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クワイ(慈姑)は球形から太い芽が飛び出るように伸びているのが特徴です。「芽が出る」縁起物として、正月料理で多く使われる野菜のひとつとして知られています。煮物や揚げ物など料理でも幅広い使い方があります。
今回はそんなクワイの育て方をご紹介します。
クワイは「種球(たねだま)」から育てるのが一般的で、植え付け時期は4月中旬から6月中旬頃です。ただし、寒冷地などでも植え付けの時期を遅らせることで栽培することができます。
芽がしっかり伸びた健康な種球を選び、芽を上に向けて土の表面から5cmほどの深さに埋めましょう。植え付け直後の水深は3cm程度と浅めに管理します。
広い場所に植える場合は株同士を60cmほど離してあげると安心です。容器栽培の場合は実を大きくするために1つの容器に1株だけを植えるのがコツです。
プランター栽培では市販の野菜用土が使えます。肥料を混ぜ込めば、庭の土や無肥料の培養土でも使用することができます。
ただし、正確にはpH6〜7の弱酸性を好むため、必要に応じて苦土石灰などで調整することをおすすめします。苦土石灰は用土1ℓあたり1gほどが目安です。
苦土石灰を混ぜ込んだ後は1週間ほど置いてから、化成肥料などを元肥として混ぜ込んでください。元肥は堆肥や化成肥料を土によく混ぜ込み、種球に直接触れて肥料焼けしないように注意しましょう。
容器は実が育つスペースを確保するため、深さ30cm以上(土20cm以上・水深5cm以上)の深型が理想的です。
クワイは日光を好むため、日当たりの良い場所で管理します。なお、生育に適した温度は20〜30℃(種の発芽気温は15℃ほど)です。
畑や容器栽培(プランター・発泡スチロール)のいずれでも、常に水切れさせないことが重要です。種球を深く植え過ぎたり、水を入れすぎて水深が深くならないように注意が必要です。
クワイは水生植物なので、収穫まで一日も水を切らさないことが成功の秘訣です。
植え付け直後は3〜5cm、成長に合わせて6〜9cmと徐々に水深を上げ、収穫直前まで水を切らさないようにします。水不足は実の太りに直結するため、夏場の水枯れには特に注意してください。
追肥は8月上旬と9月下旬の2回、一度水を抜いてから化成肥料を土に埋め込みます。その後、再び水を張りましょう。
肥料はホームセンターなどで売っている「8-8-8」と書かれた安価な化成肥料でも十分です。一株につき、軽く一握り(約30〜50g)程度の量を目安に施します。
生育が進むと葉の数が増えてきますが、葉の数が多すぎると地中のほふく株の発生や生育が悪くなってしまうため、注意が必要です。
枯れている葉や地面に近くにある葉は取り除くようにし、常に1つの株に5〜8枚程度の葉だけを残すように葉かきを行うようにしてください。
クワイ栽培では、病気のない種球の使用と連作の回避が基本の予防策となります。
病気については、土中の菌により葉に斑点ができる葉枯れ病や、肥料バランス(特にカリ不足)が原因で根が腐ることもある赤枯れ病に注意が必要です。葉枯れ病は発症した部位を早急に除去し、赤枯れ病は適切な施肥を心がけることで対策します。
害虫は、春と秋に発生するアブラムシが主な天敵です。葉から汁を吸って生育を妨げるため、少数のうちに捕殺するか、大量発生した場合には薬剤を用いて防除してください。
クワイは水が漏れない深さのある容器であればOKなので、おうちの余った発泡スチロールやバケツでの栽培も可能です。
バケツなら10〜15ℓ程度の深型、発泡スチロールなら深さ30cm以上のものが理想的です。特に発泡スチロールは保温性が高いため、水温を一定に保ちやすいというメリットがあります。
いずれの容器でも、実が育つスペースを確保するために「1つの容器に1株」で育てるのがポイントです。
クワイの収穫は、地上にある葉や茎が黄色く枯れてきた11月上旬から12月下旬頃が目安です。これが、土の中の実(塊茎)が十分に育ったサインとなります。
収穫する際は、まず張っていた水を抜き、クワイに傷をつけないよう手やシャベルでていねいに土を掘り上げます。1つの株から、およそ10〜15個ほどの実が収穫できます。
また、見た目がきれいなものを収穫したい場合は、収穫の約1ヶ月前にあらかじめ地上の葉や茎を刈り取っておくと、渋皮が自然に取れて色の良いクワイになります。
クワイは乾燥に非常に弱いため、保存する際は湿り気を保つことが重要です。
冷蔵保存の場合は、水を張った容器の中にクワイを入れておくか、湿らせた新聞紙やラップで包んで保存します。冷凍保存する場合も、同様に湿らせてから包むことで長持ちさせることができます。
クワイは収穫した種球を利用することで、繰り返して栽培することも可能です。
収穫したクワイを種球として使用する場合は、傷をつけず、状態がいいものを選ぶといいでしょう。また、受粉した雌花から種子を収穫することもできますが、熟してしまうと茶色く変色し、落下してしまうため、落下する前に収穫するようにしましょう。
今回は正月料理で使われることも多い、縁起野菜のひとつであるクワイの育て方についてご紹介しました。
水田のような場所で栽培されていることが多いイメージのクワイですが、家庭でも発泡スチロールやプラスチックの容器を用いて水耕栽培で育てて収穫することができる野菜です。水性の植物なので、水を切らさないようにだけ気をつけましょう。
クワイは縁起物としてだけではなく、カリウムや食物繊維、ミネラルなどがほかの野菜と比較しても多く含まれており、高血圧の予防にも効果があるとされています。
ぜひ家庭菜園で挑戦してみてはいかがでしょうか。

GreenSnap編集部