ピンクの着物を買いました

それは
両親の愛のぬくもり


働きづくめの母の
指先は割れて
冬にはんてんを
縫いながら
引っ掛かると笑ってました


初めて
仕立ててくれた着物は
ピンクの絽の着物
結納の席に
恥ずかしい思いをしないようにと
両親の精一杯の贈り物


嫁ぐ日の準備のために
留め袖も
喪服も
新しい箪笥の
引き出しに一段ずつの
着物を
準備して
農家の財産の
山を一つ売りました


着物など
なくても良かったのに
結婚式など形だけで良かったのに
大変なことは
一つも口に出さずに
めでたいめでたいと喜んで
幼い頃に遊んだ山は
巣だっていく娘への贈り物に


離婚して
苦しい時に
その着物もわずかなお金のために
手放してしまいました


両親が他界して
何年もたって
今になって
多くを語らなかった両親の
愛が染みてきて
ありがたくて
ありがたくて


ピンクの着物を買いました
いつかの着物のかわりに
絹の柔らかな光と
手触りは
母の手のぬくもり
両親の微笑み


優しく抱いて
新しいたとう紙に
そっとくるみました


ありがとう
お母さん
ありがとう
お父さん


私は
今日も
元気に生きてます



🌸

あなたの今日に
愛がたくさん
降り注ぎますように✨

🐦️
サフィニアの花言葉
咲きたての笑顔 💖