつは苔の種類によって、向き不向きがあります。使う容器に合わせて、適切な苔を選んであげるようにすると、枯らさずにテラリウムを楽しめますよ。
蓋あり密閉容器のテラリウムにおすすめの苔は、おもに次の種類です。
蓋なし容器のテラリウムにおすすめの苔は、おもに次の種類です。
アジアンタムは観葉植物としても人気な、シダ植物のひとつです。小さなイチョウのような葉がたくさんしげる美しさが魅力。蓋なしの通気性のいいテラリウムで育てるのがおすすめです。
温室での管理が求められる胡蝶蘭も、テラリウムなら育てることができます。とくにマイクロ胡蝶蘭という花径3cmほどの小さな胡蝶蘭なら、小さなテラリウムの中でも育てられますよ。蓋なしのテラリウムで育ててください。
ニオイランも胡蝶蘭のひとつですが、水苔などに着生して、黄色い小さな花を咲かせます。名前にニオイとつきますが、強い香りではなく、鼻を近づけると爽やかな香りがします。蓋ありのテラリウムで育てるのがおすすめです。
オリヅルランはすらりとした剣状の葉が美しい観葉植物です。お風呂場でも育てられるくらい湿潤な環境を好むので、テラリウムにいれると元気に育ちます。株分けもしやすいので、小さいテラリウムでも使いやすいです。蓋なしのテラリウムがおすすめです。
フィカス・プミラは育てやすいことで有名なゴムの木の仲間で、小さな葉がいくつもつく観葉植物です。フィカス属の植物にしては、高温多湿を好む品種なのでテラリウムで育てられますが、蓋なしのある程度通気性のいい環境で育てましょう。
ハエトリソウは食虫植物のひとつで、ギザギザとした部屋の中に、虫が来たら閉じ込めてしまう植物です。高温多湿を好む熱帯植物なので、蓋なしテラリウムで育てるのがおすすめです。エキゾチックでユニークなテラリウムにしあがりますよ。
今や専門サイトまでできるほど、大ブームとなっているテラリウム。初心者でも簡単につくれるので、ぜひ挑戦してみてください。
他の植物と比べ強い光を必要としない苔は、LEDの人工照明や文字が読める程度の明るさがあれば育てることができます。苔は小さくゆっくり成長するので、ぜひ気長にのんびりテラリウムをお楽しみください♫
GreenSnap編集部