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冬の果物として愛されているミカンは、日本人にとても馴染みのある食べ物ですね。ミカンは鉢植えでも栽培できるので、庭木としてミカンを育てている方も多いのではないでしょうか。
今回はミカンの病気と害虫について解説しています。柑橘類のミカンにつきやすい害虫や、病気になったときの対策などをぜひ参考にしてくださいね。
ミカンは柑橘類の中でもポピュラーな果物です。日本でミカンといえば、ほぼ温州みかん(ウンシュウミカン)を指すことが多いです。
果樹の栽培は難しいと思われている方も多いでしょうが、実は柑橘類は育てやすく、実のつきもよいので家庭で栽培するのもおすすめの植物です。ミカンは日光を好むので、日当たりの良い場所で育てましょう。
ミカンの葉にアブラムシが繁殖すると、あっという間に大量発生してしまいます。アブラムシはミカンの葉の汁を吸い、斑点をつくります。
アブラムシは外部から飛来してくるので、防虫ネットなどを使うことで飛来を防ぐことができます。また、薬剤を使用しても良いでしょう。
カイガラムシは白い殻をかぶった2mm〜10mmほどの小さな虫で、ミカンの枝や茎、葉に付着して樹液を吸い、植物を枯らしてしまいます。
カイガラムシは防除が難しい害虫のひとつで、繁殖力が非常に旺盛なので、気づいたときには大繁殖している可能性もあります。カイガラムシの排泄物から、すす病、こうやく病、アリやアブラムシの誘引にも繋がってしまいます。
カイガラムシの駆除は、成虫か幼虫かによっても異なります。幼虫の場合は殺虫剤を使用することで駆除できます。成虫の場合は貝殻のような殻をかぶっているため、駆除が難しくなります。そのため直接ブラシなどで取り除きましょう。
アザミウマは4月〜11月までの期間に継続して発生します。アザミウマはミカンの花の蕾が開き始めた頃に花びらの隙間から入り込んで被害を与えます。初期の症状は花びらの一部にシミのような変色が見られるようになります。被害が進むと、茶色に変色して花が正常に咲かなかったり、開花せずに蕾のまま終わってしまうこともあります。
咲き終わった花がらが発生源になりやすいので、こまめに摘み取って処分しましょう。長期間効果を保つ薬剤で予防や対策ができます。
カメムシは触れると独特の悪臭を放つ害虫です。落ち葉の下や樹皮の下、壁の隙間などで越冬し、暖かくなってきた春先から活動します。果樹を食害しますが、新芽や茎葉も食害します。若い果実を吸汁すると、汁を吸われた部分の形が変わったり、変色して落果することもあります。
熟した果実を食害すると、そこから腐敗してしまいます。薬剤を散布して防ぐことが効果的ですが、一度の散布では継続した効果が難しいので、発生に合わせて定期的に散布しましょう。
カミキリムシは幼虫の場合は、1〜3年にわたって幹の中をトンネル状に食害します。穴から木くずや排泄物を排出します。成虫の場合も、幹に穴を開けてトンネル状に食害します。
カミキリムシを見かけたら、すでに被害を受けている可能性があります。被害を受けている株がないかどうか注意して確認しましょう。食害されると被害を止めるのは難しいので、枯葉を放置せず、樹皮の荒れている枝などを定期的に剪定して取り除きましょう。
コガネムシは、幼虫による被害と成虫による被害があります。幼虫の被害は根を食害することで、大発生すると苗だけではなく木自体が枯れてしまうことがあります。成虫の場合は、葉を葉脈だけ残して網目状に食害します。また、花に群がって食害するので、花が無惨な姿に変わってしまうこともあります。
コガネムシは、成虫でも幼虫でも見つけ次第駆除しましょう。成虫には、薬剤を散布して防ぎましょう。
ナメクジやカタツムリは、ミカンの新芽や柔らかい葉を好んで食害します。食べられた部分は穴が開き、花がしなっとすることや生育が阻害されることがあります。近くに鉢がある場合は鉢底やブロック下に隠れていることもあるので、見つけ次第駆除しましょう。
すす病は春〜秋に発生しやすく、植物の葉が黒い粉で覆われる病気です。この黒い粉はすす病の病原菌であるカビの胞子で、放置しているとどんどん広がっていきます。
黒い粉は綿棒やティッシュ、歯ブラシなどで直接拭って取りましょう。地植えの植物や観葉植物に発生した場合は、思い切ってすす病の部分を剪定してしまった方が早く処理できます。こうすることで、付近に寄生している害虫も一度に取り除くことができます。
薬剤を散布する場合も、すす病の部分は出来るだけ落としてから散布しましょう。
黒斑病は、ミカンの葉や枝に黒い斑点がでます。斑点はとても小さく、最初は0.1mmから0.5mmほどです。カビ由来の病気で、梅雨や秋雨の時期に感染しやすいのが特徴です。悪化すると黒い点が広がり、枯れることがあります。
黒点病は枯れた枝から広がります。枯れた枝を見つけ次第こまめにカットしておくことで対策になります。
そうか病の原因は糸状菌です。そうか病は梅雨の時期に感染が拡大し、オレンジ色のまだらの斑点ができるのが症状の特徴です。そうか病が発生した葉はすぐに取り除いて対策してください。
ミカンはうどんこ病になることもあります。うどん粉病は、ミカンの葉の表面にうどんの粉をふったような白いカビが付着するのが特徴で。やがて葉が真っ白になるほどカビが繁殖して、ミカンの生育が阻害されます。
うどんこ病を予防するには薬剤が効果的なので、発症する前から薬剤をまいて予防しましょう。
灰色カビ病は、カビが原因の病気で、ミカンの葉や茎が溶けるように腐ります。進行すると灰色のカビが付着し、やがて傷んで死んでしまいます。
灰色カビ病の原因菌は湿気を好み、多湿の環境でどんどん繁殖します。灰色カビ病を予防するために、通気性をよくしましょう。排水性がよい土を選ぶことをおすすめします。
炭そ病は、ミカンの葉、茎、花、果実に発生します。丸い茶色の斑点ができ、葉に穴が開くことがあります。果実が落ちることもあるため、通気性をよくして早めに対策をしましょう。
ミカンはおいしい果実をつけるので、収穫が楽しみですよね。病気になると果実が小さくなることもあります。なるべく病気を防いで、健康に育てましょう。病気の症状を発見したら早めの対処が重要です。
GreenSnap編集部