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ジャガイモはそれほど手をかけなくても栽培できるので、初心者にもおすすめの野菜です。しかし、ジャガイモは他の作物に比べて病気や害虫に影響されやすい野菜なので、土づくりや種芋を選ぶ際には十分に注意して予防しましょう。
今回はジャガイモがかかりやすい病気の特徴や、病気の予防と対策方法をご紹介します。ジャガイモを栽培している方はぜひチェックしてみてくださいね!
ジャガイモには、地面に埋まったイモ(塊茎)の部分に発生する病気と、地上部に発生する病気があります。
ジャガイモがそうか病にかかると、イモ部分に瘡蓋のような赤褐色の病班が発現します。地上部にはあまり変化がでないので、収穫して初めて発覚することが多い、発見が難しい病気です。そうか病は味や収穫量には影響せず、問題なく食べられますが、見た目が悪くなるため商品としては販売できなくなってしまいます。
そうか病はストレプトマイセス属菌という細菌が原因で、土壌の酸度がアルカリ性のときに発生しやすくなります。ストレプトマイセス属菌は土壌の酸度がアルカリ性の時に増殖し、種イモなどの切り口から侵入します。
乾腐病は、主にジャガイモの貯蓄中や芽が出るときに発症します。ジャガイモの収穫時にできた傷口や打撲した部分が陥没し、湿度が高いと徐々に腐敗して、乾燥してシワが寄ります。イモの内部が空洞になり、白〜淡紅色のカビが発生します。
軟腐病はカビ由来の病気で、地面に近い葉が黒く変色して腐り、茎にまで症状が及びます。顔を近づけると、独特の鼻をつくような悪臭がし、匂いで気が付くことが多いのが特徴です。
モザイク病は、アブラムシを媒介にしたウイルス性の病気です。モザイク病にかかると、ジャガイモの葉に黒い斑点が見られるようになり、葉が変色しまるでモザイクがかかったかのような見た目になります。
悪化すると生育が阻害され、成長が止まることがあります。アブラムシの活動が活発になる春から秋に多く見られ、特に晴れた日が続く時期に症状が出やすいです。発病した株は速やかに除去すること、アブラムシを予防し、除去することで発病を抑えられます。
べと病はカビが原因で発生する病気で、ジャガイモの葉や茎の表面が茶色や黄色に変色するのが症状の特徴です。雨や雨天が続き、カビが発生しやすい湿った状態が続くと発病しやすくなり、放置しているとすぐに広がって壊滅的な被害を受けてしまいます。軟腐病を引き起こすこともあります。
青枯病は、葉が青々とした状態のままにも関わらず、急に勢いを失ったように葉がしおれていく病気です。根や茎の小さな傷から原因菌が侵入することで発病し、株全体が立ち枯れます。高温多湿な環境になると、青枯れ病の原因菌が活発になり、症状が出やすくなります。
進行が速いため、放置していると病原菌が株全体を侵食して枯れて死んでしまいます。茎の断面に乳白色の菌泥が見られることがあります。
灰色かび病は糸状菌(カビ)が原因の病気で、野菜や花などほとんどの植物に発生します。茎や葉が茶色く枯れたように変色します。進行するとジャガイモの株全体にカビが付着し、生育が悪くなって枯れてしまいます。
黒あし病は、最初は種イモの腐敗から起こります。腐敗が激しいものは芽が出ませんが、多くの場合は徐々に腐敗が進行します。種イモから伸びた茎の地面に近い部分が黒く変色して腐敗します。重症化すると、株全体が黄色く変色し、茎の伸長も止まってしまいます。
ジャガイモの病気の原因は、ほとんどがカビ由来のものです。カビは高温多湿の環境を好むため、湿度の高い時期には注意して見守りましょう。ジャガイモの株を密集して植えていたり、葉が混み入ったまま剪定せずに栽培している場合も高温多湿になりやすいため、注意が必要です。
そのほか、そうか病はアルカリ性の土壌、モザイク病はアブラムシを媒介とするため、土壌環境や害虫が原因と言えます。
病斑がある葉や茎を見つけたら、すぐに取り除いてください。必要に応じて株ごと抜きましょう。取り除いた葉や茎などは土の上に放置せずに、焼却処分やゴミ袋に入れて処分することをおすすめします。
葉の裏に症状が出ることも多いので、細かな部分もよく観察してください。
カビ由来の病気は、事前に薬剤をまいておくことで予防することができます。またアブラムシを媒介にして広がるモザイク病も害虫予防になる薬剤をまくことで対策ができます。
モザイク病はアブラムシが原因となり広がります。防虫ネットを使用することで虫がつくのを防ぐことで、モザイク病の予防ができるのです。
ジャガイモの病気の多くはカビが関係しています。カビは湿度が高い状態を好むため、水はけをよくして湿気を溜め込まない環境にしましょう。
風通しをよくすることでカビの繁殖を抑えることができます。とくにべと病、軟腐病予防には効果的です。
モザイク病が発生した土をそのまま使いまわすと、再びモザイク病になる可能性が非常に高いです。予防のためにも土の使い回しはしないようにしましょう。
ジャガイモがかかる病気は複数ありますが、多くは高温多湿な状態やカビが原因となることが多いです。ジャガイモを健康に育てるには、風通しがよく、カビが好まない環境を意識して栽培を行いましょう。また、あらかじめ薬剤を撒くなどして、害虫を防ぎましょう。
GreenSnap編集部