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俯いたように下を向いて花を咲かせるオキナグサは、日本にも分布している山野草です。赤紫色に広がる花にはがく片が広がっています。つまり、オキナグサの花には、花びらがないという変わった特徴をもっています。
今回は、オキナグサの育て方についてご紹介します。
オキナグサは、鉢植えでも地植えでも、日当たりを好む多年草の植物です。とはいえ、夏の強い日光を浴びてしまうと葉焼けを起こしうるので注意しましょう。
特に、春と秋の間は、よく日の光が当たる場所で育てるようにしてください。
春は、葉っぱの広がりが終わるときまで日光を必要とします。秋は芽をしっかりと付けさせるので、株の力が備わっているようにするためにも太陽の下で管理してください。
冬場は日陰での管理をしましょう。寒さには強いので外に出していても問題ないです。凍結にならないようにだけ注意しておきましょう。
オキナグサの休眠期である11月下旬〜2月の中頃までは、強い日差しに当たると花芽が傷んでしまう可能性がありますので気を付けましょう。
オキナグサを地植えで育てる場合は、風通しの良い樹木などの陰の下で管理しましょう。
鉢植えで栽培している場合であっても、風の通しが良い日陰を選ぶようにしましょう。涼しい気候が好きなオキナグサは、真夏以外の気候でもよく風の通る場所で育てるようにしてください。
冬の時期は、オキナグサを外で管理しても良いのですが、乾いた風に当ってしまうと花芽が傷んでしまいます。北から吹いてくる風にはかからない場所で栽培してください。
オキナグサは、土の表面が乾いたら水を注ぎ入れます。毎日のように水やりを行ってください。
気温が高い夏期間は、涼しくなる夕方頃のタイミングで水やりします。ただし、水をやり過ぎてしまうと、土の中で水分が溜まり、光合成の速度が遅くなったり、小さい株になったりと悪影響を及ぼします。
根腐れなどにもつながりますので、鉢の中が湿った状態が続かないように配分にも気を付けて育てましょう。
オキナグサを鉢植えで育てている場合、冬の間も植えている鉢などの土が乾いているか見てから与えるようにします。
オキナグサは、肥料を与えることで花つきが良くなるので、しっかり施してあげましょう。
4月と9月後半頃に、1度ずつ置き肥を行います。オキナグサが花を咲かせる時期には、液体肥料も施肥すると良いでしょう。開花する前の4月下旬〜6月の下旬の間に、2週間に1回のペースで補っておいてください。
もし秋に葉っぱが残っている株があれば、9月の下旬〜10月中旬の間に液体肥料を撒いておくのも良いでしょう。
オキナグサを植え付けるときは、土に緩効性化成肥料を入れておくと良いでしょう。
オキナグサの栽培には、水はけが良いとされる土を用いると最適です。市販されている山野草の土でも十分に育てることができます。
自分で配合したものをつくるのであれば、粒が小さい軽石か、山砂と腐葉土を7:3の割合にしましょう。
オキナグサの植え替え・植え付け時期ともに、3月下旬から4月の下旬の間または9月の下旬から10月の上旬の期間に行うのが適しています。植え替えも植え付けもやり方は同じです。
植え付けのときは元々育てていた鉢や購入時に植えられていたポットなどよりも、一回り大きい鉢を用意します。
オキナグサを植え付ける鉢は、プラスチック製のものを使用するのは避けてください。鉢は通気性の良いことが条件ですので、深めの素焼き鉢や山草鉢が適します。
素焼き鉢には、表面に小さな穴が開いており、土の中の水分を蒸発させたり通気性を良くしたりする効果があります。また、細かい穴が開いている駄温鉢は、蒸発がより減少し、通気性が少し悪い分保水性に特化しています。
いずれの鉢にも、鉢底ネットを敷いて鉢底石を入れてください。これで水のはけ具合を良くしておきます。土と一緒に元肥として緩効性化成肥料も忘れずに混ぜ込んでおくようにしてください。
取り出した株は根を広げるようにして植え付けていきます。芽が出てきているところから1cm程度土を覆っておきましょう。日陰で何日間かは管理し、水やりも行ってください。
オキナグサの株が安定してきたら、日当たりの良い場所へ移動させて育てていってください。植え付けのとき、オキナグサの細かい根が切れてしまうこともありますが、影響はさほど出ないので心配いりません。
ただ、太いごぼう根だけは傷つけないように作業してください。根は50cm〜80cmにも伸びると考えておいてください。植え替えやすくするために切り取ってしまいましょう。
また、オキナグサは花が咲いたあとに種子をつけます。その種子から種まきして育てていくことも可能です。
種まきをするのであれば、とりまきを行うことが重要です。とりまきとは種子を取ったら早急に蒔くことです。オキナグサは採取してから室内に1か月間置いてしまうと、発芽する力が弱くなります。
種を蒔くときは、毛となる部分を取り除いてください。蒔き床をつくるのであれば、中粒の日向土を鉢の底に撒いてさらに上に腐葉土を被せていきましょう。
培養土を入れたら川砂もさらにその上に川砂を入れてください。そこに種を撒いていきましょう。
オキナグサは多年草ですが4年〜5年で寿命がくるので、株を残すのであれば種まきすると良いでしょう。
オキナグサの増やし方は、「株分け」または「種まき」です。
株分けをするのであれば、植替えを行うときに同時進行で行います。
植え替えは春と秋に行うことが多いですが、春はゴボウ根が傷みやすいので株分けをする予定であれば、秋頃に執り行いましょう。
芽が多く出ている株を切断していきましょう。切り口は負担がかからないように最小限になるようにしてください。切り口のところには殺菌剤を塗布し、植え付けを開始します。
種まきについては、先ほど説明した通りです。
オキナグサは、アブラムシやハダニ、なめくじに食べられていしまうことがあります。ほかにもネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウなどにも、悪さをされることがあります。
ネコブセンチュウは、発生すると根にある細胞組織が大きくなり、コブのように変形します。多くなるとコブがたくさんできて生育に被害をもたらします。土の外に出てから防除対策するのは手遅れですので、しっかりと予防しておくことを心がけましょう。
オキナグサの苗を植え付けるときに、土の中の密度を低めにするなどして注意して確認しましょう。また、アブラムシなどの害虫は薬剤を散布したり、手作業で取り除いたりするようにしてください。
オキナグサが発芽するには、18度前後の温度が必要です。生育の適した温度は10度〜15度程度ですが、耐寒性は高く、乾燥した風にさえ注意しておけば越冬もできます。だいたいマイナス15度にまで耐えることが可能です。
オキナグサの花言葉は「何も求めない」、「奉仕」などがあります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
絶滅危惧種の山野草であるオキナグサの育て方をご紹介しました。
花が咲いたときは豪華に鐘のように咲いたと思ったら、咲いた後は老人のように年を取った姿になるちょっと変わった植物です。
※トップ画像はPhoto by 愛弟子さん@GreenSnap
GreenSnap編集部