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イチハツ(一初)は、古くから”アヤメ科の植物で一番はやく咲く”といわれることにちなんで名付けられた草花です。鉢植え、地植えの両方で育てられることから、根強い人気でよく育てられています。
今回は古くから親しまれる、イチハツの育て方をご紹介します。
イチハツはアヤメ科アヤメ属の多年草であり、中国を原産としている植物です。4~5月に開花期を迎え、花径約10cmの花を咲かせます。垂れ下がった花弁の中央付近に、とさかのような突起が見られるのが特徴です。
もともと茅葺き屋根の上に植えることで、災害を防ぐと信じられていたためか、近年では屋上緑化用の草花として、よく植えられるようになりました。
イチハツは日当たりがよく、西日を防げるやや湿った場所を好みます。夏場のような強い日差しをうけると、乾燥しすぎてしまうので、半日陰におくようにしましょう。
また、イチハツは耐寒性が高いので、屋外に置いても越冬できます。
鉢植え栽培のイチハツの場合、表土が乾いているようであれば、たっぷりと水をあたえましょう。
11~2月頃の休眠期には、鉢内が乾ききらない程度の水やりをします。
地植え栽培のイチハツの場合、雨が降らずよほど乾燥が続かない限りは、水やりの必要はありません。基本的には自然に降る雨で充分です。
イチハツは水はけのよい用土を好みます。市販の草花用培養土や「赤玉土小粒7:腐葉土3」といった一般的な配合土を使用しましょう。
鉢植えのイチハツの場合、春の芽出し前の3月と秋口の9月に、緩効性の化成肥料を株元に施しましょう。液肥でも問題ありません。
地植えのイチハツの場合、基本的に肥料は不要ですが、肥料をあたえると、より花つきがよくなります。
イチハツの植え付けは、花後である5月中旬~6月頃に行うのが一般的ですが、秋の9月頃でも可能です。
地植えの場合、深さ約30cmの植え穴を掘り、掘り上げた土の3割ほどの腐葉土、またはバークを土と混ぜ込み、植え付けを行いましょう。
イチハツの植え替えは、花後の5月中旬~6月、または芽出し前の2~3月に行います。イチハツは根づまりを起こしやすいため、鉢植えであれば2年に1回、地植えであれば3、4年に1回を目安に植え替えするようにしましょう。
イチハツは株分けで増やすのがおすすめです。株分けは5月中旬~6月ごろに行うといいでしょう。
イチハツは細い根茎を伸ばしているので、根を傷つけないよう慎重に掘り上げてください。ひとつの株を2~3個に分けるようにしましょう。
5月中旬の開花期が終わったイチハツの花は、種がほしい場合以外は、花茎から切り取って、花がら摘みをしましょう。種をつくると株がよわる性質があるため、早めにに花がら摘みをするのがおすすめです。
イチハツは病気や害虫に対する耐性がつよいことで知られますが、ときには発生することもあります。
ニカメイチュウは5~7月に発生する、体長約1cmの灰色のガです。幼虫が茎の中に食い入ることにより、枯らしてしまう被害をもたらします。ニカメイチュウの幼虫はイネ科の植物で越冬するため、周囲のイネ科の植物を事前に刈り取っておくことで、予防することができます。
イチハツの花言葉は「火の用心」「使者」です。
茅葺き屋根に植えることで災害から守ってくれる存在である一方で、学名の由来にもなっている虹の女神イリスが虹を通じて言伝を行ったこと。これらふたつはイチハツが神秘的な存在であることを示しています。
イチハツは、その凛とした姿で、今も多くの人に愛されている草花です。初心者にも育てやすい強健な植物でもあるので、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部