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セキチクは「唐撫子(からなでしこ)」とも呼ばれる、ナデシコ科ナデシコ属に属する秋まきの多年草です。漢字では「石竹」といい、葉の形が竹の葉に似ていることからこの名前がつけられたといわれています。
美しい花が楽しめるセキチクの育て方についてご紹介していきます。
セキチクは日当たりの良い場所を好みます。地植えする場合には日当たりがよく水はけのいい場所に植えて育てます。
セキチクは耐寒性がある花なので、関東以西では地植えで霜除けをせずに育てることが可能です。ただし、霜の心配がある地域では冬に霜除けをした方が安心です。
暖地では夏の暑さに耐えられず枯れる場合があるので、暑い時期には風通しの良い日陰などに移動して育てましょう。
セキチクは基本的に乾燥気味な状態を好みます。
そのため、花壇などで地植えしている場合には、特に水やりの必要はありません。しばらく雨が降らなかったときや、生育期に水やりをしましょう。セキチクを鉢植えで育てている場合には、土の表面が乾いたときにたっぷりの水を与えます。
セキチクへの肥料やりは、開花前の3~5月と植え付け時期の11~12月に与えます。肥料が少なくても枯れることはないのですが、花のつきが悪くなります。肥料が必要な時期には、薄い液肥を週に1回ほど与えましょう。
セキチクを育てるときは、市販の花用培養土を使いましょう。または、元肥として緩効性の肥料を混ぜた、赤玉土小粒6:腐葉土4の割合で配合した土でも良いでしょう。
セキチクを地植えをするときには、土に水はけをよくするため培養土を混ぜ込みます。さらに苦土石灰と牛糞などの元肥を混ぜ込み、適した土壌をつくります。
3~5月の春か9~10月の秋に植え付けしますが、セキチクは低温におくと花芽をつけるので、一般的には秋に種まきをし、開花前に冬を越すようにします。
培養土に種をまき、種が隠れる程度の土をかけて、土の表面が乾かないように水を与えます。子葉や本葉が出てきた頃には、約5cmの間を開けて苗をポットなどに移します。
セキチクの苗の植え付け時期は、秋植えでは10~11月頃が適期です。ポットで育てて本葉が4、5枚になった頃には、根元の土を落とさずに土がついたまま約25cmほどの間隔をあけて、花壇や鉢などへ植え付けします。
セキチクはよく生長する植物なので、鉢で育てる場合には大きめの鉢に植え付けてあげましょう。
セキチクは根の成長も早いため、鉢では根詰まりに注意が必要です。毎年植え付けの時期には根をほぐして、新しい用土に植え替えるといいでしょう。
セキチクは「種まき」や「株分け」、「挿し木」で増やすことができます。
種で増やすときには、花の咲いたあとにできる種を採り、9~10月に種をまき、苗を育てます。
株分けでは、秋の植え付け時期に親株を掘り上げ、絡まりをほどいてから根を切り分けて株分けします。春か秋の植え付け時期に、新しい芽を5~10cmの長さで切り取ります。数十分間水揚げをしてから、培養土に挿して根付くまで半日陰で育てます。
セキチクの花が咲き終わったあとに種ができるので、種を取らない場合には咲き終わった花を取り除くと、次の花が咲きやすくなります。
セキチクに多い病気は、葉に濃い色の斑点が現れる斑点病や、根腐病です。また、気温が高い時期には葉や茎にアブラムシ、ハダニがつきやすくなります。葉を食べるクロウリハムシにも気をつけましょう。
セキチクは明るい色にギザギザの切れ込みがある花弁をもつ、きれいな花を咲かせます。花色が鮮やかな品種です。
セキチクには大きく分けて、背丈が10cmほどの三寸セキチクと背丈が20~30cmほどの五寸セキチクの2種類があります。
三寸セキチクは背丈と花が小さく、低温にあたると花芽がつくという特徴があります。五寸セキチクは、三寸セキチクよりも背が高く花も大きい種類です。こちらが一般的に流通しているセキチクの種類で、低温にあたらなくても花芽がつく種類もあります。
花弁の縁にある切り込みや鮮やかでカラーバリエーション豊富なセキチクは鉢や花壇を華やかにしてくれる花です。
耐寒性があり乾燥にも強いので育てやすく、夏の暑さに気をつけて育てれば、5月には美しい花を咲かせます。
たくさんの色を楽しめる花なので、数種類のカラーを織り交ぜながら育てるのも素敵です。
※トップ画像は友さん@GreenSnap
GreenSnap編集部