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デンファレは、ラン科デンドロビウム属の植物で、正式名称はデンドロ・ファノプシスという原種を元に改良されていったタイプの事をいいます。日本では略してデンファレと呼ばれており、その他のデンドロビウムとは異なる分類になっています。そんなデンファレは胡蝶蘭に似た美しい花を咲かせますが、お手頃価格で手に入れやすい花です。今回はデンファレの育て方をはじめ、植え替え、花後の管理方法などについてもご紹介します。
一年を通して温暖で、日光のよく当たる場所で育てます。日当たりが十分でないと、茎が十分に太くならず花付きも悪くなってしまいます。ただし、強い直射日光に当てると葉が焼けてしまうこともあるので、注意しましょう。
夏場は日が当たる場所で遮光して管理します。寒さにはあまり強くないので、冬は室内に取り込むなどして、生育温度が10℃以上に保てるように注意します。
デンファレの植え込みには、土ではなく水はけの良い植え込み材料を用います。最も簡単な方法は市販の洋ラン用培養土(ミックスコンポスト)やバークを使うと植え付けもスムーズです。
洋ラン用培養土やバークを使用する場合はプラスチック鉢や陶器鉢を、水苔を使用する場合は素焼き鉢を酢買うのが一般的です。
デンファレは生長中と開花時期、冬場など休眠期で水やりの方法が変わります。デンファレの状態に応じて水やりの量や頻度を変えていきましょう。
5~9月はデンファレの生育期にあたります。この時期はたっぷりと水を与えましょう。デンファレは根よりも葉から水を吸収する力が強いことや、湿度が高い環境で自生することから、霧吹きで葉水をまめに与え、葉を乾燥させないようにします。
花が咲いている時期は、植え込み材料が乾いたら水を与えます。ただし、花が咲いていても冬は水のやり過ぎは厳禁です。
冬場や春先など気温が低い時期は、水を与える回数を減らしますが、葉や茎などは霧吹きなどで湿らせ、植物周辺の湿度を高く保つようにしましょう。
デンファレの施肥時期ですが、4~5月に1回緩効性(ゆっくりと効くタイプ)の化成肥料を与えるか、4~7月に液体肥料を1週間~10日に1回与えます。それ以降は肥料は不要です。
デンファレの贈答用の鉢は寄せ植えになっていることが多いので、花が終わる6月頃に、花茎だけを切り取って1株ずつに植え替えします。
ポットから根を出して古い水ゴケと傷んだ根を取り除き、水ゴケや洋ラン用培養土に植え替えます。
大株は消毒したハサミなどで切り分け、それぞれを適切な大きさの鉢に植え替えます。大きすぎる鉢は根腐れの原因にもなりますので気を付けましょう。
また、根詰まりを防ぐためにも、2〜3年に1回は植え替えてあげましょう。
デンファレの日々の手入れについては、水やりや施肥、温度管理が基本。例えば夜間の気温が10℃を下回る場所では新聞紙や段ボールなどで囲いをするなどして保温するとよいでしょう。
またエアコン・ヒーター類の風が直接当たると葉が乾燥してすべて落ちてしまう原因になりますので、冬場は、エアコンやヒーター類のそばに近づけないようにしましょう。
デンファレは株分けをして増やすことができます。茎(バルブ)がふえ、鉢いっぱいになったら株分けします。
新芽のあるところを確かめて、新芽から数えて3~5バルブのところでハサミで切り分けます。それぞれのバルブ(茎)に3~5本つくように、鋭利な刃物で切り分けます。バルブが増え、鉢いっぱいになったら株分けします。切り分ける際は、新芽のあるところを確かめながら切り分けます。
新しい水ゴケで根を巻き、新芽のある側が鉢の中心部になるように置き、湿った水ゴケを入れて植えこみます。植え付け後、2週間ほどは半日陰で風の当たらない場所で管理しましょう。
デンファレにつきやすい害虫の一例ですが、アブラムシ、アザミウマ、カタツムリ、コナジラム、ナメクジ、ハマキムシなどがあります。
デンファレがかかりやすい病気では、うどんこ病、立ち枯れ病、苗立ち枯れ病、灰色かび病、斑点病などがあります。
デンファレを育てるのは難しいといわれていますが、植え込み材料と鉢の組み合わせや、水やり、肥料の与え方のポイントをおさえるとそれほど難しいものではありません。夏場と冬場の温度管理なども工夫しながら自宅での栽培にも挑戦してみましょう。
河村賢治
GreenSnap編集部