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ベロニカは、小さな花を散りばめた槍を空に向かって咲かせる姿が印象的な花ですね。ベロニカを育てるのに適した場所や水やり、手入れのポイントなどについてご紹介します。
ベロニカはオオバコ科の植物で、品種によってその姿が全く異なることで知られています。大別すると咲く姿は2種類。空に向かって小花で散りばめられた槍状の穂をかざす凛とした姿で咲くオオバコ科に分類されるベロニカと、足元を彩るように地面に沿って咲くゴマノハグサ科に分類されるベロニカです。
北半球に広く分布していて、世界全体では、300種もの品種があるといわれています。花の色は紫や青から白、ピンクまでバリエーションが豊富です。サイズも豊富なので、好みに合わせて選ぶといいでしょう。
雑草に交じって青い花を咲かせるなじみの「オオイヌノフグリ」は、ゴマノハグサ科に属するベロニカの一種です。今回は槍状の穂を空に向かって咲かせる姿が人を惹きつける、オオバコ科に分類されるベロニカの育て方についてみていきます。
ベロニカは交配種なども含めて品種が多用であるため、春、夏、秋とほぼ1年を通して花を楽しめる植物です。そのため「どのベロニカを選ぶか」によって植える時期はまったく異なります。
春に咲く品種の場合、植える作業は9月から10月にかけて、秋に咲く品種の場合、植える作業は4月から6月にかけて行います。
ベロニカはどの品種でも、暑さや寒さには比較的強い植物ですが、日当りがよく、水はけもよい場所を好みます。地植えする場合はとくに日当たりのよい場所を選んで植えてあげましょう。
鉢植えする場合は、保水性、排水性に富み、肥料の持ちもよい赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものや、一般的な「草花向け」の培養土を使います。
地植えの場合は、水はけがよいか場所と土の状態をチェックしておきましょう。
地植えしたベロニカには、意識して水を与える必要はありません。咲いた場所の環境に適応します。一方で、鉢植えしたベロニカの場合は、こまめな水やりが必要になります。鉢植えのベロニカの水やりを欠かすと、下葉が枯れる、花のつきが悪くなるといった症状が出ます。
鉢の土の表面が乾き始めたら水をたっぷり与えましょう。つぼみが出て咲くまでの生長する時期は特に水を多めに与えます。
ベロニカに肥料を与えるタイミングは、大きく2回あります。花が咲く前と、次の芽が出る前です。いつ咲く品種であるかによって肥料を与える時期は異なりますが、だいたい春と秋と覚えておくといいでしょう。
花が咲く前は即効性の液体肥料を少量、次の芽を待つタイミングでは遅効性の置き肥料を株の根元に置いてあげます。
地植えするときは堆肥や腐葉土を混ぜ、十分に土を柔らかく耕した状態にしてから植え付けます。ビニールポットに入った株の状態で購入した場合は、根が伸びやすいように少しほぐしてから植えましょう。
ベロニカは品種を問わず、生長が早い植物のひとつです。槍状の穂が出るオオバコ科に分類されるベロニカの場合、鉢植えすることもあるでしょう。鉢植えの場合は1年ごとに植え替えてあげなくてはいけません。本葉が5枚から6枚出たタイミングで一回り大きい鉢やプランターなどに植え替えてあげましょう。
植え替えたあと、ベロニカがしっかり根を張るまでは水を多めに与えます。
もしベロニカが生長しすぎてしまった場合、「切り戻し」をしてあげる手入れの方法がひとつあります。切り戻しとは、生長しすぎた植物の茎などを短く切り落とす作業です。切り戻しを施すことによって、植物はカットした部分を起点に若返るとされています。
切り戻しを行う場合は、カットする場所がとても重要になります。切り戻しを行う場所は「芽や葉の少し上」です。
咲き終わった花がらは剪定ばさみなどを使ってカットします。手で摘み取ったりちぎったりすると、花本体を傷める可能性がありますので避けましょう。
ベロニカの株の根元に新しい芽が出てくると、茎は枯れてきます。茎が枯れるのはベロニカが休眠に入ったサインのひとつなので、枯れた茎は刈り取ってしまいます。
寒さには比較的強いベロニカですが、地植えしたベロニカを越冬させる場合は、ベロニカを植えている地面の表面をビニールや藁で覆うマルチングをしてあげましょう。雑草が生えてくるのを予防できるほか、水分が蒸発するのを防ぐ役割があります。
ベロニカの増やし方は、品種によって異なりますが、株分け、刺し芽、種を植える方法で増やすことができます。株分けで増やす場合は、植え付けや植え替えのタイミングで増やしていきます。
刺し芽での増やし方は、花の芽ではない若い芽を切り取って、土に植えて増やす方法、あるいはベロニカをひと節ごとに切り分けて、その節を土に植える方法です。種から育てるよりも効率よく植物を育てることができます。
ベロニカを育てるとき、注意したい病害虫はアブラムシです。虫がつきやすいため、見つけ次第、駆除しましょう。
ベロニカによく発生する病気には葉などが白くなるうどんこ病や、茎などが枯れる灰色かび病があります。日当たりや風通し、水はけが悪くなると灰色かび病が発生しやすくなりますので、注意が必要です。
派手に主張しない咲き方をするベロニカの花は、誠実さや忠誠をあらわすものだったのかもしれませんね。
ベロニカは暑さや寒さにも強く、あまり細かい手入れを必要としない植物です。草原などにも咲いている品種であることから手をかけなくてもそれなりに増えていく品種もあります。
品種が多様なベロニカは、家庭のかたちや、生活スタイルに合わせた育て方ができる稀な植物です。
ぜひベロニカをご家庭で育ててみませんか。
GreenSnap編集部