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ピンクと赤が混ざりあった鮮やかな色をした花を咲かせるクジャクサボテン(孔雀サボテン)。夜に咲く妖艶な花として人気の高い月下美人の仲間であるクジャクサボテンは、雨の少ない山岳地帯や高原などで自生しています。
クジャクサボテンの育て方を紹介していきます。
サボテンの一種であるクジャクサボテンは、日光を好む植物です。そのため、日当たりのいい場所で育てることで丈夫に育ち、花つきも良くすることができます。室内で管理しておくと世話もしやすいので、育てるのも比較的簡単です。
とはいえ、サボテンの一種だからといって、ずっと日にあてているのはよくありません。
クジャクサボテンは夏になると暑さに負けて休眠気味になってしまうため、生育が抑えられてしまいます。そのため、夏になったら強い日差しを避けることのできる場所へと移動させることが必要です。
日に当てるのは、春と秋の季節だけにしておきましょう。
クジャクサボテンは、季節ごとに置き場所を変えることで、花つきや葉の色がいい状態で保つことができます。
クジャクサボテンの生育期にあたる5月から9月の間は、風通しのいい半日陰に置いて管理するようにしましょう。冬になって、気温が10度を下回るようになったなら、室内へと移動させて日当たりのいい場所で管理するようにしてください。
過湿を嫌うクジャクサボテンは、屋外に置いて雨にうたれてしまうとすぐに根腐れを起こしてしまうので注意しましょう。
クジャクサボテンの生育期である春から秋にかけては、土の表面が白味を帯びるほどに乾いてから、水を与えるようにします。毎日水を与える必要はないので、土がどんな状態かを確認しつつ水やりをしてください。
土が湿っている場合は、まだ水やりをするタイミングではないので、水を与えるのはやめておきましょう。
夏はクジャクサボテンが休眠気味になることもあります。そのため、水やりには注意しましょう。
水をかけるときに、花やつぼみに水がかからないよう気をつけてください。水がかかったときには傷んでしまうことがあります。
冬になるとクジャクサボテンは休眠期に入るので、水やりの回数は控えるようにします。
休眠期は水を吸収する力をほとんどなくしてしまいますので、水やりをしても栄養がクジャクサボテンにいかないことがあります。過保護になって水やりをしすぎてしまうと根腐れを起こしてしまうので注意しましょう。
乾燥気味に保つ必要があり、気温が5度以下になってしまった場合は、水やりを完全にやめるようにしましょう。
クジャクサボテンには肥料を施さなくともよく育ってくれるので、特に肥料は必要ありません。ただし、5月から7月にかけて、ゆっくりと効き目の出てくる緩効性化成肥料を置き肥しておくか、規定の倍率よりも薄めにした液体肥料を施しておくのもかまいません。
クジャクサボテンの生長期にリン酸とカリの成分が多く入っている肥料を与えることで、花つきがよくなります。ただし、肥料をあたえすぎてしまうと、根っこの部分が傷んでしまったり、花つきが悪くなってしまうので気をつけましょう。
化成肥料の場合は株元に1度だけ置き、液体肥料の方は10日に1回与えるだけで十分なので、それ以上の肥料は与えないようにしてください。
クジャクサボテンは、水はけや通気性のいい土を好みます。市販の土を用いるなら、多肉植物の培養土を使用するか、サボテン専用の培養土を使うようにしましょう。
自分で土を配合する場合は、川砂が8、腐葉土が2、くん炭が1の割合で混ぜられたものを使うか、赤玉土の小粒が6、腐葉土が2、川砂が2の割合で混ぜ合わされたものを使用するのがおすすめです。
また、クジャクサボテンは過湿には弱くなっているため、植木鉢はプラスチック製のものを使うよりも、素焼きの鉢を選ぶようにしましょう。
クジャクサボテンは、2年に1度植え替えをする必要があります。根詰まりを起こしている場合は、その年に植え替えるようにしましょう。
クジャクサボテンを植え替える時期としては、3月上旬から4月上旬、9月中旬から10月中旬の間が適しています。気温が低く乾燥することのない冬に植え替えをしてしまうと、根が傷ついたり、根腐れが起すので気をつけてください。
新しい鉢に植え替えるときには、あらかじめ水やりを控えるようにして、クジャクサボテンを乾燥させておきましょう。乾燥することで、土から株をぬきやすくすることができます。
苗よりも一回り大きめの鉢を用意して、植木鉢の底部分に、鉢底ネットと軽石を敷いておきます。鉢の3分の2あたりまで土を山型になるように持っていき、鉢の側面を叩いて土をほぐしていきます。
クジャクサボテンを鉢から引き抜き、根っこについている土を手で優しくもみほぐして落としていきます。このときに古くなったり傷んでしまったり、伸びすぎている根っこを見つけたら、消毒済みのハサミで剪定しましょう。
根を広げてから新しい鉢に植えていき、根っこと根っこの隙間にまで土を詰めて、株のバランスがしっかりとれるようにして固めます。
クジャクサボテンの増やし方は、「挿し木」が一般的です。
挿し木の時期は5月から6月か、秋の9月から10月の間が適期となっています。病気にかかっておらず、傷んでもいない元気な葉っぱを選んで、15センチほどの長さに剪定します。剪定した葉っぱを1週間陰干しして乾かします。
このときしっかりと乾かしておかないと、肉厚の葉っぱにたまっている水分が葉っぱに残ったままになってしまい、土に挿したとき、切り口から腐っていってしまいます。
また、選ぶ葉っぱが若いものを使ってしまうと、開花するまでの時間がかかってしまうことがあるので注意してください。
葉っぱを数枚束ねて、赤玉土の入った鉢へと浅く挿し、水やりをせずに10日ほど時間をあけます。水やりは10日経ってからあげるようにしてください。1ヶ月ほど経てば根が生えてくるので、新しい鉢に植えて育ててください。
クジャクサボテンには、ナメクジやカイガラムシがつくことがあります。
ナメクジは6月から10月にかけて多く発生する害虫で、クジャクサボテンの花びらや新芽などの柔らかい部分を食べます。食べられた部分はすり減って、おろし金で削られたような穴が空いてしまうので、被害が出たときには一目瞭然です。
ナメクジを予防するには、ナメクジが好むジメジメとした湿気の多い環境を作らないようにするのが重要です。
ベランダなどにクジャクサボテンを置いておくか、室内で管理していれば、ナメクジの被害には遭わずにすみます。使用後のコーヒー豆のカスを乾燥させてから土に混ぜることでも、ナメクジ予防に効きます。
カイガラムシの幼虫は殺虫剤で駆除することができますが、成虫の場合は、ブラシなどを使ってこすり落としていく必要があります。
クジャクサボテンは寒さにはあまり強くないため、冬は最低でも5度の気温を保つ必要があります。
冬にしっかりと休眠させることで花が咲きやすくなるので、冬場は室内で管理して、冬を越せるようにしておきましょう。
室内での管理をしている場合、冬は窓際に置くのはやめておくのがポイントです。冬の窓際は気温が下がってしまうので、あたたかい場所へと移動させてあげましょう。
ノパルホキア属をもとにして、複数の近縁のサボテン科の植物や、属間植物と人の手によって掛け合わされてできたのがクジャクサボテンです。原産地ではクジャクサボテンは木の上に着生しており、茎が変形した植物体が特徴となっています。
クジャクサボテンの品種は、京花火、天女の舞、シンデレラ、金麗の舞、乙女の祈り、白鳳などがあります。
夜にだけ真っ白な花を咲かせることで有名な月下美人は、クジャクサボテンの代表品種として知られていますが、性質はすこし異なってくるので、園芸では月下美人とクジャクサボテンは別物として扱われることがあります。
クジャクサボテンの花は5センチから30センチまでのものがあり、色も品種によって変わってきます。月下美人に似た、光沢と存在感あふれる花の姿は、一輪咲いただけでも目を釘付けにしてくれます。
そんなクジャクサボテンの花の開花時期は5〜6月頃となっています。
クジャクサボテンの草丈は30センチの小型のものから、1メートルほどまである大型なものまで、幅広い種類のものがあります。茎は昆布のようで、縁がギザギザとしているのが特徴です。
クジャクサボテンはこの茎をまっすぐ上に伸ばして生長していき、一般的に知られるサボテンのように、鋭い棘などはありません。
クジャクサボテンの花言葉である「艶やかな美人」は、その存在感ある大きな花の美しさを表している花言葉となっています。
そんなに美しい花が1日で枯れてしまうということから、「儚い美」や「儚い恋」というものがつけられました。
鮮やかで目を引くクジャクサボテン。花サボテンと言われる通り、その大きな花を見て楽しむことができるサボテンです。
寒さなどの気温に気をつければ、育てるのも簡単です。ぜひ育ててみてください。
GreenSnap編集部