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ハーブのなかでも高い知名度を誇るローズマリー。アロマオイルとしてや、肉料理に合うハーブとしてなど、様々な使い方があります。ローズマリーには、地面を這うように成長する品種や、木のように上に向かって成長する品種、食用に向くものや、食べられない観賞向きの品種など様々な種類があります。
今回は、そんなローズマリーの種類と特徴を解説していきます。
ローズマリーは地中海沿岸地方が原産で、年間を通して緑の葉を茂らせるシソ科の常緑植物です。収穫した枝からすぐ新芽が出やすく、水挿しでも発根しやすいため簡単に増やすことができるので、ガーデニング初心者向けのハーブといえます。
ローズマリーは花色や形が多種多様です。開花時期の4月~6月頃には、濃い青色やピンク色、白色などの花色で私たちの目を楽しませてくれます。
ローズマリーの歴史は古く、紀元前の古代エジプトや古代ギリシャ時代から親しまれていたとされています。そのため、ローズマリーの品種や交雑種は世界中に数多く存在しています。
ローズマリーは、以下の3つの形で分類されます。それぞれの分類ごとに品種をご紹介します。
地植えにすると、地面を這うように枝を伸ばし鉢植えの場合は枝垂れるように成長する性質を匍匐性(ほふくせい)と呼びます。匍匐性のローズマリーは根腐れしやすくやや乾燥した環境を好みますが、条件次第ではグランドカバーとしても利用できます。
ローズマリー・ダンシングウォーターは比較的成長が早く、数多くの花をつける多花性であることが特徴です。葉や花が風に揺れて踊っているようにみえることから「ダンシング」の名前がつきました。
「プロストラータス」とはラテン語で”地を這う”という意味で、まさに匍匐性のローズマリーにぴったりの名前です。栽培環境がよければ、年間を通して薄紫色の花を咲かせます。
ゴールドイエローが眩しいウィルマスゴールドは、食用よりもカラーリーフとして利用されることが多いです。3月~6月の初夏までは鮮やかな黄色が楽しめますが、暑さが増すと緑色が濃くなります。
ローズマリー・サンタバーバラは比較的コンパクトにまとまりやすく、多花性で四季咲きの品種です。半耐寒性があり開花時期は夏の暑さがおさまった9月頃~翌春にかけてです。
半匍匐性(はんほふくせい)は匍匐性と立ち性の中間のような性質で、成長し始めは上に伸びやすく、ある程度成長するとやや枝垂れてきます。上にも横にもよく伸びるため、収穫もかねて剪定しながら育てるのがおすすめです。
ローズマリー・ウッドローズは葉が濃く花色も鮮やかな紫色なため、バランスがよい品種として人気が高いです。やや耐寒性が低いため鉢植えで栽培し、冬は屋内での管理がおすすめです。
ローズマリー・カプリは、ローズマリーのなかでも爽やかな香りが特徴的です。葉にはやや苦みがあるため、香りを楽しめるポプリなどに利用するとよいでしょう。
深い青紫色の花を咲かせるローズマリー・モーツァルトブルーは、成長が緩やかですが大きく育ちやすいです。見た目の華やかさから、食用よりもハーブガーデンのアクセントとして利用されることが多いです。
濃く鮮やかな紫色が目をひくローズマリー・ディープブルーは、半匍匐性とされていますが立ち性に近いともいわれています。花付きは豪勢ではありませんが、安定して濃い紫色を保ちます。
樹木のように真っ直ぐと上に枝を伸ばし、自立する性質を「立ち性」といいます。成長が早く、最大2mほどにまで成長します。葉も大きく太い傾向があり、管理のしやすさからも立ち性のローズマリーは人気が高いです。
ローズマリー・トスカナブルーは非常に強健な性質なため、ガーデニング初心者でも安心して育てられる品種です。トスカナブルーは成長が早いため年中収穫しやすく、香りと味のバランスもよいため食用に向いています。
ローズマリー・マリンブルーは日本で古くから食用などさまざまな用途で親しまれていたこともあり、流通量も多く栽培しやすい品種です。柑橘系を彷彿とさせる爽やかな香りが人気ですが、鮮やかなブルーの花色には個体差があることが多いです。
ローズマリー・マジョルカピンクはかわいらしいピンク色の花が非常に人気で、ガーデニングによく使われる品種です。半匍匐性または立ち性の品種があり、葉の香りを楽しみたい場合は「半匍匐性」、花の色を楽しみたい場合は「立ち性」を選ぶとよいでしょう。
ローズマリー・シッシングハーストは多くの花色をもち、白色から濃い青色までさまざまな種類があります。軽やかな印象の細い葉は、松に似た爽やかな香りがします。
ローズマリー・ミスジェサップは遅咲きで、9月頃の秋から翌春にかけて開花し、耐寒性にも優れています。葉や枝が細いことから全体的に華奢なシルエットで、花数は多いですが芳香は弱めです。ミスジェサップは成長が遅いですが、地植えにするとゆっくりと大きく育ちやすいです。
真っ白な花を咲かせるローズマリーはじつは珍しく、ローズマリー・ホワイトはその代表品種です。ローズマリーのなかではやや繊細な性質があり寒さや蒸れに弱いですが、水やりは比較的しっかりと行いましょう。葉は広くツヤがあり上品な見た目ですが、香りが強く食用にはやや不向きです。
ローズマリーは香草として料理に利用するほかにも、グランドカバーや観葉植物として観賞するなど私たちの生活の中で幅広く親しまれています。匍匐性や立ち性など、それぞれのローズマリーの特性を生かし、用途や目的に合わせて選んでみてくださいね。
GreenSnap編集部