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植物を育てるには土が必要ですが、土はたくさんの種類があります。今回ご紹介するのは、黒土と呼ばれる土です。黒土とはそもそもどんな土なのか、どんな特徴や効果があるのか、まとめていきます。
黒土は植物を育てるのに必ず必要というわけではありませんが、使用するとよい効果もありますので、興味のある方はぜひご参照ください。
黒土とは火山灰と有機物に富んだ腐植と混ざり合ってできた土のひとつです。園芸では赤玉土や田土と同列である基本用土のひとつとして位置づけられています。
とはいえ、火山がない地域にも分布していることから、縄文時代からの野焼きや山焼きでできた灰や炭と腐植が混ざってできたという説もあります。
黒土は踏むとボコ、ボクという独特の音がすることから黒ボク、黒ボコと呼ばれることもあります。関東ローム層の表面から採取されますが、東北にも分布しています。
黒土はふかふかと柔らかいため、畑に混ぜることで土全体が柔らかくなります。かたい土で育てるとニンジンなど根菜が曲がることがありますが、黒土を含んだ柔らかい土なら根菜が生長しやすくなります。
また根菜に限らず、土が柔らかくなると植物の根が張りやすいという効果もあり、とくに野菜栽培の培養土に向いています。
黒土は保水性に優れているため、水分を多く必用とする植物を育てる場合は、黒土を使うのがおすすめです。
黒土は有機質を豊富に含むため、栄養分をためる性質があります。これを保肥性が高いと表します。肥料を多く必用とする植物を育てるときも黒土はよいでしょう。
黒土は名前のとおり、黒いのが特徴です。黒色は太陽光を集めやすい性質があるので、黒土で育てることにより土中温度があがります。寒い地域や寒い時期の栽培には適しています。
保水性や保肥性が高い一方で、水はけが悪い、通気性が悪いといったデメリットもあります。黒土のみで育てるのではなく、他の排水性をあげる資材とブレンドして使用してください。配合例は「水はけが悪い黒土の配合例」の項目で詳しくご紹介します。
黒土はやや酸性の度合が強いため、とくに野菜を栽培する際は、苦土石灰などで中和して調整する必要があります。製品によってばらつきがありますが、黒土のpHは5.5〜6.5ほどとされています。多くの野菜がpH6.0〜6.5ほどを好むので、それ以下の場合は調整しましょう。
黒土は保水性に富んでいるぶん、重量が重くなりやすい面もあります。地植えの用土として使用するなら問題ありませんが、プランターやハンギング栽培の培養土としては、移動しにくくなったり、落下の危険性があがるので気をつけましょう。
黒土にはリン酸がほとんど含まれていません。リン酸とは植物を構成する重要な3大要素である花肥、実肥とも呼ばれています。そのため養土として使うときはリン酸の配合率が高い肥料や、リン酸の単肥を配合するようにしましょう。
また、黒土がリン酸を奪うこともあるため、果菜類や草花などの培養土に使うのはさけたほうがいいでしょう。
黒土は単体で使うのではなく、赤玉土や鹿沼土など水はけのよい土と一緒に混ぜて使いましょう。育てる植物によってブレンドは異なりますが、下記の配合がおすすめです。
なお、酸度調整やリン酸を調整するときは、「熔リン」と「過リン酸石灰」を用土10Lにたいして20gずつ配合するのがおすすめです。リン酸が速効性と緩効性をあわせもって効き、酸度調整も同時にできます。
また、黒土の排水性をあげるには、赤玉土を混ぜるのも効果的ですが、もみ殻くん炭であれば同じ黒色なので、土中温度上昇のメリットを失わずにすみます。また、酸度調整も同時にできます。
また、土の性質上、黒土には細かな植物の根や雑草などが混ざっている可能性もあります。加熱処理がされていない黒土の場合は、日光に1日当てて、殺菌をしてから使用するほうが安心です。
黒土は園芸店やホームセンターでも売られることがありますが、小規模店舗だと売られていない場合が多いです。現在はインターネットのほうが豊富に扱われているのでネット通販をおすすめします。
黒土の販売価格は2Lで500〜1000円、20Lで1000〜3000円とややばらつきがあります。加熱加工済みのものや、ふるいにかけて不純物をとりのぞいたものなど、製品によって品質はかわるので、よく製品表示を確かめて購入するようにしましょう。
黒土は水分をためこみやすい土ですがその反面、排水性が悪いですので、通気性のよい土と混ぜて賢く育てましょう。たくさん水分を必要とする植物を育てる際はおすすめです。
途中で通気性が悪くなった場合は、赤玉土を混ぜるなどをして土壌を改善してあげてくださいね。
GreenSnap編集部