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美術館に飾られている絵画は、どれも立派な額縁に入って観覧者を楽しませてくれますが、ガクアジサイはそんな絵画を額に入れて飾るように本花を彩っています。まさに、額で縁取るような花姿からガクアジサイと呼ばれています。
そんなガクアジサイの育て方をご紹介します。
ガクアジサイは一般的なアジサイよりも、日当たりのいい環境に植えるのが育て方のポイントです。日照不足になると花つきが悪くなるので注意してください。
また、ガクアジサイは葉がたくさんしげるのも特徴のひとつなので、加湿になりやすく、病害虫の被害にもあいやすいので、定期的に強剪定をしましょう。
ガクアジサイは日当たりと風通しがよい場所で育てましょう。建物の東側におくと、午前中だけ日がよく当たる半日陰になることが多いのでおすすめです。
また、ガクアジサイは幹が太くなりやすく、地上部分が大きくなるので、直接地植えで育てる方法が適しています。鉢植えでも育てられますが、株より2回り大きめの鉢で育てましょう。
ガクアジサイへの夏の水やりは、乾燥させない加減が大切です。
ガクアジサイを地植えしているときは、よほど日照り続きで土がカラカラになっている日や乾燥する時期以外は、自然の降雨に任せて大丈夫です。
鉢植えで育てているときは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。とくに6号以下の鉢植えは水切れしやすいので、夏は朝夕に土の乾燥具合をチェックしてください。
冬も同じく、乾燥しないよう水やりをしましょう。ガクアジサイは耐寒性があるので、寒さの対策はしなくてもよいですが、木枯らしや乾燥した寒風に晒されると枝や葉が傷むので気をつけましょう。
ガクアジサイを育てるときは、開花後の7月ごろと休眠中の12〜1月に与えましょう。鉢植えで育てるなら加えて、3〜5月の間に追肥すると花付きがよくなります。
春〜夏の肥料は、即効性の液体肥料を10日に1回与えるか、緩効性化成肥料を1回与えます。
冬に与える肥料は、油かすや粉骨などの有機肥料がおすすめですが、緩効性化成肥料でも問題ありません。
ガクアジサイの剪定時期は、花後の6~7月頃花と休眠中の1〜2月です。
花後剪定のサインは、写真のように真ん中の真花がひらいて数日経ったころです。花がついた枝の先端から2〜3節目を剪定をしておくと、翌年もきれいな花を咲かせてくれます。他の枝も切ってしまうと花芽がつかなくなるので注意しましょう。
また、3〜4年に1度、強剪定として株元から20〜30cm残してばっさりと枝を切ることで、大きくなりすぎを防ぐことができます。
冬の剪定は必ず必要というわけではありませんが、枯れ枝や混み合った枝があれば剪定しましょう。
湿地帯に自生するガクアジサイですが、水はけのよい土を好みます。
また、アジサイは土が酸性かアルカリ性かによって、花の色が変わることで知られます。品種にもよりますが、ガクアジサイは赤みの発色が美しいので、アルカリ性の土づくりがおすすめです。
ガクアジサイの花を赤くしたい場合は、土のpHをアルカリ性に保つと良いでしょう。鉢植えなら市販の赤アジサイ専用土を使います。
地植えなら庭土1㎡あたり苦土石灰を200〜300gまぜてよく耕すと、pHがアルカリに傾きます。その1週間後に1㎡あたり2kgの腐葉土と肥料をまいて、さらに1週間後に植え付けします。
ガクアジサイを植える時期は3〜4月か9〜10月ごろです。
地植えにする場合は、先述の土づくりをすませて、株間1〜1.5mをあけて植えてください。
鉢植えは5〜6号鉢に1株が目安です。また、鉢植えの場合は、植え替えが必要になります。根詰まりを起こすと枯れてしまうので、その前に、約1年に1回のペースで植え替えしましょう。
ガクアジサイの増やし方は、「挿し木」が一般的です。
花のついていない真新しいめの枝の先端を選別したら、10cmほどの長さに切り取ります。切り取った枝を挿し床に挿し、1ヶ月ほどすると根が生え始めます。根が生えるまでは、日光に当てず、日陰になる場所で管理しましょう。
また水を与えると、挿し口から水が侵入して腐ってしまう場合があるので、そっと静かに根が生えるまで待ちましょう。
ガクアジサイがかかりやすい病気としては、うどんこ病や腐敗病があります。
うどんこ病は、カビの一種が葉に付着し、粉をまぶしたように白くなる病気です。湿気に気をつけ、カリウム不足にならなければ、発病することはありません。
腐敗病は、カビや細菌の一種が傷口から感染し、その名の通り株自体を腐らせてしまう病気です。水はけの悪い土地だと発病が高くなるので、地植えでも場所を変えるか、土壌の改善を試みてください。
また、アブラムシやダニが発生すると、植物の表皮が傷つき、細菌が侵入しやすくなります。害虫駆除も怠らないようにしてください。
今回はアジサイの中でも、額を縁取ったような花姿のガクアジサイの育て方を紹介しました。
梅雨のじとじとした時期に、彩りを与えてくれるアジサイの花。ぜひともガーデニングコレクションに加えてください。
藤原正昭
GreenSnap編集部