『ナナカマド』
🏷️今日のお花


『ナナカマド』手嶌葵

白く凍った朝の丘で真っ赤な宝石見つけました
霜をまとったナナカマドの実
吐息で溶かしてあげました
手のひらの中の赤い粒をぼんやり見つめているうちにあなたを思い出しました
こんなに冷たい季節でもあなたは旅路にあるのでしょうか
あなたが旅立って行ったのはまだ雪が残る頃でした
それから何度も季節は過ぎ
わたしの背丈も伸びました
ゆっくりゆっくり育っていく
ナナカマドは生命（いのち）の木よ
この木がもっと大きくなって真っ白な花を咲かす頃
も一度あなたに会えるでしょうか



1. 「七度かまどに入れても燃え残る」

名前の由来：ナナカマドの材が非常に堅く燃えにくいため、「七回、竈（かまど）にくべてもまだ燃え残る」という例えから「七竈」と名付けられたという説が最も広く知られています。

この燃え残る性質から、火難を避ける縁起物として扱われることもあります。

2. 「良質な炭になる」

実際には燃えにくいというより、ゆっくりと燃えることで良質な炭になる木材として利用されていました。そのため、「七日間竈で焼くと極上の炭になる」という意味で名付けられた、という説もあります。

3. その他

他にも以下のような諸説があります。

「この材で作った食器は7世代も使えるほど強い」ことから。

雷火避け：「この木を植えると四隣七竈（しちかまど）に雷火の災いがない」ことから。

実の多さ：ある民話で、山の神様からもらった灰で育てたナナカマドの木の実が、かまどが7つあっても収まりきらなかった、という話から。

北欧神話にまつわる逸話
ナナカマドは、ヨーロッパでは「ローワン」と呼ばれ、魔除けの木として古くから親しまれています。

北欧神話：雷神トールが激しい流れの川に飲み込まれそうになった際、岸に生えていたローワン（ナナカマド）の枝に掴まって助かった、という逸話があります。

意味合い：この話から、ナナカマドは水難避けや落雷避けのお守りとして大切にされ、「私はあなたを見守る」という花言葉の由来の一つにもなっています。

このように、ナナカマドは火に関わる逸話から「慎重」「賢明」といった花言葉を持ち、また神話からは「私はあなたを見守る」という花言葉を持つ、物語の多い樹木です🌳


良い香りがします🤩💕