姫秋麗は中南米を原産とする、ベンケイソウ科グラプトペタルム属の多肉植物です。
ロゼッタ状についた葉ひとつひとつは小さいものの、株を群生させるため鉢植えではボリュームたっぷりに見えます。だるま秋麗に似た葉をもつと言われる姫秋麗は環境適応能力にも優れているため、比較的育てやすい多肉植物です。
今回は姫秋麗の育て方についてご紹介します。
姫秋麗の育て方:栽培する場所
姫秋麗は風通しと日当たりのよい環境を好む植物です。
生育期(春・秋)の姫秋麗
姫秋麗は春秋生育型の多肉植物です。最低でも半日以上の日照量と風通しを確保したうえで、霜や雨の当たらない場所にて管理しましょう。耐寒性・耐暑性に比較的優れているものの、気温5℃以下や27℃以上になるような日は念のため屋内での栽培を推奨します。
休眠期(真夏・真冬)の姫秋麗
姫秋麗は暑さ・寒さの厳しい1〜2月と7〜8月に休眠期を迎えます。夏は風通しがよく明るい半日陰に置いて葉焼けを防ぎ、冬は屋内の明るい窓際に置きましょう。屋内管理する際は、生育不良の原因となりうるエアコンなど空調設備の出す風に当たらないように管理することをおすすめします。
姫秋麗の育て方:水やり
姫秋麗には気候ごとに適した水やりをします。
- 生育期(春・秋):表土が乾いてから7〜10日後にたっぷりと水やりします。休眠期の近づきとともに、水やり頻度を減らしていきましょう。
- 休眠期(夏・冬):1〜2週間に1回、表土を軽く湿らせる程度の水やりに留めます。やや土を乾燥気味に保つことがポイントです。
姫秋麗の育て方:用土
姫秋麗には水はけのよい土が適しています。「赤玉土小粒5:鹿沼土小粒3:ピートモス2」の割合で混ぜた配合土を使用します。水はけが不十分である場合には川砂を1割ほど追加しましょう。市販の多肉植物用培養土でも構いません。
姫秋麗の育て方:肥料・追肥
姫秋麗には休眠期を避けた生育期に少量の肥料を施します。植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として施しましょう。以降は生育期の間に月1回、規定量の2〜3倍に薄めた液肥を追肥していきます。
姫秋麗の育て方:植え付け・植え替え
姫秋麗の植え付け・植え替え適期は生育期の3〜5月、9〜10月です。鉢の大きさに対して株が窮屈になった場合(2〜3年に1回)、株を新しい鉢へ植え替えましょう。
- 植え付け1週間ほど前から水やりを控え、土を乾燥させる
- 株より一回り大きな鉢を用意する
- 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
- 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
- 根鉢から株を慎重に取り出して、根についた古い土や根を整理する
- 根を広げるようなイメージで植え付けて、上から土を優しく詰める
- 鉢の縁から2〜3cm下まで土を盛り、株を安定させる
- 植え付けから1週間後に水やりし、株をしっかり土着させる
姫秋麗の育て方:増やし方
姫秋麗は一般的に葉挿し、株分けで増やせます。
葉挿し
- 親株から葉を付け根から優しくもぎとる
- 浅底の鉢に中粒の赤玉土を入れる
- 切り口が若干土に触れるようにして葉を平置きする
- 発根するまでは水やりをせず、明るい日陰で管理する
- 約1〜2ヶ月で発根する
株分け
姫秋麗は次々と子株を増やしていくため、間引く意味も兼ねて株分けをします。
- 株を根鉢ごとゆっくり抜き取る
- 根元を優しく揉みほぐして、1つの株あたりに2〜3個に株分けする
- 分けた株を植え付けと同じ手順で植え付ける
姫秋麗の育て方:注意する病気
姫秋麗はカイガラムシの被害を受けやすい植物です。カイガラムシは25℃以上の高温多湿下で発生しやすく、葉から養分を吸収して株を弱らせてしまいます。カイガラムシを発見したら牛乳スプレーや薬剤を散布するか、歯ブラシでこすり落として駆除しましょう。
姫秋麗とだるま秋麗の違いとは?
姫秋麗の姿はだるま秋麗と似通った特徴をもっており、瞬時にどちらかを判断することはできません。しかし、以下の点を比較すると判断がつきやすくなります。
- 葉の厚み:姫秋麗 < だるま秋麗
- 群生させる数:姫秋麗 < だるま秋麗
姫秋麗の花言葉
姫秋麗を含むグラプトペタルムの花言葉は「秘められた恋」です。
秋に姫秋麗が見せる紅葉は、恋心から頬を赤く染めている少年少女のように思えます。
姫秋麗の育て方を覚えよう
姫秋麗は多肉植物のなかでも比較的優れた環境適応能力を誇ります。全体的に小さくまとまった姿はかわいらしいうえに管理しやすいという側面もあるため、姫秋麗は多肉植物デビューを飾るにふさわしい多肉といえますよ。
この記事を書いた人
GreenSnap編集部
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