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日本の山野に自生していることもあるユリは比較的育てやすい園芸植物です。ユリは品種も後述するように大変多くなっています。開花期は6月から8月であり、夏の花の一つです。
ユリは初心者向きな花ですが、育てる際には気をつけておきたいこともいくつかあります。ここではそんなユリの育て方と注意点などを紹介します。
ユリを元気に育てるためにも、次の良い球根の条件に当てはまるものを選ぶようにしましょう。
先っぽが凹んでいたり、元気がなかったり、表面がざらついているような球根は、球根は病気を抱えていることがあるため避けた方が良いでしょう。もしも病気の球根を植え付けてしまうと、ほかのユリにも悪影響を与えかねないので選ばないようにしてください。
ユリは強い日差しに弱いので、真夏は日差しが直接当たらないところで育てると良いでしょう。
また、ユリは品種によってかなり生息環境が異なります。例えば、スカシユリやアジアティックハイブリッドなどは日当たりの良いところを好みます。一方、ヤマユリやオリエンタルハイブリッドなどは半日陰を好みます。
球根を購入した際についてくる説明書などを読んで、品種ごとの違いを確認してください。
ユリの球根を植える時期は、10月から11月にかけてです。日当たりの良い場所もしくは半日陰に植え付けましょう。
ユリの土は基本的に市販の草花用培養土を使いましょう。地植えなら庭土に3〜4割ほど腐葉土を混ぜてください。
また、品種によっては多少粘土質の用土を好むので、例えば、テッポウユリやコオニユリを育てるなら、1割ほど黒土を混ぜておくのもおすすめです。
球根を植える深さは、球根の高さ3個分くらいを目安にしてください。球根と球根の間は30cm程度離して植えましょう。
発芽したら水やりをしっかりしていきます。水やりを怠ると、球根も大きく育たないので注意してください。
ユリに水やりをするときは、鉢土の表面が乾いてきたら水をしっかり与えます。
ユリの地植えで育てている場合は降雨だけで大丈夫なこともありますが、夏場は乾燥しがちなので、しっかり水やりをするようにしましょう。
ユリを植え付けるときに、緩効性肥料を施します。また、芽が出てきたら草花用の肥料を2ヶ月に1回与えて追肥をしましょう。
ユリの球根を植えっぱなしにしていると、翌年花が咲かない可能性が高いのて、定期的に掘り起こして管理、植え替えをしましょう。
ユリを鉢植えにしている場合、植え替えは毎年行います。地植えしている場合はスペースに余裕があれば3年に1回程度、植え替えを行いましょう。
ユリの植え替え時期は、花が枯れ終わったあとの11月頃です。植え替えをするときは、掘り上げた球根を乾燥させないで、すぐに植え替え用の用土に植え付けましょう。
ユリは種で増やすことができます。枯れたユリを切り取らずに放って置くと種ができます。種をつくることにより栄養が取られて球根が太りにくくなるので、球根で育てたい人は花は早めに切り取ると良いでしょう。
球根で増やす場合、球根片を一枚ずつはがして初根させる方法などがあります。
ほかに分球繁殖などもポピュラーです。これからユリを増やすならば分球繁殖を行うと良いでしょう。掘り上げた際にむかごができていたら分球する良いチャンスです。掘り上げた球根は、すぐに植え付けるようにしましょう。
こうした増やし方は品種によって違いが大きいです。例えば、シンテッポウユリなどは種を撒いて増やすのが簡単です。
ユリの茎が伸びてきたら、支柱を立てて補助します。この処置は場合によっては不要となりまうが、茎が倒れそうならば行いましょう。
ユリの花が枯れてきたら、花がらを摘み取ります。こうすることで栄養を株に残こし、病気予防にもなります。花が枯れてきたら、花の根元から切り取ってしまいましょう。
冬の季節は寒さ対策として、株元に落ち葉などを敷き詰めます。
アブラムシはユリの新芽が出る時期に発生しやすいです。放っておくと、後述するウイルス病にかかりやすくなってしまいます。また、ナメクジにユリのつぼみが食害されることがあります。
どちらも見つけ次第、殺虫剤を散布して対処しましょう。予防のために株元に殺虫剤を撒いておくのも良いでしょう。
ウイルス病は簡単に伝染する危険な病気で、接触しただけでほかのユリにも伝染します。これを発症すると治すことはほぼできません。花に斑点などができていないかを確認するなどして、球根を選びましょう。
梅雨に発生しやすい葉が枯れる枯葉病や、葉にモザイクのような模様が生じるモザイク病も、湿度が高いと発生することがあります。風通しを良くしたり、専用薬剤を塗布したりして対策しましょう。
ユリが昔から世界中で愛されてきました。交配が本格的に始まったのは19世紀で、アメリカの文学者フランシスパークマン氏がヤマユリと鹿の子ユリを交配させたのが始まりです。
その後、実にいろいろなユリの品種が誕生しましたが、こうした品種の交配に使われたユリが日本原産だったので、ジャパニーズハイブリッドと呼ばれることもあります。
ユリは人気の園芸植物の一つ。比較的育てやすく見栄えも良いことから「園芸を初めたいけれども何から手を出したらよいかわからない」という際にもおすすめです。
ユリは品種も多いのでどれを育てれば良いか悩むかもしれません。もしも悩んだらリーガルリリーなどの病気に強い品種を選ぶと良いでしょう。リーガルリリーは見栄えもします。アジアティックハイブリッドも丈夫で育てやすいです。なれてきたらいろいろな品種にチャレンジしても良いかもしれません。
個人的におすすめなのは、育てやすく見た目が目立つカサブランカです。また、ユリはここで紹介した以外にも実に多様な品種がありますし、日夜新しい品種改良も続けられています。そのため、新しい品種を探してトライしてみるのもおすすめです。
GreenSnap編集部