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青や白色などの可愛らしい花が咲くツユクサ(露草)は、昔から日本に自生している植物です。日本では道端などにも咲いているので、ツユクサを知っている方も多いのではないでしょうか。花が小さく可愛い印象のツユクサですが、実はとても生命力が溢れる植物です。
今回は、ツユクサの育て方などについてご紹介していきます!
日本では道端などに自生しているツユクサは、ツユクサ科ツユクサ属の一年草植物です。ツユクサは朝に咲いてお昼頃には花が萎むことで、朝露を連想させることから「露草」と名付けられたと言われています。ツユクサは和歌などにも頻繁に登場する植物であり、万葉集では「月草」と表記されていることが多いです。英名は「Dayflower」であり、その日にしぼむ花という意味があります。
学名の「Commelina(コメリナ)」は、オランダの植物学者ヤン・コメリンとカスパル・コメリンの名前に由来します。コメリン家は3人兄弟でその全員が植物学者でしたが、そのうち1人は早くに亡くなってしまいました。ツユクサの花びらは3枚ありますが、2枚は大きく1枚は白く小さいことが特徴です。大きな2枚の花びらがヤンとカスパル、そして小さな1枚が亡くなった兄弟のようであることから、スウェーデンの分類学者のカール・フォン・リンネがコメリナという学名を付けたとされています。
ツユクサの花は青や白、そして黄色などの色があり、どの花も可愛らしい印象です。原産地は日本全土を含むアジア全域、そしてアメリカ北東部です。草丈は約20cm~50cmで、花びらの大きさは約1.5cm~2cmと小さめです。ツユクサの茎は、地面を這いながら枝分かれして広がります。茎の上部は斜めに立ち上がり、6月~9月頃になると2つ折りの状態の包葉の中にいくつか蕾が出来、綺麗な花が咲きます。
ツユクサは道端などに自生する植物のため、幅広い環境に適応することが出来ます。ツユクサを鉢植えなどで育てる場合は、日当たりと水はけが良く、湿った場所で育てるようにしましょう。
ツユクサが鉢植えの場合は、土が乾燥しているようであれば十分にお水を与えてあげましょう。地植えの場合は雨水だけでも十分ですが、夏の時期など日照りが続く場合は水をあげましょう。ただし、多湿は根崩れの原因にもなるので、与える水の量には注意しましょう。
ツユクサを育てる際に用土を選ぶ必要はほとんどありませんが、保水性と水はけが良い用土を使用すると良いでしょう。水はけを良くするためには、腐葉土や堆肥を約3~4割混ぜて調整しましょう。ツユクサの生命力はとても強く、根を除去しても地中に種を残してまた生えてくるので、地植えの場合は育てる場所を慎重に選ぶようにしましょう。
ツユクサは、肥料を与えなくても育つ植物です。色鮮やかなツユクサの花や花の数を増やしたい場合は、肥料を与えてあげると良いでしょう。鉢植えであれば春と秋の時期に緩効性肥料は月1回、液体肥料であれば月3~4回施しましょう。
植え付けの時期は4月~6月頃が最適ですが、ポット苗であれば1年中植え付けが出来ます。鉢植えの場合は、通気性が良く一回り大きな鉢を選びましょう。地植えの場合も、通気性と水はけが良い場所を選ぶようにしましょう。
ツユクサは1年草のため、植え替えする必要はありません。
ツユクサを地植えする場合は、数か月で大きく生長します。そのため、あまりにも生長するようであれば株元から約2cm残して剪定すると良いでしょう。ツユクサは短く剪定しても、すぐにすくすくと生長してきます!
ツユクサは、挿し木または種まきで増やすことが出来ます。種まきの場合は、ツユクサの花がらを摘まずにそのまま放置しておき、秋頃に種を収穫します。種は風当りの良い場所で保管し、冬の時期であれば冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。そして、4月~5月頃に種まきをします。種をまく際は、上から土をかぶせないで土の上に浅くまきましょう。地植えの場合は、育てている環境が良ければこぼれ種で繁殖します。芽が出るまでは、土が乾燥しないようこまめに水やりをしましょう。
挿し木の場合は、4月上旬~6月頃に茎を約4節分切り取りましょう。切り取った茎の先を水に挿して、毎日水を取り換えましょう。茎から根が出てきたら準備しておいた用土に植え付けをして、根付くまでの期間は明るい日陰で管理するようにしましょう。また、水にあらかじめ発根促進剤を混ぜておくと、早く根が出てきます。
ツユクサは、モザイク病にかかることがあります。モザイク病とはアブラムシやアザミウマなどがウイルスを媒介して発生する病気で、葉の表面にモザイクのような模様が現れます。感染した場合は薬剤などの効果はなく、すぐに感染した葉の部分を剪定しましょう。モザイク病は肥料の与えすぎが原因のため、日頃から肥料の量には十分注意しましょう。
ツユクサ全般の花言葉は、「変わらぬ思い」「懐かしい関係」、そして「尊敬」などです。ツユクサの花言葉は多く、ツユクサの種類によって変わります。懐かしい関係という言葉は、オランダの植物学者であるヤン・コメリンとその甥の植物学者カスパル・コメリンが2人ともアムステルダム薬草園の園長だったことが由来とされています。
また、尊敬という言葉は、絵画などに描かれている聖母マリア様が青い服装をしていることが多く、ツユクサと同じ青い色であることが由来と伝えられています。
ツユクサの花は小さく儚い印象を連想させますが、その印象とは異なり強い生命力がある植物です。万葉集などにも登場しており昔から日本に自生している植物なので、ツユクサに親しみがある方も多ことでしょう。
ツユクサは幅広い環境で育てることが出来るので、初心者の方でも育てやすい種類の植物です。ご興味があれば、ぜひともご自宅でツユクサを育ててみることをおすすめします!
GreenSnap編集部