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クッション状の茂みのように生える葉と青紫色をした釣り鐘状の花をもつベルフラワーは、乙女桔梗(オトメギキョウ)という和名でも親しまれています。
今回はそんなベルフラワーの育て方について、簡単にご紹介します。
べルフラワーの植え付け時期は、芽が出る直前の2〜3月上旬頃が適しています。春〜初夏に植え付け、翌年春に開花させるという形になります。
キキョウ科のベルフラワーは直根性なので、根を傷つけないよう、根鉢を崩さずに植え付けてください。
べルフラワーは、風通しがよく日当たりのよい場所を好みます。午後には明るい日陰となる場所に置くとなおよいです。
強い日差しに長時間当たってしまうと葉焼けするので、夏の7〜9月上旬までの間は30〜40%遮光するか、明るい日陰で育ててください。
ベルフラワーは耐寒性が強いので、寒冷地でなければ冬も屋外で育てることができます。寒さに触れることで花芽を形成するので、しっかりと寒さに触れさせましょう。
ただし、北風にさらされると枯れ場合があるので注意しましょう。
べルフラワーの水やりは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。
地植の場合は、基本的に必要ありませんが、乾燥が続いたら水やりをします。
冬はやや乾燥気味の状態で育て、霜に当たらないように管理してください。
べルフラワーは、肥えた土壌を好みます。そのため植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。
また、べルフラワーは小さな花を一斉に多数咲かせ、花後に株が急激に弱ります。そのため、開花時期からかなり薄めた液肥を週1回ほどの頻度で与えるようにしましょう。
夏と施肥をやめて、暑さが落ち着く9月下旬頃から再び、薄めた液体肥料を施します。
べルフラワーを育てるときは、水はけと保水力のよい肥沃な用土が適しています。市販の山野草用培養土が使えます。
また、軽石2:硬質鹿沼土小粒または日向土4:桐生砂または赤玉土小粒4の配合土もおすすめです。用土を配合するときは、ふるいにかけて微塵を取り除いてから使いましょう。
べルフラワーの病気はうどんこ病、立枯病、苗立枯病、灰色かび病、軟腐病でしょう。なかでも軟腐病とうどんこ病には注意してください。
軟腐病は、梅雨から夏の多湿の時期に起こる茎の根本が腐って落ちる病気です。病気になっていると気がついてからではほぼ確実に枯れてしまうので、事前に風通しのよさや水はけのよい土を使うなど対策が必要です。
うどんこ病は、5〜8月に歯の表面に白っぽい粉をかけたような症状がでます。重症化することはなくとも、見た目がよくなく、花梗部につくと花芽を阻害するので気をつけてください。
害虫は、ヨトウムシ、ハダニ、アブラムシに注意します。
とくに春〜初夏及び初秋というかなりの頻度で現れるヨトウムシは、葉を暴食してくるので、見つけ次第潰しましょう。ハダニは夏に葉の裏に、アブラムシは春先に新芽や蕾にくっついているので、しっかり駆除しましょう。
べルフラワーの植え替え時期は9月が適しています。成長に合わせて一回り大きな鉢へと植え替えましょう。乾燥に弱いので、プラスチック鉢がおすすめです。
べルフラワーの増やし方で一番簡単なのは「株分け」ですが、「種まき」でも増やすことができます。
一気に葉や茎をぐんぐんと伸ばし始める9月ごろに、株を鉢から抜き、古い根や古土を落とし、根鉢をほぐして植え替えを行います。
それと同時に株分けも行いましょう。古くなった株を自然に分かれている部分で分割してください。
連結している株は、それぞれの芽に対して十分な根がついていると判断できてから、ナイフ等を使って切り分けても問題ないでしょう。ただ切り口に、癒合剤や殺菌剤を塗って保護する必要があります。
なお1株を小さく分けたとしても、用土にしっかりと植え付けておくと1ヶ月も経てば根が張ります。その後は植え替えてから、冬が来る前までにできるだけ株を元気に太らせてください。
種まきの場合は、5月下旬〜6月にとれた種を冷蔵庫に保管しておき、翌年2〜3月上旬に撒きましょう。密にまきすぎなければ、発芽は大抵うまくいきます。順調なら2年目で開花できます。
ベルフラワーは夏の暑さに弱いため、鉢植えの場合は二重鉢にして管理しましょう。または、側面に2~3cmほどの穴を複数あけた発泡スチロール箱に鉢を入れ、軽石や鹿沼土小粒を満たした砂床に埋めておくことで、乾燥や温度上昇を防止できます。
ベルフラワーはもともとヨーロッパ原産の花であるため、育てにくいようなイメージがあるかもしれません。しかし、夏場の管理さえしっかりできれば楽しんで見守ることのできる花で、ガーデニング初心者にもおすすめの草花です。
ぎっしりと絨毯を敷き詰めたように花を咲かせるので、背の高めの植物との組み合わせて寄せ植えにするものおすすめですよ。
GreenSnap編集部