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カルーナは-20℃を下回っても大丈夫な寒さに非常に強い植物なので、ヨーロッパやアメリカ、カナダの寒冷地では群生している姿もよく見られます。花も可愛いので、ヨーロッパではグランドカバーとしてポピュラーな植物です。
あまり樹高が高くならずにこんもりと茂るので、コキアのように枝を箒に仕立てることもあります。そんなカルーナの育て方を説明します。
カルーナは日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。
また、カルーナは高温多湿や蒸れに弱いので、常時水が溜まっているような、水辺や沼の中といった場所では根腐れしてしまいます。そのため、カルーナを地植えするときは、水はけがよい土であることも大切です。
ただし、やせた酸性土壌でもよく育つので、地植えにするとき苦土石灰を加えておく必要はありません。中性~アルカリ性寄りの土の場合は、鹿沼土や酸度未調整のピートモスを加えるなどして酸性寄りに酸度を調整する必要があります。
カルーナは寒さに強い反面、暑さには弱いので、寒冷地で育てるのに適した植物です。-20℃まで耐えられるので、冬に特別な防寒処理は必要ありません。
カルーナを暖地で育てる場合は、気温の高い時期には冷房の効いた室内に置き場所を変えて、明るい窓辺で育てるのがおすすめです。
カルーナは土の乾燥を嫌うので、表面の土が乾いてしまう前に水やりをしましょう。常時湿り気味の土を好みますが、鉢皿に水をためたままにしておくと根腐れしてしまうので気を付けましょう。
カルーナを地植えする場合、寒冷地では、根付いたあとの乾燥がちな時期以外は、水やりは自然の恵みだけで十分です。ただし、水切れすると葉や枝が枯れる原因となるので注意しましょう。
カルーナは生育にあまり肥料を必要としない植物です。たくさん肥料をあたえてもすぐには大きくならず、花付きもよくなりません。肥料過多は逆に根を傷めるので、なるべく控えめに施肥しましょう。
また、肥料をあげなくても育ちますが、施肥する場合は春に緩効性化成肥料をひとつまみ株元に置いておきましょう。
カルーナは酸性寄りの土壌を好みます。
カルーナを地植えにする場合、苦土石灰で酸度調整する必要はありません。庭土に腐葉土を混ぜ込んでから植えつけると生育がよくなります。
カルーナを鉢植えにする場合、鹿沼土小粒に酸度未調整のピートモスを2割程度ブレンドした土を用いるのがおすすめです。ブルーベリーやサツキ用にブレンドされた培養土を使うのもおすすめです。
カルーナの植え付け・植え替え時期は春と秋ですが、暑さに弱く寒さに強いので、秋に涼しくなってから行うのが最適です。
流通しているカルーナは小さな鉢に植えられていることが多く根詰まり気味なので、購入後すぐに、一回りか二回り大きな鉢に植え付けるようにしましょう。
カルーナを植え付けるときは、鉢を外して底の方の根をほぐし、傷んだ根を取り除いてから植えます。
水はけや風通しがよくなるように、盛り土した場所に植えつけるようにしましょう。カルーナは枝が横に広がるので、50~60cm株間を開けて植えつけましょう。
カルーナの根は細根ですが、よく成長するため、根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合はできるだけ毎年、一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。
カルーナを地植えにする場合は、植え替える必要はありません。カルーナが大株に育ったときは、株分けして育てたほうが、全体に風通しもよくなります。
カルーナの増やし方には、「挿し木」や「株分け」といった方法があります。
4~5月に枝の先端を5cmほど切り取り、鹿沼土を湿らせた苗床に挿し木して育てます。
根が出てきて地上部分が少し育ってくるまで乾かさないように底面給水にして、明るめの日陰で管理します。
大株に育ったカルーナは、株分けをすることができます。
植え替えのときに、株分けして株をコンパクトにすると、同じ鉢に植え替えることもでき、分けた株を新しい鉢で育てることもできます。
カルーナの花が咲き終わったらすぐに、樹高の1/2の高さまで切り戻しておきましょう。切り戻しが遅くなると、花芽ができてしまい、切ると花が咲かなくなってしまうので、花後すぐがおすすめです。
また、混み枝を剪定しておくと風通しがよくなり、夏越ししやすくなります。伸びて飛び出した枝や、込み合っている枝は、見つけたら適宜切り取っておきましょう。
花後直後以外に剪定をすると花が咲かないこともありますが、樹形を整えることを優先するときは剪定するのがおすすめです。
カルーナにかかりやすい病気はありません。
害虫であれば、鉢植えのカルーナにはコガネムシの幼虫が根を食害することがあるので、急に元気がなくなったときなど、鉢を外して根の状態をチェックしてみましょう。
カルーナにも、春から秋にかけてアブラムシが発生することがあるので、強めのシャワーで葉の裏表を洗う「葉水」をこまめに与えてアブラムシを予防しましょう。
オルトランなどを散布して予防しておき、アブラムシがついてしまったときはベニカXスプレーなどをかけて駆除しましょう。
カルーナはエリカの近隣種で、「ヒース(ヘザー)」「ギョリュウモドキ」とも呼ばれる、シベリア・ヨーロッパなどに分布している常緑の低木です。
カルーナ属に分類される植物は「カルーナ・ブルガリス種」一種類のみですが、変種も多く、1000種類以上の園芸品種があります。
カルーナには6~9月に開花する夏咲き品種と、12~3月に開花する冬咲きの品種があり、どちらも暑さに弱いために、暖地では冬咲きの品種が主に流通しています。また、冬には紅葉する品種もあり、常緑樹なので通年見ごたえがあります。
カルーナの花には、ピンク、白、紫などの花色があり、一重咲きと八重咲の品種があります。花びらに見えるものは花びらではなくガク片で、本来の花はガクの中にあります。
開花時期になると、小さな花を枝いっぱいに咲かせます。
カルーナの花言葉は、「連理の枝」「自立」「旅立ち」「誠実」です。
カルーナはヒースランドと呼ばれるスコットランドの厳しい荒地で花を咲かせながら、一面に生い茂っていることに由来しているそうです。
カルーナは成長があまり早くなく、コニファーのようなこんもりとした形状に育つので、寄せ植えの材料としても人気があります。
木の姿が美しいだけでなく、かわいらしい花を枝いっぱいに咲かせる常緑樹で、寒さに強く冬には赤や黄色に葉が色づく品種もあるので、通年見ごたえがあります。
カルーナは、酸性寄りのやせ地で育つ、寒さに非常に強い反面、暑さには弱い樹高が20~80mくらいまでしか伸びない小さな常緑樹です。
また、カルーナは成長が非常にゆっくりなので、どんどん大きくなって増えていくことはありません。あまり手をかけなくてもしっかり育ってくれてます。ぜひお庭で育ててみてくださいね。
※トップ画像はクリ*さん@GreenSnap
GreenSnap編集部