warning
error
success
information
シャクヤク(英名:ピオニー)は、存在感のある豪華で美しい花が人気の宿根草です。暑さや寒さに強く、比較的丈夫で育てやすいため、切り花だけでなくガーデニングでも人気があります。また、乾燥させた根が生薬として、さまざまな漢方薬に使われています。今回は、そんなシャクヤクの育て方のコツと種類、花言葉などについてお伝えしていきます。シャクヤクの苗は春に出回るので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
シャクヤクの育て方は、「水はけと水もちの良い肥沃な土」をつくり、「乾燥しないように管理すること」が大切です。
葉っぱと花に日光が当たり、株元は日陰となるような環境が好ましいため、株元のみマルチングしてあげるとなお良いでしょう。
シャクヤクは、日当たりと風通しの良い屋外で育てます。
基本的には日のよく当たる場所が好ましいですが、明るい半日陰でも育てることができます。西日が遮られる場所が良いです。
また、シャクヤクを鉢植えで育てる場合は、雨や風の強い日は軒下に移動させてあげましょう。
シャクヤクを育てるときは、水はけと水もちのよい有機質の多い肥沃な土を用いましょう。
土を自分で配合する場合は、「赤玉土4:鹿沼土4:腐葉土2」の割合が理想です。初心者の方は、市販の培養土を使用するのもおすすめです。
シャクヤクの苗が出回るのは、3〜5月です。茎が太くしっかりしていて、葉につやがある苗を選びましょう。ポット苗で多くの品種が出回るので、気に入ったものを選んでみてください。
シャクヤクの植え付け時期は、4〜5月もしくは9〜10月頃が適期です。
シャクヤクは太い根がしっかりと張るので、鉢植えで育てる場合は8号サイズ以上の鉢を使用しましょう。
地植えで育てる場合も、根が太いことや大きな葉が茂ることを考えて、余裕をもったスペースに植え付けてあげてください。
シャクヤクを植え付けた直後は根が動く時期なので、特に乾燥させないよう注意してください。
それ以降は、鉢植えと地植えで水のやり方を変えます。
シャクヤクは乾燥に弱いので、水切れに注意してください。表面の土が乾き始めたら、たっぷりと水をやりましょう。
特に、夏の時期は土が乾いたら、長く放置せず早めに水やりすることを心がけてください。
地植えの場合は、特に水やりの必要はありません。
ただし、真夏に極度の乾燥が数日続いた場合は、たっぷりと水溜りができるくらいの量の水やりをするようにしましょう。
シャクヤクは肥料を好みます。より花付きをよくするためにも、植え付け前に土に混ぜておく元肥のほか、追肥もしっかりと与えましょう。
追肥としては、花が終わったあとのお礼肥と秋頃に2回、緩効性の化成肥料を施してください。このほかに、冬季の寒肥として、有機質の固形肥料を与えてもよいです。
シャクヤクの花付きを良くし、美しい花を楽しむためにも、摘蕾や支柱を立てる手入れをしましょう。
茎1本に対し複数のつぼみがつきますが、頂点の大きなつぼみだけ残して、そのほかは摘み取ります。わきの蕾をそのままにしておくと、花が小さくなったり咲かないものも出てきます。大きく立派なシャクヤクの花を咲かせるためにも、摘蕾を行ってください。
シャクヤクの草丈が高い品種は、風雨で茎が倒れるのを防止するため支柱を立てます。園芸用の支柱で問題ありません。
シャクヤクの開花時期は、品種や地域によって4〜6月初旬頃です。
シャクヤクの花は美人のたとえとして、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という表現が昔から使われてきました。一度苗を植え付ければ、ボリューム感のある華やかな花を毎年見ることができます。
開花後の花がらは、花茎の部分から早めに切り取ってあげます。シャクヤクは種ができると株が消耗してしまいます。また、枯れた花をそのままにしておくと、風通しが悪くなり病害虫発生の原因にもなりかねません。
シャクヤクは、冬季に地上部の葉や茎が枯れます。10月頃になったら、枯れた部分を根元から刈り取ってあげましょう。
鉢植えでシャクヤクを育てている場合は、根づまりを防ぐためにも、2~3年に1度は植え替えます。
新しい鉢に植え替えるときも、植え付けのときと同様に、元肥として堆肥などの有機質肥料をしっかりと施した土を用いましょう。
なお、シャクヤクの植え替え時期も、植え付け同様の4〜5月もしくは9〜10月頃が適期です。
うまくシャクヤクを増やすには、「株分け」という方法が一般的です。株分けの適期は、地下部の生長がはじまる9〜10月頃です。
株分けは、株を増やすという目的だけでなく、大きくなった株を若返らせることにもなります。鉢植えで2~3年育てた株は、植え替え時に株分け作業も行うとよいでしょう。
株分けするときは、3~5芽くらいの株にわけ、葉は半分ほどに切りつめておきます。このとき、根をあまり傷つけないよう気をつけてください。
シャクヤクを栽培するときは、うどんこ病、灰色かび病などの病気とアブラムシ・ヨトウムシなどの害虫に注意します。
これらの病害虫が発生したら、薬剤散布、風通し・日当たりをよくするなど環境改善で対処してくださいね。発生初期なら、一つひとつ手で取り除いてもよいです。
豪華な花姿が特徴のシャクヤクは、アジア原産の花ですが、欧米でも品種改良をしながら広く親しまれてきました。
そんなシャクヤクは土づくりさえできれば、栽培難易度もさほど高くありません。一度植えて手入れをすれば、毎年見応えのある花を咲かせてくれるため、ガーデニング初心者にもおすすめです。
また、シャクヤクの花は切り花としても人気があるので、育てた花を切り取って飾るのもいいですね。切り花にする際は、開花後ではなく蕾がふくらんで花びらがのぞき始めたころに切り取りましょう。このとき、株元に2枚ほど葉を残してあげると株が消耗しませんよ。
松原真理子
GreenSnap編集部