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ノウゼンカズラはつる性の植物で、長いものは10m位にまで達します。大きくなる品種が多いので、庭に地植えするのが向いていますが、中には鉢植えできる品種もあります。今回は、そんなノウゼンカズラの育て方と毒性、植えてはいけないといわれる理由についてご紹介します。
「ノウゼンカズラは庭に植えてはいけない」と噂されるようになった理由は、ノウゼンカズラには「毒性があること」と「繁殖力の強さ」にあります。
ノウゼンカズラの花の蜜には、毒性のあるラバコールという成分が含まれています。そのため、花を触った手で、顔を触らないように注意する必要があります。
ただし、ノウゼンカズラの毒性によって重傷を負ったという例は確認されていないようで、その毒性は弱いといわれています。
ノウゼンカズラは繁殖力が高く、こぼれ種からも発芽し、どんどん株を広げていきます。茎から気根を出して壁を這って成長するため、一度放置してしまうと駆除が大変になることもあるようです。このことから、家の壁を傷つける可能性があることを心配する人が多いようです。
これらのことから「ノウゼンカズラは家に植えてはいけない」といわれるようになったと考えられます。
ただし、育てる場所を選び、きちんと剪定などの手入れをしていれば、ノウゼンカズラは庭に植えても全く問題ない植物です。初心者でも比較的育てやすいので、育ててみたい方は、以下を参考にしてみてくださいね。
ノウゼンカズラは夏の日差しにも耐えることができます。植え付けする場合には、日当たりのよい場所を選んでください。逆に日当たりが悪い場所では蕾が落ちてしまったり、花が咲かないこともあります。
また、ノウゼンカズラの大きく育つ品種は、地植えが向いています。水はけのよい場所を好むので、水はけの悪い場所で育てるのは避けましょう。小型の品種は鉢植えも可能です。
ノウゼンカズラはつる性植物なので、つるが這えるように棚や壁、フェンス、しっかりした支柱があり誘引して育てられる場所を選びましょう。
ノウゼンカズラを地植えする場合は、水はけの悪い粘土質を避ければ、あまり場所は選びません。掘り上げた土に、たい肥や腐葉土を混ぜて水はけの良い用土をつくりましょう。
ノウゼンカズラを鉢植えで育てるときは、水はけがよいのはもちろんですが、水持ちも大切となります。赤玉土6に腐葉土4をブレンドした土を使いましょう。
市販の、草花用培養土を使用することもできます。
ノウゼンカズラの植え付け時期は、暖かくなる3月中旬から4月頃が適しています。
ノウゼンカズラはつる性の植物なので、つるが這い登るための壁やフェンスがない場合は、しっかりした支柱などを準備しましょう。なお、つるは明るい方向に伸びるので、つるが伸びる方向を考慮し植え付けてください。
ノウゼンカズラを植え付けてしばらくは、土が乾いたら水やりをし、あとは特に水やりの必要はありません。自然の雨に任せましょう。
ただ、開花時は土が乾燥しすぎないように注意してください。開花時の乾燥は蕾が落ちてしまう原因にもなります。冬越しのときは、やや乾燥気味にしましょう。
ノウゼンカズラを育てている土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出てくるまでたっぷり水やりしましょう。
ノウゼンカズラは、地植え、鉢植え共に、春先の新芽に備え、2月頃に寒肥を施しましょう。その後、4月~5月頃に緩効性肥料や油かすを与えます。
ノウゼンカズラは春から新しく伸びる枝に花を咲かせるので、剪定の時期は2月~3月が適しています。
また、つるがよく伸びるので、伸び過ぎたつるや不要な枝は剪定し、つるを数本まとめて誘引しましょう。枯れ枝は、枝の付け根で切り落とします。
植え付けてある場所から少し離れた場所に、新しく枝が出ることもありますが、この枝は栄養をとってしまうので切り落としましょう。
ノウゼンカズラを地植えする場合は、一度植えると植え替えの必要はありません。
鉢植えの場合は、成長と共に植え替えが必要になります。植えてある鉢の中に根がまわり、根詰まりするようなら植え替えましょう。
植え替え時期も、暖かくなる3月頃が適しています。
一回り大きな鉢と新しい用土を準備し、鉢から抜きます。根のまわりの土を軽く落としながら、傷んだ根がないかチェックし、傷んだ部分があれば取り除き、新しい鉢に植え替えてください。
ノウゼンカズラの増やし方は「挿し木」が一般的です。6~7月の梅雨時期に、葉を2~3枚残した気根が出ている枝を切り、挿し木しましょう。比較的簡単に発根します。
ノウゼンカズラは病害虫の心配はほとんどありません。まれに新芽にアブラムシが付くことがあるので、見つけ次第取り除いてください。
今回は、ノウゼンカズラの育て方や増やし方などをご紹介しました。ノウゼンカズラの大きな魅力の一つは、夏から秋の長い期間にわたって庭を彩る美しい花です。
つる性の植物なので、フェンスや壁に這わせるだけでなく、アーチ状にしたり、緑のカーテンにするなど楽しめます。
比較的育てやすく、初心者でも気軽にチャレンジできますよ。ノウゼンカズラを植えて、あなたなりのつるアートと、美しい花を楽しんでみませんか。
ノウゼンカズラは繁殖力の旺盛な植物で植えっぱなし後の放任は厳禁です。剪定時期には自分で管理できる高さまで剪定をして、成長をコントロールするなどの工夫をしながら長く楽しんでくださいね。
松原真理子
GreenSnap編集部