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ハナカイドウは、日本に江戸時代に中国より渡来した花で、落葉低木です。下向きに花が咲くものは、枝は広がり垂れさがることから垂糸海棠(すいしかいどう)とも呼ばれています。上向きに花が咲く花は、深山海棠(みやまかいどう)と呼ばれています。
そんな見た目に美しいハナカイドウの育て方について説明します。
ハナカイドウは、日当たりがよい場所で育てるのが適しています。ただし、西日の強い場所は避けましょう。また、水はけが良い場所を好みますが、乾燥に弱いので土壌のチェックが必要です。
地植えのハナカイドウは、雨水のみで育ちます。ただし、夏日の乾燥のきつい時期は、朝と夕方にたっぷりと水やりをして乾燥を防ぎましょう。
ハナカイドウを鉢植えにする場合は、乾燥に特に注意が必要です。乾燥すると葉が黄色や茶色に変色してしまうので、土が乾燥したら鉢底まで水が通るほどたっぷりと水をやります。
ただ、水はけがよい土壌を好むので、土が濡れているときには水やりは必要ありません。加湿になってはかえって根腐れを起こします。
ハナカイドウの植え付けのときは、肥料として堆肥を用います。追肥として、晩秋から冬に緩効性化学肥料または油かすのような、有機質肥料と化学肥料を混ぜたものを施肥します。
さらに、ハナカイドウの花が終わった5月ごろにお礼肥として、緩効性化学肥料を施肥します。
ハナカイドウは、通気性と水はけがよく、水持ちがよい用土を好みます。
ハナカイドウを育てるときは、小粒の赤玉土4割、腐葉土3割、堆肥3割をまぜたものを土にすきこみましょう。赤玉土は水はけがよく、腐葉土は水持ちがいいので、用土として適しています。
葉にオレンジ色の斑点ができていたら赤星病です。進行すると斑点が大きくなり、糸状に毛羽立つ丸い病班ができます。その後、葉が枯れてきます。赤星病は、さび病の1種で、姿が変わります。予防は、発病する初期段階の4月に1週間~10日に1度ほど殺菌剤を散布します。
茎や若い葉の上に、うどんの粉のような白っぽいカビがついていたらうどんこ病です。うどんこ病が葉の表面全体に広がると、光合成で葉緑素ができないため葉が枯れてきます。さらに栄養がとられるので花が咲かなくなります。さらに進行すると木が枯れてしまうことがあります。殺菌剤や殺菌スプレーを葉の表と裏に丁寧に散布します。うどんこ病を見つけたら、早めに散布しましょう。
アブラムシは4月~10月に活動し、新芽や茎や葉の裏にびっしりとついて、汁を吸い取ります。そうなると、生育が悪く花がつきにくくなります。さらに、アブラムシはウイルスに感染した木の汁を吸って、他の健康な植物に移動してウィルスを移すことです。
アブラムシは大繁殖するため、長期間の効果がある殺虫剤を散布します。アブラムシを減らすには、天敵のテントウムシに食べてもらうという方法もあります。
4~10月に発生するグンバイムシは、葉の裏につき汁を吸い取ります。吸い取られると、葉が白いかすりのような状態になり、黒い糞が斑点のように無数につきます。見た目が悪くなり、花の成長にも悪影響を及ぼします。そのままにすると、葉が落ちてしまいます。
ハマキムシがつくと、名前の通り葉を巻いたりつづりあわせたりします。そのため、葉や芽を食べてしまい、生育が損なわれたり美しい姿が損なわれたりします。冬は葉の中で越冬して4月~11月に活動します。葉が丸くなっていたらその葉をとります。長く効果がある浸透性移行性剤を散布します。
ハナカイドウの植え付け時期は、一般に落葉時期の12~2月頃で、寒い地域は3月以降に植えつけをします。
地植えの場合は、まず赤玉土や腐葉土、堆肥を混ぜた用土を土にすきこみます。幹が太い苗を選び、根株の倍ぐらいの大きさに穴を掘ります。浅めに植えこんで土をかけ、地上部に出た枝の半分くらいをカットします。倒れるようなら棒で支えます。根付くまでは、たっぷりと水をやりましょう。
鉢植えは、根株よりひとまわり大きめの鉢に用土を入れて、たっぷりと水をやります。いつも日当たりと風通しのいい戸外に置きます。寒さに強いため、冬も戸外に置いたままでも構いません。
ハナカイドウの植え替えは、2~3年に1回、さらに大きめの鉢に植え替えます。植え替えは植え付けと同様に行います。
ハナカイドウを増やす方法は、挿し木だけでは増えないので、桷(ズミ)という木を寄木にしてから行います。挿し木で増やすことはかなり難しいといえます。ほかには、種で増やすか根ふせで苗をつくり、ハナカイドウの枝をついで増やします。
ハナカイドウの苗を台木にした根ふせの方法は、ハナカイドウの株の根を堀って、太めの根を長さ20cmくらいにカットします。切り取った根を土に寝かせて、1cmくらいの浅さで土をかぶせます。その後、芽が出てきた中から一番元気がいいものを残してそれ以外は根元からカットします。
2年ほど育ったハナカイドウの苗を台木にして枝をつぎます。接ぎ木をした部分に土をかぶせて乾燥をしないようにします。
ハナカイドウの花芽は7~8月ごろにつくられ、翌年の4月ごろに花ができるので、剪定は冬の12~3月頃に行います。
前年に伸びた長い枝を花芽を残して樹形を整えながら剪定します。7月ごろに枝が伸びてきたら、伸びすぎた枝は根元からカットしてもいいでしょう。伸びた枝先は軽くカットする程度にしましょう。
剪定は、伸びすぎている枝は先端から1/3ほどの個所を、密集している枝は根元からカットし、新しい枝は2~3mくらいの枝ぶりにして剪定します。
枝が重なり合っていたり、絡んでいる枝をカットして間引き風通しを良くします。太い幹や枝をカットした場合は、切り口に専用の殺菌剤をつけて枯れないように予防します。
ハナカイドウは、4~5月頃の開花時期に、薄いピンク色のサクラのような花を咲かせます。サクラより長く花を楽しめ、美しい姿から多くの歌人が歌を詠ってきました。花の後の5mmほどの丸い実は、10~11月に暗褐色に変化します。
ハナカイドウの花言葉は、「温和」「美人の眠り」「艶麗」「友情」です。
花言葉の由来は、ほろ酔いの楊貴妃があまりにも美しく、「海棠の睡り未だ足らず」と唐の玄宗皇帝が詠んだことから「美人の眠り」「艶麗」が花言葉になったと言われています。昔から美人のことを海棠と言っていました。ハナカイドウは3月16日と25日、4月5日と8日の誕生花です。
ハナカイドウは日当たりがよい場所であれば良く育ちますが、挿し木で増やすことは難しい木です。鉢植えも大丈夫で、かわいらしさから人気の花です。乾燥に気をつけて水やりをすれば、育てやすく、桜のように大きくならないので庭や鉢植えで観賞してみませんか。
※トップ画像はMマリリン凪翔Mさん@GreenSnap
GreenSnap編集部