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サボテン科の植物はおよそ2000種以上知られています。そのなかで1属1種の珍しいサボテンがあるのをご存知ですか?名前は「オブレゴニア・デニグリー」。和名では「帝冠」と呼ばれています。
そのサボテンが自生するのはメキシコの北東部。山岳域の岩だらけの環境に生えていて、その場所でしかみることができないのだとか。
そこは乾燥しているうえ、熱い風が吹き抜けていく環境。生物が生きていくには難しい…。
ところがオブレゴニアは、地中に埋まるようにして水分を貯蔵し、過酷な環境でも生きていくことができるのです。
さらに、サボテンらしからぬ形状が美しいのも魅力のひとつ。
世界中のファンを魅了しているのは、ロゼット型になり、生長するごとに丸くなっていくフォルムです。
どこかエケベリアにも似ていますが、オブレゴニアにはしっかりとしたトゲが付いています…。
さらに夏になると、白い可憐な花を咲かせます。
小さい株から生える花も可愛いのですが、大株から生える花は見事。
和名の「帝冠」とはよく言ったものですね。
他のサボテンと同様、栽培はそれほど難しくはありません。
ただし、自生地では土に埋まっていることを考えれば、遮光が必要です。
また、生長はかなりゆっくりめ。10cm以上の大株にするまでに何10年とも掛かります…。これも魅力のウチでしょうか。
このサボテンは、絶滅危惧種。
現在はその希少性からワシントン条約の附属書I「今すでに絶滅する危険性がある生き物」として保護されています。
附属書Iに記載されている動植物は、『国境を跨いだ商業取引が原則禁止』なので、研究機関などでない限り、国内で流通している物は全て国内で繁殖されたものです。
どうやら、現地住民の日銭稼ぎで乱獲、絶滅間近という見方もあるそう。
生長の遅さを考えれば、現地の大きい株を売ればスンナリ金になる…ということなのかもしれませんが…。
もし入手できたのなら、ゆっくり、じっくり、大切に大きく育てていきたいものですね!
mokutaro(杢太郎)