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キンモクセイ(金木犀)は、秋に甘い香りのオレンジ色の花を咲かせる常緑樹です。庭木として地植えにするほか、鉢植えで小さく育てることもできます。この記事では、苗木を植える時期と植え方を中心に、水やりや肥料、剪定など、キンモクセイの育て方を紹介します。
キンモクセイは暑さには比較的強い一方、寒さには弱い樹木です。日本では、東北地方より南の地域での栽培に向いています。
地植えにすると樹高3〜10mほどまで大きくなるため、庭に植える場合は広い場所を用意しましょう。スペースが限られる場合は、鉢植えにすると小さく育てられます。どこで育てるかによって管理の仕方が少し変わるので、あらかじめ決めておきましょう。
主な作業の時期は次のとおりです。地域や気温によって前後します。
| 作業 | 時期の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 植え付け | 3〜4月、9〜10月 | 秋に植える場合は、寒くなる前に根を張らせる |
| 肥料 | 2月下旬〜3月 | 地植えは年1回、株元から枝先の下あたりに |
| 開花 | 秋(10月ごろ) | 甘い香りのオレンジ色の花が咲く |
| 剪定 | 花後〜11月ごろ、2〜3月 | 強く切るのは2〜3月。新芽が伸びたあとは切らない |
| 挿し木 | 6月ごろ | その年に伸びた枝を使う |
キンモクセイを小さく育てたい場合は、鉢植えがおすすめです。鉢植えなら樹高1〜2mほどに抑えられるので、ベランダでも育てられます。
鉢植えのキンモクセイの詳しい育て方や管理方法は、次の記事で紹介しています。
キンモクセイは日当たりのよい場所を好みます。日に当たるほど花つきもよくなるので、できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。
日陰で育てると生育が悪くなり、常緑樹でも葉が落ちてしまうことがあります。少なくとも1日に4〜5時間は日が当たる場所が理想です。
キンモクセイは、水はけがよく、栄養のある土を好みます。
地植えにする場合は、植える場所の土を弱酸性にしておきましょう。アルカリ性に傾いている場合は、ピートモスを少し混ぜて調整します。そのうえで腐葉土や堆肥を混ぜ込み、適度に湿り気のある状態にしておきます。
鉢植えにする場合は、市販の花木用培養土か、赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜた土を使います。

キンモクセイの苗木を植える時期は、3〜4月ごろか9〜10月ごろが適期です。秋に植える場合は、寒くなる前に根がしっかり張るよう、早めに植え付けを済ませましょう。
キンモクセイは種から育てるのではなく、苗木を購入して育てるのが一般的です。葉の色つやがよく、枝葉が詰まっていて、幹がぐらつかない苗木を選びましょう。
地植えの場合は、成長すると7〜8mほどになることもあるので、周りに余裕のある場所に植えます。
鉢植えの場合は、苗木の根鉢よりひと回り大きな鉢を用意し、同じように根鉢を軽くほぐして植え付けます。

地植えのキンモクセイは、基本的に水やりはいらず、雨だけで十分に育ちます。ただし、真夏に雨が降らず、土がカラカラに乾いているときは水を与えましょう。
鉢植えは、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。夏は土が乾きやすいので、水切れに注意しましょう。
肥料を与える時期は、2月下旬〜3月ごろが適期です。地植えの場合は、毎年この時期に1回、株元から枝先の下あたりにかけて与えれば十分です。
肥料は、カリウムやリン酸を含む有機肥料を選びましょう。油かすなど窒素の多い肥料を与えすぎると、葉ばかり茂って花つきが悪くなるので注意してください。
地植えのキンモクセイは、大きくなってからの植え替え(移植)を嫌うため、基本的に植え替えは行いません。
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐため、2〜3年に1回を目安に、植え付けと同じ3〜4月か9〜10月にひと回り大きな鉢に植え替えます。
キンモクセイは成長が早い樹木です。風通しをよくして病害虫を防ぎ、好みの高さを保つために、定期的に剪定しましょう。
剪定に適しているのは、花が咲き終わったあとの11月ごろまでか、新芽が出る前の2〜3月ごろです。枝を深く切り詰める強剪定は2〜3月に行います。花を楽しみたい場合は、春に新芽が伸びたあとの剪定は避けましょう。
剪定の方法は、次の記事で詳しく紹介しています。

キンモクセイの花が咲かない原因の一つに、剪定時期を誤っている場合があります。花を楽しみたいのであれば、花が咲いた後、早めに剪定を行うようにしてくださいね。

キンモクセイがかかりやすい病気には、褐斑病や先葉枯病、うどんこ病、炭そ病などがあります。
いずれもカビが原因の病気で、気温と湿度が高い梅雨の時期に発生しやすくなります。葉の色が悪い、斑点があるなど様子のおかしい葉を見つけたら、すぐに切り取ってほかの葉に広がるのを防ぎ、薬剤で対処しましょう。
キンモクセイは比較的丈夫で、害虫の被害は多くありません。ただし、風通しが悪いとカイガラムシやイラガ、ハダニなどが発生することがあります。見つけたら、薬剤を使うなどして早めに対処してください。
キンモクセイは「挿し木」か「取り木」で増やすのが一般的です。
その年に伸びた新しい枝を、15cmくらいの長さに切り取って使います。挿し木の詳しい方法は、次の記事で紹介しています。

キンモクセイの花が咲かないときは、肥料の与え方と剪定の時期を見直してみましょう。
肥料は、窒素の多いものではなく、カリウムやリン酸を含む有機肥料を選びます。幹の根元だけでなく、枝が広がっている範囲の下まで与えてください。
剪定は花後か春先に行いますが、時期が遅すぎると花芽を切り落としてしまうことがあります。できはじめの花芽は見分けにくいので、慣れないうちは秋の開花後すぐに剪定するのがおすすめです。
秋に甘い香りを漂わせながら、小さな花をたくさん咲かせるキンモクセイ。
汲み取り式のトイレが一般的だった時代には、匂い対策としてトイレのそばによく植えられていたため、芳香剤のイメージを持つ人も多いようです。それでも花の姿はかわいらしく、季節を感じさせてくれる香りは今も多くの人に親しまれています。
育てやすい常緑樹なので、庭木としてもおすすめです。

近年ではトイレの芳香剤というイメージから、有名な香水ブランドでも「オスマンサス」という香りの名称で出回るようになり、また見直されるようになってきました。私は、花をポプリやバスソルトにして楽しんでいます。

松原真理子

GreenSnap編集部