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私たちの生活のすぐ側にある植物で、一見雑草かと思っていた植物が、実は立派な薬草や和ハーブとして古くから私たちの生活の力になってくれているものがたくさんあります。今回は、そんな薬草や和ハーブの1つで人気のある、カキドオシの特徴や薬効、食べ方のほか、似た花との見分け方などについてご紹介します。
カキドオシは、古くから薬草として用いられる植物です。シソ科・カキドオシ属のつる性の多年草であるカキドオシは、東アジアやヨーロッパが原産で日本全土の草地で自生しています。
まっすぐに伸びていく茎が、花を咲かすとともに地面に倒れつるになり、生け垣の下から垣根を突き抜けるほどの勢いで伸びていく様子にちなんで、カキドオシ（垣通し）と名付けられたといわれています。
別名は癇取り草（カントリソウ）といい、子供が夜泣きやひきつけなどをおこす原因である癇の虫を取る薬草としてつかわれていたことからつけられました。また、葉の形が銅銭に似ていることと、つるに連なって葉がつく姿から連銭草（レンセンソウ）とも呼ばれています。
カキドオシは繁殖力が強いので、グランドカバーとして使われることもあります。また耐陰性があるので、シェードグリーンにも向いています。
カキドオシの開花時期は4月〜5月で、薄紫色の花を咲かせます。花は葉腋に1〜3個ほど付きます。花びらは唇のような形の花弁で、下唇は4つに裂していて内側には濃い紫色の斑点があります。
茎の断面は四角く、全体に細毛があります。葉はギザギザの鋸葉（ノコギリバ）で、草丈は5cm〜25cmになります。
カキドオシは花の咲く頃に刈り取り、水洗いして日陰で干して乾燥させ、煎じてお茶として飲むことができます。
また、カキドオシの茎や葉を揉むとシソのようなミントのような香りがあり、和ハーブとしても料理に利用されています。柔らかい葉や花を天ぷらにして揚げたり、パスタや炒め物にしたりして食べられます。
カキドオシのお茶は消炎薬として、黄疸、胆道結石、膀胱結石、肝臓結石など、また糖尿病の治療にも応用できると期待されています。
カキドオシに似た代表的な花は次の通りです。
ムラサキサギゴケはサギゴケ科・サギゴケ属の多年草で、湿った草地でよく見られます。春に2cmほどの紫色の花を咲かせます。
トキワハゼはハエドクソウ科・サギゴケ属の一年草で、日本全土どこでも見られます。開花時期ら4月〜10月で、唇のような形の薄い紫色の花を咲かせます。草丈は5cm〜25cmほどです。
キランソウはシソ科・キランソウ属の多年草で、本州から奄美大島に分布し、日当たりの良い草地に生えています。3月〜5月ごろに葉腋に濃い紫色の花を2個～3個ずつ咲かせます。
アジュガはシソ科・キランソウ属の多年草で、暑さ寒さに強く、日当たりの悪い所でも良く育ちます。春になると葉の間から紫やピンクの小さい花を咲かせます。匍匐性（ほふくせい）なので、グランドカバーになります。
カキドオシはとても丈夫なので、どこでも育つといわれています。しかし、日当たりが良く水分を保つ土壌だとより元気に育ちます。
地植えの場合は降雨で十分です。鉢植えの場合は土が乾燥しない程度に水やりをします。水を与え過ぎると根腐れの原因になるので注意しましょう。植え付けは真夏と真冬以外いつでも可能です。
カキドオシの花言葉は「楽しみ」「享楽」です。花が咲き始めた頃につるが伸びる性質があり、つるが自由にどこまでも長く伸びて広がる様子から「楽しみ」や「享楽」の言葉が付けられました。
カキドオシの特徴や薬効などについてご紹介しました。花の見た目は小さく控えめなイメージなのに反して繁殖力は強く、薬効もさまざまなものがあります。
薬草茶としても人気があり、食用としても楽しめるなど魅力が沢山あるカキドオシ。花言葉にならって、カキドオシの成長を観察したり、お茶などの香りを楽しんだりしてみましょう。
GreenSnap編集部
