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萩(ハギ)はマメ科ハギ属の落葉低木であり、本来は樹木に分類されますが、草花としても知られています。日本では、秋の七草の一種として古くから親しまれています。今回はそんな日本人の心をつかんで離さない、萩の育て方について詳しくご紹介します。
ハギは日当たりのよい場所かつ、水はけのよさが確保されていれば、土質に関わらず生育します。鉢植えでも、地植えでも大丈夫です。
マメ科の植物に見られる根粒菌は、植物から栄養を供給してもらうかわりに、栄養素であるチッ素を生み出し、植物に渡すという共生関係を築いています。だからこそ、ハギはやせた土地でも育つことができるのです。
鉢植えでハギを育てている場合は、とくに生育期に水が不十分だと葉が枯れてしまう恐れがあります。そのため、夏や乾燥が続いた際は、朝か夕方に水をたっぷり与えましょう。
地植えでハギを育てている場合は、夏の高温乾燥が続いている状態を除いて、水やりは基本的には不要です。長期間雨が降らないなど、乾燥が続くようであれば、たっぷりと水やりをします。
ハギには夏の暑さでも過度に乾燥しない、水はけのよい用土が最適です。
鉢植えでハギを育てる場合、赤玉土:腐葉土:鹿沼土を5:3:2の割合で混合させましょう。草花用の培養土を使用しても構いません。
地植えでハギを育てる場合、元肥として植え穴を掘り上げた土の1/3ほどの腐葉土と完熟堆肥を混合しましょう。
ハギの生育に肥料は基本不要ですが、地植えで大きく株を育てたい場合は、1〜3月に寒肥として緩効性化成肥料を与えましょう。鉢植えの場合は必要ありません。
ハギの植え付け時期は、厳冬期前後の11〜12月、2〜3月に行います。萩は比較的耐寒性が高いですが、厳しい冬には耐えられないので、落葉期を目安に植え付けをしましょう。
ハギの植え付け方法は、最初に株を地際(株元付近の土)から、高さ15cmほどのところで切り戻しをします。次に、深植えにならないように気をつけながら、やや山高になるように植え付けましょう。
ハギの植え付け後は、日当たりの良い場所で管理し、過度に乾燥しないように、適度に水をあげるようにしましょう。
植え替えの時期と方法も、植え付けと同じです。ハギは株が大きく成長するので、1〜2年に一度の頻度で、ひとまわり大きな鉢へ植え替えてあげましょう。
ハギは一般的に「株分け」、「挿し木」、「種まき」によって増やすことが可能です。
ハギの株分けは落葉期に行うとよいでしょう。
あらかじめ枝を刈り上げたうえで、スコップを深く差し込んで根本から掘り上げます。次に、株を縦割りするように分けた株を土に植えれば完了です。
ハギの挿し木は花が咲き終わった10月から行います。まずその年に伸びた枝を15cmほどにカットし、その枝につく葉を1/3だけ残しましょう。
次に、枝の切り口を1~2時間ほど水につけ、湿らせた土に挿します。あとは鉢をビニールで覆い、土が乾燥しないよう半日陰で管理することで新たな根が生えてきます。
花が咲き終わったあとにできる実から、種を採取します。
その種の表面に傷をつけたのち、一晩水につけるようにしましょう。次に、あらかじめ水をやって湿らせた土に、1.5cmほどの深さで種を植え、軽く土をかぶせて明るい日陰で管理してください。発芽までは土が乾燥しないように水やりをしましょう。
ハギの剪定は、今後の生育の良し悪しだけでなく、どれだけ花が咲くかをも左右する大切な作業です。
剪定時期は、落葉後、芽が出る前の2月が適切とされています。その際、植えるときと同じくらいの長さ(株元から10~30cmほど)の位置で枝を切り戻すとよいでしょう。
ハギはその年に生えた枝(新梢)にのみ花をつけるため、古い枝を放置していてもあまり意味がありません。また、弱った古い枝は寒さから地際まで枯れてしまいかねないので、必ず定期的に剪定をしましょう。
ハギは病気や害虫への耐性が強いことで知られています。
しかし新芽などにアブラムシがつくことがあるほか、葉の表面に褐色の斑点ができて枯れてしまう、さび病という病気にかかることがあります。風通しが悪く、多湿状態になることが原因なので、剪定などの日頃の管理が大切です。
ハギは8月〜9月頃になると、蝶が羽を広げたような小さな紫色の花を咲かせます。その美しさは、和歌や詩で数多く詠まれていることからもうかがい知れます。
ハギは特別な管理をしなくとも、自然と育っていく健気な植物です。しかし過度な乾燥や枝の剪定などの手入れをおこたると、生育に差がでてしまいます。
育て方の要点をしっかり抑えて、元気よく花を咲かせるハギを育てましょう。
GreenSnap編集部