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サルスベリの原産は中国で、百日紅(ひゃくじつこう)と呼ぶこともあります。今回は、庭木としても人気のサルスベリの育て方ポイントや、種類、花言葉などをご紹介していきます。「サルスベリは古臭い庭木」というイメージをもたれる方もいるかもしれませんが、実は、園芸用に品種改良されたモダンでおしゃれなサルスベリもたくさん販売されているんですよ。記事の後半でいくつかご紹介するので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。
サルスベリは、年間を通して、日当たりの良い場所で育てます。日があまり当たらないと花付きが悪くなり、日陰で育てると花が咲かなくなるので注意してください。
また、耐暑性はありますが、寒さには少し弱いです。サルスベリを地植えで育てる場合、東北地方より西の地域なら問題なく冬越しできるでしょう。
鉢植えのサルスベリには、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。夏場に水が切れると、開花に影響を及ぼす可能性があるので気を付けてください。植え付けて1年経っていない株は、鉢植え・地植えともに表土が乾いたら水やりしてください。
地植えのサルスベリで、植え付け1年が経過して根付いた株には水やりの必要はありません。
サルスベリには、2月と9月に株元に固形肥料を埋め込みます。植え付けや植え替えの際は、地植え・鉢植え共に、元肥として有機質肥料か緩効性肥料化成肥料を施しておきましょう。
サルスベリを育てるときは、水はけがよく肥沃な土を用いましょう。市販の培養土でもOKですが、自作する場合は赤玉土中粒6:腐葉土4としましょう。地植えの場合は、水はけのよい場所を選んでください。
サルスベリの植え付け時期は、休眠からさめる3月から4月頃か、休眠に入る10月から11月頃が適期です。
サルスベリを鉢植えで育てる場合は、2年に1回は植え替えるようにしましょう。そのままの大きさで育てたい場合は同じ大きさの鉢に、大きく育てたい場合は一回り大きな鉢に植え替えます。植え替え時期も、植え付け時期と同じです。
サルスベリの増やし方は、「挿し木」や「根挿し」、「種まき」などの方法があります。
挿し木は、3月から4月頃か、7月から8月頃に行います。春には前年に伸びた枝を使い休眠挿しができます。古い枝よりも前年に伸びた新しい枝の方が、活着がよいです。
新しい枝を20㎝ほどに切り、切り口を水につけて水揚げします。水揚げした枝を赤玉土に斜めに挿してください。発根するまでは乾かないように水やりを欠かさず日陰で管理して、6月ごろに根が出たら鉢に植え替えてあげましょう。
根挿しは、4月から8月に行います。根を掘り起こし10~20㎝ほどの長さに切り取って、用土に植え付けてください。
挿し木より発根の確立が高くなりますが、接ぎ木のサルスベリの場合、根ざしで増やせるのは台木の品種です。接ぎ穂のほうの木を増やしたいなら、挿し木を行いましょう。
サルスベリは種をまいて増やすこともできます。ただし、実生は花が咲くまでに数年かかるのが一般的。すぐに花を楽しみたいという方は注意が必要です。品種によっては、種をまいた年から花を咲かせるものもあります。
サルスベリの剪定時期は、落葉期にあたる1月から3月頃が適期です。基本的には、その年の春から伸びた枝を切り戻すようにします。あわせて、胴吹き枝などの不要な枝も取り除いてください。
サルスベリは適切に剪定することで、翌春の花付きがよくなります。きれいに花を咲かせるためにも、しっかり枝を整理してあげてくださいね。
枝をかなり短く切り詰めるような強い剪定を行うと、翌春に勢いの強い枝が伸び、花もたくさん咲かせます。
一方、枝の先を切り詰めるだけの弱い剪定では、新たに出てくるのは細い枝で花付きも悪くなります。サルスベリは、剪定の強さで翌春の枝の伸び具合が変わってきます。
毎年同じ箇所の剪定を続けていると、切り口が肥大してげんこつのようなこぶができてしまいます。
こぶを予防するには、毎年異なる場所で枝を切り取ってあげましょう。枝を剪定する際にこぶも切り取ります。こぶの付け根の下の方を切り取るようにします。切り取った枝が太く切り口が大きいときは、癒合剤を塗っておくと安心です。
サルスベリは強健な樹木ですが、病害虫の被害としては、うどんこ病やサルスベリフクロカイガラムシに注意してくださいね。概要と対策を説明していきます。
春から秋にかけて発生するので、注意しましょう。発病すると葉や茎がうどん粉のような白い粉で覆われた状態になり、株が弱ります。発病してしまったら、薬剤散布で対策してください。
うどんこ病は風通しと日当たりの良い場所で発生しにくくなるので、混みあった枝を剪定して予防します。サルスベリの品種のなかには、うどんこ病の耐性がある品種もあります。病気が心配な方は、そちらを選んでもよいでしょう。
春から秋にサルスベリフクロカイガラムシが発生することがあります。楕円形の白いカイガラムシが葉や茎に付着して、樹液を吸って株を弱らせます。
カイガラムシの排泄物によってすす病が引き起こされることもあるので、見つけたら早めに対策しましょう。駆除には薬剤散布が効果的です。
サルスベリは夏になると、白やピンク、紫色などの、ちりめんのような形をしたかわいい花を咲かせる落葉樹です。また、花の開花期間が長いのも特徴です。
サルスベリの園芸種は花色もさまざまで、矮性種、種をまいて1年で開花する一才性のものなど、たくさんの品種が開発され楽しまれています。
また、サルスベリが属するラジエルストレミア属の仲間は、アジア・オーストラリアなどを中心に約30種が分布しています。ここでは、いくつかの種類をご紹介していきます。
黒葉が特徴の、アメリカで開発された新しい品種です。一見、サルスベリとは思えない独特なルックスで高い人気があります。花は白系と赤系の品種があり、うどんこ病の耐性を持ち育てやすいのも人気の秘訣です。
矮性のサルスベリです。背丈が高くならないタイプで、コンテナ栽培や花壇などさまざまな楽しみ方ができます。
アスカは、種から育てることができる一才性の矮性サルスベリです。一般的なサルスベリは種をまいてから数年は開花しませんが、アスカは種をまいた年から花を咲かせます。
カントリー・レッドは、濃い紅色の花が特徴。赤い花は南国の植物のような雰囲気を感じさせます。横に広がりにくい品種ですよ。
タイワンサルスベリともいい、台湾から屋久島にかけて分布する、白花の品種です。耐寒性があるのが特徴です。
サルスベリの花言葉は、「雄弁」です。
サルスベリは、比較的丈夫で初心者にもおすすめの樹木なので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。日当たりのよい場所で管理し、適切な剪定をしてあげれば、毎年たくさんの花を咲かせますよ。
さまざまな品種があるので、自分好みのサルスベリを見つけて楽しんでくださいね。
GreenSnap編集部