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キンポウゲ科に属している風鈴オダマキは、下にちょんと垂れた花が風鈴のように見えて可愛らしく、観賞用として人気がある植物です。
開花時期は4月から5月と、夏を先取りしたような気分になります。
そんな風鈴オダマキの育て方を見ていきましょう。
風鈴オダマキは、基本的には日あたりのいい日向で育ててあげます。ただし、直射日光を浴びすぎると弱ってしまうため、午後は明るい日陰になるような場所であればなお良いです。
7月から9月上旬にかけての、真夏の直射日光の厳しい時期には、30%から40%の遮光をしてあげて、日焼けや高温障害を誘発しないようにします。
風鈴オダマキは風通しがよく、陽当たりの良い場所、もしくは明るい日陰で生育するのが望ましいです。
ただし、直射日光に強くないため、1日中日の当たるような場所で育てるのはあまりおすすめではありません。午前中だけお日さまの当たるような、半日向などで育てましょう。
また、風鈴オダマキは寒さに強く、土が凍らない限りは防寒対策をしなくても冬越しすることができま。北風を受けない程度の場所で育てるのが望ましいです。
風鈴オダマキを鉢植えで育てている場合には、表面の土が乾いてきたころを目安に水やりをします。朝もしくは夕方のどちらかに、たっぷりと水を与えてあげましょう。
夏場は特に乾燥しやすいため、水切れしないように注意する必要があります。ただし、気温の高い夏場は日中に水やりをしてしまうと水分が蒸発し、株を弱らせてしまう原因となります。できるだけ、水やりは朝か夕方に行ってください。
風鈴オダマキを地植えで育てている場合には、極端に晴天が続き、土が乾かない限りは降水だけでも大丈夫です。
風鈴オダマキを鉢植えで育てている場合には、冬の時期も土の表面が乾いてきたと感じてきたら、水をたっぷりと与えてあげます。
風鈴オダマキを地植えで育てている場合には、晴天が続いて極端に乾燥しない限りは、水をとくに与えなくても育っていきます。
風鈴オダマキの植え替えをするときには、元肥として、カリウムとリン酸が多めに含まれている緩行性のある化成肥料をまきます。肥料の量の目安は、3号鉢ほどの大きさに2粒程度施すだけで大丈夫です。
追肥は、開花する時期に液体肥料を7日から10日に1回程度、1500倍から2000倍程度に薄めたものを与えます。夏場になると肥料分が多くなれば根を痛めるもととなってしまうので、3000倍程度に薄めたものに変更しましょう。
風鈴オダマキを土植えで育てている場合にも、追肥を行う必要はほとんどありません。
風鈴オダマキは元々岩場や砂質の場所に自生していたこともあり、水はけの良い土で育てるのが適します。市販で売られている用土であれば、山野草用の用土を使ってあげて大丈夫です。
もし自分で配合する場合には、軽石と硬質の鹿沼土(もしくは日向土)、桐生砂(または赤玉土)の小粒のものをそれぞれ等量、もしくは2:2:4の割合で混ぜ合わせた土を使います。
これらの土は、あらかじめ一度水でよく洗って、細かくなったみじんを取り去ります。赤玉土の場合は、ふるいにかけておきます。
庭土を使う場合には、軽石や腐葉土をできるだけ多めに混ぜ合わせて、水はけのよい土になるように心がけます。根っこと茎の境界線の部分には、花崗岩質の荒めの砂利をふりかけて、覆いかぶせておきます。
風鈴オダマキの植え替え時期、植え付け時期の適期となるのは、新しく芽吹く前の2月から3月上旬にかけてです。
風鈴オダマキを鉢植えで育てている場合には、植え替えをするのは1年もしくは2年に1度、一回り大きめの鉢を用意するか、自然と太く根が分かれている部分を手で取り分けて、株分けをしてあげます。
風鈴オダマキ地植えで育てている場合には、株分けで増やしたいと思ったタイミングでしてあげてください。
種まき時期は、2月から3月上旬、もしくは9月から10月です。とりまきという、採種した種を保存せずにそのまま撒くという方法もあります。その場合、6月から7月に植えることになります。
風鈴オダマキは比較寿命が短く、3年から4年が花の見頃のピークとされています。もし毎年鑑賞用として楽しみたいのであれば、絶やさないように苗を増やしておくのがよいでしょう。
風鈴オダマキの増やし方には、「株分け」や「種まき」といった2パターンが一般的です。
株分けは、苗を植え替える時期に根が混み合ってきたら、古くなった根茎の部分を自然に分かれている部分で分けてあげます。
もし繋がっていた場合には、芽に十分な量の根がついているのであればナイフなどを用いて切り分けてしまっても構いません。その場合には、切り口の部分を殺菌剤や癒合剤を塗って保護します。
このとき、ゴボウのように太い根っこを傷つけないように注意してください。株が大きくても老化したものだとうまく根付かないことがあります。
種まきで育てる場合には、市販されているもの、果実から採種したもののどちらをまいても大丈夫です。
採種したものを使用する場合、冷蔵庫で保存して来年の撒き時まで保存する方法と、とりまきといいすぐに撒く方法の2種類があります。いずれの場合でも、発芽するまでには2週間から4週間程度要します。
このとき、芽を出すまで乾かさないように注意します。順調に成長すれば、春に種をまいた場合はその翌年、秋に種をまいた場合は2年目には開花します。
風鈴オダマキに集まりやすい害虫には、ヨトウムシ、アブラムシ、ハダニといったものが挙げられます。
ヨトウムシは、夜になると現れて葉っぱやつぼみを食べ散らかしてしまいます。5月から7月、9月から10月に発生して、すぐに成虫になって卵を生み、増殖するのが厄介です。もし卵を見つけた場合は葉っぱごと切り取り、幼虫は殺虫剤で駆除します。
アブラムシは植物の葉っぱや茎の部分に針をぷつりと刺して、そこから養分を吸い取ってしまいます。また、排泄物はウィルスを呼び寄せて病気を引き起こす元となります。殺虫剤をまくか、水と牛乳を1ずつの割合で混ぜ合わせたものを霧吹きすると効果的です。
ハダニは気温が20度以上になって乾燥すると発生して、植物の汁を吸い取って弱らせます。見つけ次第セロハンテープではりつけるか、殺虫剤をまいて駆除します。地植えで育てている場合には、ワラを巻いて乾燥から守ってあげるのも有効な対策です。
風鈴オダマキの栽培で気をつけたい病気としては、軟腐病、うどんこ病といったものが挙げられます。
軟腐病はかかってしまうと茎の根元から腐って抜け落ちてしまいます。気づいたときには手遅れな状態になってしまいますが、栽培場所を風通しがよく、水はけのよいものにし、茎の付け根に荒めの砂利で覆うだけでかなり予防することができます。
また、うどんこ病に罹るとカビが葉っぱの表面に発生して、白くなってしまいます。日頃から風通しのよく、陽当たりをよくするだけでも予防できますが、もしかかってしまった場合には重曹を溶かした水を用意して撒き、カビが増えるのを抑えて回復するのを待ちましょう。
また、風鈴オダマキは直射日光に弱く、夏の厳しい紫外線を浴びると葉焼けや高温障害を引き起こしてしまいますので注意が必要です。
風鈴オダマキは、夏の暑さなど高温にあまり強いとはいえません。日陰や半日向といった場所で管理して、生育します。関東以西の比較的暖かい場所では、鉢植えで育てるのがいいでしょう。
一方で冬の寒さには強く、土が凍ってしまわない限りは冬越しの対策を施す必要がありません。
風鈴オダマキは、オダマキという名がついていますが、オダマキに特徴的な距がないことから、オダマキ属ではなく、セミアキレギア属に属しています。
流通されているものとしては二色風鈴オダマキがあります。これは風鈴オダマキと通常のオダマキとの交配種です。
風鈴オダマキの開花時期が終わった5月から6月に、果実が熟して先端が割けると、中から種が出てきます。
種を採種する目的がない場合には、咲き終わった花茎・花の部分は切り取ってしまいます。
風鈴オダマキの花は下垂し、がく片に包まれていて、まるで風鈴のような形です。
花の色は品種によって異なりますが、ワインレッドや紫のがく片から中に白い花を咲かせています。長さは1.5cmほどです。開花期は4月から5月。距がないことが特徴ですが、稀に成長するにつれて距をつけるものもあります。
オダマキの持つ花言葉には、共通のものと花の色によってそれぞれ持っているものとの2種類があります。
共通として持っているものは「愚か者」という意味で、英名のコランバインが、ヨーロッパの道化芝居の登場人物である娘の名前で、その娘の持っている杯に花の形が似ていることが由来となっています。
色別では、赤色の風鈴オダマキは「心配して震えている」、紫色の風鈴オダマキは「勝利への決意」、白色の風鈴オダマキは「あの方が気がかり」という花言葉がつけられています。贈る場合には、花言葉の意味を誤解されないように注意して選ぶ必要があります。
今回は可愛らしい花が特徴の風鈴オダマキについて紹介しました。
夏の暑さに強くないことに気をつければ、一度植えると簡単な世話でいいことから、観賞用としても人気の高い品種です。
この記事を参考にして是非一度育ててみてください。
takenaka