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暗くなってから花が咲き、翌朝には萎んでしまうことから、幻の花とも称される「月下美人(ゲッカビジン)」は、サボテン科クジャクサボテン属に属する多肉植物です。夏から秋にかけて一夜だけ咲くといわれていますが、実はうまく育てれば何度か花を咲かせることができます。今回は、そんなゲッカビジンの育て方を詳しくご紹介します。
月下美人の育て方は、ほかの多肉植物よりやや難しいとされています。
月下美人の花を咲かせるためには、株をしっかり大きくし、春から夏にかけての生長期に日光を当てることが大切です。季節ごとに育てる場所を調整してあげましょう。
また、月下美人はサボテンの仲間ではありますが、生長期のこまめな水やりも欠かせません。
春の時期には、屋外の日当たりの良い場所で育てます。花つきをよくするためにも、この時期に直射日光にしっかりあてましょう。
日差しが強い夏の時期は、長時間日光の当てていると葉っぱが枯れやすくなります。梅雨が明けた頃から、半日陰の場所に移動させましょう。
涼しくなってきたら、再び日当たりの良い場所に移動させます。
ゲッカビジンは寒さに弱いため、12月頃もしくは花が終わったら室内に移動させましょう。室内の日当たりの良い場所で管理してください。
ゲッカビジンは、水はけがよい土を好みます。
園芸店などに売っているサボテンや多肉植物用の土を使うのがおすすめです。自分で土をブレンドをするときは、水はけがよい赤玉土に保水性がある腐葉土を混ぜて使いましょう。
ゲッカビジンは地植えではなく、鉢植えで育てることが多いので、鉢の底に敷き石を敷いてから土を入れます。水やりをしたと、土があふれないように、ふちは2〜3cmほど空けておきます。
ゲッカビジンは森林性サボテンに分類されるため、生育期は水やりが必要です。
初夏と秋は、土に触れてみて乾燥しているなと思ったら、たっぷりと水やりをします。梅雨明けから8月の間は、日射しも強いので毎日水をやりましょう。
冬は土を乾き気味にしておきます。水やりをするときは完全に乾いている状態で、湿らす程度にします。
寒い時期の水やりは数日おきでよいでしょう。
ゲッカビジンへの肥料やりは、生育期のみにしましょう。冬は特に必要ありません。
ゲッカビジンに与える肥料は2種類で、錠剤や粒状になっている「緩効性肥料」を月1回、液体になっている「即効性肥料」を2週間に1回与えます。
ゲッカビジンの植え付け時期は、初夏か秋頃が適期です。気温が高くなる真夏は避けましょう。
鉢植えにするときは、新しい土を入れるようにします。
ゲッカビジンの植え替えは、2年に1回でOKです。植え付けと同様に生育期である初夏か秋に行います。
植え替えの際は、根鉢を崩して、古くなった土を落としてから植え替えましょう。なお、鉢は小さめのものを選ぶようにすると育てやすいです。
ゲッカビジンの増やし方は「挿し木」が一般的です。
挿し木は5〜9月の、生育期に行うようにします。長さは15〜30cmの茎を土に入れて育てます。増やすときに使う土も水はけのよいものを選んでください。
ゲッカビジンがかかりやすい病気が「スス病」です。スス病とは、葉の表面が黒く変色する病気で、アブラムシやカイガラムシの排泄物が原因といわれています。スス病にかかると発育が遅れ、結果的には枯れてしまうこともあります。
アブラムシやカイガラムシがついていることに気づいたら、薬剤をかけて除去するようにしましょう。このほかに植物の栄養素を吸い取るハダニも付きやすい虫のひとつです。葉っぱがしおれていたり、枯れているのを見つけた場合には取り除くようにしてください。
ゲッカビジンは水やりを必要とするため、水が多すぎると根腐れを起こして葉が枯れることがあります。また、株が大きくなって根詰まりを起こすと、葉が枯れてしまいます。
枯れた葉や変色している葉、虫食いは、すぐに取り除いてください。葉っぱが伸び過ぎると鉢のなかで通気性が悪くなるので、広がってきたと感じたら剪定するようにします。
ゲッカビジンの開花時期は、6月〜11月にかけてです。ただし、うまくいっても、この期間のうち3〜4回程度しか開花しません。
なお、花が咲く時間は、夕方から夜にかけてです。開花して、朝になるとしぼんでしまう一夜限りの花として知られています。
ゲッカビジンは温度管理や水やりのタイミングが難しい植物ですが、花がつけば、夏から秋の夕方から夜にかけて開花する様子が見られるほか、花の香りも楽しむことができます。
大輪の白い花は、冬越しをさせれば翌年も咲かせることができるので、上手に育ててくださいね。
※トップ画像はrubyさん@GreenSnap
GreenSnap編集部