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ボケは、朱色の一重のクサボケが日本に自生するものです。品種改良を重ねて、八重咲のボケやさまざまな色の花を咲かせるボケなどがあり、現在は200以上もの種類があります。3~5月に花を咲かせ、時には冬に咲くこともあります。
見た目がかわいらしいので、盆栽としても人気の花です。ボケは、年中日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。寒さに強く、直射日光にも強い低木なので、生垣にもよく使われています。また、枝にはとげがあるので、動物や人の侵入を予防できます。
ボケの木は、どの土壌でも育つので初心者でも育てやすい花です。地植えが適していますが、鉢植えでも育てることはできます。その場合は、日当たりがよい風通しがいい戸外において育てましょう。
また、ボケの木は寒さに強いため、冬でも戸外に出した方がいいでしょう。ボケの花を部屋で楽しみたいなら、数日の間のみ部屋に入れてあげましょう。このとき暖房があたらないように注意してください。
ボケは基本的に、植え付けて根付くまでは水やりは不要です。
ただし、真夏でかなり乾燥するときは、水をたっぷりと与えます。乾燥しすぎるとつぼみが落ちることもあるので、土の様子を時々観察しましょう。
鉢植えの場合は、土を触って乾燥しているようなら水を与えます。水は鉢の底から水が出るくらいの量をやります。夏は1日に1〜2回必要ですが、春秋は1回、冬は数日に1回で十分です。乾燥しすぎには注意しましょう。
ボケの木を地植えする場合は、1〜2月に寒肥(かんごえ)を与えます。寒肥は、これから根や枝を伸ばすために置肥として緩効性肥料を施肥することです。
また、9月にも緩効性肥料を与えると、実が大きくなり採取できます。ボケの根元の周りに穴を掘り、根に当たらず根元から栄養分を吸収できるように、数握りほどの肥料を土に混ぜます。
ボケの木を鉢植えする場合には、花が終わったあとの5月にお礼肥料として、さらに6月と9月の計3回、緩効性化学肥料を与えます。与え方は、地植えと同じように根元の周りに施肥します。
ボケはどの土でも比較的育ちやすいですが、水はけがよく、かつ湿り気のある肥えた土壌を好みます。
ボケの木を庭に地植えにする場合は、腐葉土や川砂を混ぜ合わせ水はけをよくします。鉢植えの用土は、水はけがいいように小粒の赤玉土を5割、腐葉土を3割、川砂を2割ほど混ぜ合わせます。川砂ではなく鹿沼土や小粒の軽石を混ぜ合わせてもいいでしょう。
根頭がん種病は、土に菌がいて土から感染する病気で、根が菌により膨らみこぶ状になってきます。特に春の植え替え時期にうつりやすいので注意が必要です。病気になると治りにくく、他の木にも感染する恐れがあります。病気にかかったボケの木は根がついた土も一緒に捨てます。
赤星病は、春の温かい時期に発症するケースが多く、葉の表面に黄色い斑点ができ、そこが厚くなってきて次第に赤褐色になってきます。さらに病気が進行すると、赤星病ができた部分から白い毛状のものが生えてきて、褐色の胞子がつくと7月ごろから放出します。
赤星病になるとボケが枯れるため、感染した葉をつみとり、予防として週間に一度ほど殺菌剤をまきます。
アブラムシは、黄緑色の1cmくらいの虫で、葉や幹にびっしりつきます。葉や幹から栄養を吸い取り、木が弱ります。特に3~5月ごろにつきやすい虫で、カイガラムシは2mmくらいの丸い白い虫です。枝、茎、葉などにつきます。
枝が茂って風通しが悪いとつきやすいので、剪定して枝を落します。殺虫剤をまくか、それが嫌なら手袋やつまようじで傷つけないようにとります。グンバイムシは、3~5mmの大きさで平たい形です。葉の裏につき、葉から栄養を吸い取るため、葉が枯れてしまいます。グンバイムシがいると、白い斑点がつき、黒い糞があります。早めに株元に粒剤を置くか、薬液を丁寧にまきましょう。
地植えの場合は、日当たりがよく風通しの良い場所に、根株より一回りほど大きめの大きさの穴を掘ります。そこへ腐葉土や堆肥などを混ぜこみ、根を傷つけないように株を穴に入れ土をかぶせます。
植えつけのあとは、水を十分にかけてから棒でつつきながら根を馴染ませます。倒れ防止のために、支柱をたてます。
ボケの木の根を傷つけないよう、ていねいに堀り起こし、周りについている土を落します。古い根を1/3ほどカットしてから、根が張りやすいように深めで一回りほど大きい鉢に土を入れて植え替えます。
ボケの増やし方には、「挿し木」や「根伏せ」、「種まき」などの方法があります。
特に、ボケの挿し木は簡単につきやすく、増やしやすいのでおすすめです。6月か9月ごろに、ボケの木を10~15cmほどの長さにカットし、2,3時間ほど水につけて水あげします。小粒の赤玉土にカットしたボケの木を挿します。
挿し木は日陰の風が当たらない場所に挿し、水をたっぷりと与え乾燥しないように気を付けます。根伏せにする場合は、5~10㎝ほどの太い根を使います。その根を赤玉土の上に横に置いて、上に隠れるくらいに土をかけて水をたっぷり与えます。
種まきは、秋にできたボケの実を水洗いして果肉を落すと7mmほどの種が50個ほど出ます。その種を袋につめて、芽が出ないように冷蔵庫などで保存し、2月ごろに2cmほどの間隔をあけて種をまきます。
その上に薄く赤玉土をかけて、たっぷりと水やりをすると、暖かくなったころに芽が出てきます。
ボケの花が咲いたあとには、枝が増えて風通しが悪くなります。すると、病気やカイガラムシなどの害虫がつくので、花が終わったあとの5~6月ごろに古い枝を根元から剪定します。
伸びすぎた枝は根元から3cmほどのところで切るといいでしょう。その際に花芽を数個ほど残しておきます。
11月頃に枝が伸びてくるので、それも同じように剪定します。丸い花芽が根元の近くについている枝は、根元から10cmほどにカットし、付いていない枝は根元1cmくらいでカットします。すると、風通しがよくなり、翌年に花芽がたくさんつきます。
挿し木する場合は、しっかりと根づくまで数年はかかります。伸びすぎた枝を間引く程度で株が増えるまで剪定は避けた方がいいでしょう。ボケにはとげがあるので、剪定の際は気をつけてカットしてください。
ボケの花は梅のようにかわいいので、盆栽として親しまれることも多いです。
ボケを盆栽にするときは、適度に日当たりのいい戸外に置きましょう。土が乾燥すると、葉が落ちることがあり、細い根が傷むことがあるので、土が乾かないようにたっぷり水やりをします。
ボケ盆栽の肥料は、3~10月の間は1~2か月に1度ほど、有機質肥料を固形にしたものを与えます。枝ぶりをよくするために、10~11月に剪定して枝を整えます。9月ごろに付け根の近くに花芽ができるので、花芽の上にできる葉目を数個残して剪定します。
株から生えてくるたくさんのひこばえは、密集して風通しが悪くなるため、太い幹を残して細いひこばえをカットします。剪定のほか、形を整えるため、6月頃に針金をかけることもあります。
ボケの花言葉は、ボケが庭木によく使われた低木であることから「平凡」という意味がつけられました。また、ボケを家紋として織田信長が使ったことから「先駆者」という花言葉が用いられました。
それ以外にも「早熟」、「妖精のかがやき」、「指導者」、「熱情」、「退屈」、「魅惑的な恋」などという花言葉もつけられています。
古くから庭木として親しまれてきたボケの花は、現在でも様々な種類を庭木や盆栽、鉢植えなどで楽しまれています。日当たりがいい風通しの良い場所に植え付けて、乾燥しないように水やりをすれば、2月中旬~4月下旬ころにかわいい花が咲きます。
また、ボケの実には、利尿作用があり、漢方薬として利用されています。また、ボケジャム、ボケ酒にも加工して楽しめます。
ぜひボケを盆栽や庭木にして、花や実を楽しみませんか。
※トップ画像はみちぇさん@GreenSnap
GreenSnap編集部