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「サボテン」という名称をきくと、あなたはどんな形状を思い浮かべますか?きっと、西部劇に出てくるようなモノや、丸くトゲのあるモノなど、様々かと思います。
さて、サボテンは形状ごとに、4つに分けることができます。しかも、これらは進化に沿って分類されています。
今回は、ざっくりとその流れを踏まえつつ、紹介していきたいと思います。
サボテンの祖先はもともと、砂漠のような環境ではなく、ジャングルのように草木の良く生える場所に自生していました。
この頃の形態を今もなお残していると言われているのが「杢キリン」です。
しっかりとした葉っぱも生やしていますが、咲かせる花はサボテン科のそれ。樹木に近く、原始的なサボテンとして有名です。
やがて木の葉サボテンの子孫は、砂漠のような乾燥した環境へ進出していきます。
それに伴い、大量の水分を蒸散させてしまう葉をトゲ状に変え、光合成は茎で行うようになりました。
さらにその茎を太らせる…。そうして生まれたのがウチワサボテンのような形態のサボテンです。
ウチワサボテンは南北アメリカ大陸に幅広く分布しましたが、簡単に折れてしまうことが欠点でした。
そこで生まれたのが、タテに棒状に伸びる柱サボテンの形態です。
この時点で「稜(りょう)」と呼ばれる形状をつくり、光の当たる範囲を調整するようになったのです。
さらに降水量が少ない、あるいは厳しい乾燥にも耐えられるよう、サボテンは球状になることを選びました。
こうすることで、陽に当たる面積を少なくし、水分の貯蔵も多くできるようになりました。
サボテンのなかでは、高度に、もっとも進化していると言われています。
サボテン科には約2500種もの原生種があるとされています。それはきっと、どんな場所にでも、少しずつ自らを合わせようと進化したからこそ。
進化の過程で自ら厳しい環境へと追いやるその精神力。そして、その環境で生き抜こうとする適応力。
一見すると、とても可愛くみえるそのフォルムには、実は長い年月を掛けて培った「知恵」が詰まっているのです…。
mokutaro(杢太郎)