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ムベと聞いてもピンとこない人も多いと思いますが、アケビなら知っている人も多いでしょう。ムベはアケビによく似た実を付けます。それもそのはず、ムベはアケビ科ムベ属に属するツル性の植物です。今回は、花や実も楽しめるムベの育て方をご紹介します。
ムベは日当たりのよい場所が適しています。日陰でも育ちますが、花や果実を多く実らせるには、日当たりのよい場所を選ぶ方が良いです。
ムベを地植えにする場合は、植え付けからしばらくの間は、土の表面が乾いたら水やりをします。苗が根付いたあとは、特に水やりの必要はなく、自然の降雨で十分です。ただし、降雨がない日が続き、乾燥しきっている時だけは水やりをしましょう。
ムベを鉢植えにする場合は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
ムベには、2月頃と花後の6月頃、果実が付き始める10月頃に、寒肥として化成肥料を施します。
ムベを育てるときは、水はけと水持ちのよい用土を用いましょう。ただし、土質にあまり神経質になる必要はありません。掘り返した土に腐葉土を混ぜておくとなお良いでしょう。
ムベの植え付け時期は、3月~4月もしくは10月~12月が適期です。
掘り返した土に腐葉土を混ぜ、元肥として化成肥料を施して植え付けします。ムベはツル性の植物なので、支柱やネット、生垣などを立て、ツルを誘引してあげましょう。
鉢植えのムベは、植え替えが必要です。根のまわり具合を確認し、根詰まりしているようなら、ワンサイズ大きい鉢に植え替えます。少なくとも2年に1回は植え替えましょう。
なお、植え替え時期も、植え付けと同じく、3月~4月もしくは10月~12月が適期です。
ムベの増やし方は「種まき」もしくは「挿し木」となります。
ムベの熟した果実から種を採取し、よく洗って果肉を落とし、そのまま種まきします。
ムベの花後の6月~7月頃に若い枝を切り取り、発根促進剤に浸けたあとに、挿し木します。
ムベは、同じ株の花粉では実りにくい自家不和合の性質をもっています。このため、ほかの株の花粉で人工授粉した方が結実しやすいです。
ムベの果実が多すぎると、果実自体の品質が落ちます。果実の品質をよくするには、摘果が必要です。観賞用に育てていて、果実を収穫しないのであれば必要ありません。
ツルが混みあうと株の内側まで日が届かなくなります。また、鉢植えの場合は、なるべくコンパクトに育てたいものです。混みあったツルや伸びすぎたツルは剪定します。花後の6月~7月に行いましょう。
うどんこ病:葉や茎にうどん粉をまいたように白いカビが生える病気です。うどんこ病にかかった葉は光合成を行えず、発育不良に陥ります。薬剤を散布して対処しましょう。
アブラムシ:新芽や葉裏に寄生して汁液を吸います。汁液を吸われた植物が生育不良に陥る直接被害と、病気を媒介する間接被害があるため注意が必要です。アブラムシは繁殖力が旺盛なので、早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ハダニ:葉裏に寄生して汁液を吸います。汁液を吸われた箇所は葉緑素が抜けて白い点となり、やがてカスリ状になってしまいます。早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ムベは開花時期の春になると、白っぽい細長い花びらで、中心に赤紫色の筋が入った釣鐘状の花を咲かせます。
そして、花が終わった秋になると、アケビの実に似た紫色の実をつけます。果肉は透け感のある白色で、種が多く、味はほんのり甘いです。ただし、食べられる果肉は少ないです。
ムベとアケビは同じアケビ科の植物のためよく似ています。ムベとアケビの違いは、アケビが落葉性なのに対し、ムベは常緑性です。また、アケビの果実は熟すと割れるのに対し、ムベの果実は熟しても割れません。
ムベの育て方をご紹介しました。春には花を、秋には果実を楽しめるムベは、お庭の観賞用植物としても人気。あなたも花と果実が楽しめるムベを育ててみませんか?
※トップ画像はmuscatさん@GreenSnap
GreenSnap編集部