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観葉植物を鉢植えで育てている場合は、定期的に植え替えをする必要があります。植物の健康を保ったり、見栄えを保つためにも、正しい植え替え方法を知ってお手入れしましょう。
今回は観葉植物の植え替えについて、写真を使ってわかりやすく解説していきます。

鉢植えで育てている観葉植物は、1〜2年に1回を目安に植え替えをしましょう。ただし、3〜5号の小さい観葉植物は、毎年の植え替えが理想です。
6〜7号のミドルサイズであれば2年に1回、8号以上の大きい観葉植物なら3〜5年に1回でも大丈夫ですが、早く大きくしたいときや、より健康に育てたいときは毎年植え替えるのがおすすめです。
観葉植物を大きく育てたくないからといって、何年も植え替えをしないでいると、根詰まりや根腐れ、病気や害虫発生のもとになります。
次のようなサインがでたら、先述の植え替え頻度は一旦無視して、早急に植え替え作業を行ってください。
観葉植物の種類によって植え替えに適している時期は異なります。間違った時期に植え替えをすると、最悪枯れてしまうので必ず確認しておきましょう。また、「気温」を目安に植え替え時期を決めるとなおよいです。
一般的な観葉植物の多くは春〜秋が生育期で、5〜9月頃(気温目安:20℃)が植え替え時期となります。カラッと晴れた日の午前中に植え替えするのがおすすめです。
基本的に気温が30℃を越すような真夏の時期や、梅雨や台風シーズン、寒さの厳しい真冬は避けてください。
観葉植物の植え替えでは、今までの土ではなく、新しい観葉植物の土を用意しましょう。園芸店やネットで市販されている「観葉植物用の培養土」が便利です。
室内で育てるなら、「室内用の虫がわきにくい配合がされた培養土」がおすすめです。市販にもいろいろな観葉植物用の土があるので、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
観葉植物を植え替えするときは、もとの鉢より一回り大きい鉢を用意しましょう。何度も植え替えするのがめんどうだからといって、二回り三回りも大きい鉢に植え替えてしまうと、むしろ根が細く広く伸びてしまって安定性にかけ、弱りやすくなってしまいます。
また、ほとんどの観葉植物は乾燥を好むので、「テラコッタ鉢」や「素焼き鉢」などの通気性のいい素材の鉢がおすすめです。必ず底穴があって、排水できる鉢を選びましょう。

ここからはカラテアという観葉植物を例に、植え替えの方法を詳しくご紹介します。

まずは新しい鉢に鉢底ネットをしいて、鉢底石をしきつめます。鉢底ネットは土の流出を防ぎ、鉢底石は水はけをよくして根腐れ防止になります。
次に、あらかじめ鉢の3分の1ほど、観葉植物用の土をいれておきましょう。

観葉植物は乾燥に強い植物なら数日間水やりを控えて、土を乾燥させておくと作業しやすいです。植物によってはかぶれることがありますので、軍手をつけて作業をすることをおすすめします。
鉢から取り出すときは、無理に引っ張らずに、鉢の周りを菜ばしなどでつついてほぐしてから取り出しましょう。それでも抜けないときは、とくに大型の植物なら鉢を壊してしまうほうが植物に負担がかかりません。

根詰まり気味の観葉植物は、写真のように鉢の形にそってびっしりと根が回っています。(このことからこの部分を根鉢と呼びます)
観葉植物の植え替えでは、もとの鉢底石を落として、さらに根鉢を3分の1程度ほぐして土を落としてから植え替えます。土が乾燥している場合は、軽く揉みほぐせば土が落ちますよ。

土を取り除いたときに、カラカラに干からびた細い根や、茶色っぽく古くなった根があれば、清潔なハサミでカットして取り除いてください。
今回はわかりやすく説明するため、根洗いをして土を落としました。病気や害虫が発生した観葉植物は、土に病原菌や害虫の卵があるので、根洗いをして植え替えるのがおすすめです。

こちらの写真はグラキリスの根っこです。根鉢をほぐすと同時に、細い根がブチブチと切れることがありますが、細い根なら切れても問題ありません。
グラキリスのような木立性の幹があるような観葉植物の多くは、主根と側根を持っています。細い根=側根は生え変わってどんどん伸びるので、ある程度切れても大丈夫。反対に、太い根(主根)は生え変わることがないので、傷つけないようにしましょう。

新しい鉢の真ん中に観葉植物を据え置きます。このとき、土に埋めるラインを鉢のフチ下2〜3cmとそろえるように、あらかじめいれた土の量の調整をしましょう。
土をめいいっぱいいれると、水やりしたときにこぼれてしまうので、少し余裕をもたせた土の量になるようにします。

根と鉢のすきまに土をいれていきます。いっぺんにたくさん土をいれるのではなく、少しずつ追加しながら、ときおり菜ばしなどでつついて、根と根のすきまにも入り込むようにしましょう。
小さい観葉植物はスプーンなどで土をいれると作業しやすいです。

土を鉢のフチ下2〜3cmまでいれたら、最後に鉢底から流れ出るまで水やりをして植え替え完了です。
新しい土にも微塵が混ざっているので、最初の水やりでは濁った水が流れ出てきます。この水が透明になるまで、たっぷりと水やりしてあげましょう。
観葉植物を植え替えたあとは、多少なりとも負担がかかっていて弱っている状態です。それまでと同じような管理はしないでください。
観葉植物の植え替え直後2週間は、絶対に水切れさせないようにしましょう!この間は、直射日光が当たらない明るい日陰などで管理します。屋外で育てている場合は、室内に入れる方がいいでしょう。
植え替えから2週間ほど経過したら、その後は土の表面が乾いたタイミングで水やりをしていきます。
新しい芽や葉が出るなどの生長が見られれば、新しい土に根付いた証拠です。そうなれば、それまで通りの管理方法に戻しても大丈夫です。

観葉植物をこれ以上大きく育てたくないという場合は、植え替えのときに根を1/2〜1/3ほどに短く切り、同時に、地上部の枝葉の数を同じ割合だけ減らすように剪定しましょう。
根だけでなく枝葉も切ることで、植物の葉による蒸散作用や光合成と、根の水の吸収などのバランスがとれるので、サイズ調整ができてゆっくりながらも順調に成長していきます。
そのほか、モンステラやスパティフィラム、オリヅルランなどの茎で伸びていくような多年草タイプの観葉植物は、株分けをすることで株のボリュームを調整することもできます。
球根のようなかたまりを見つけたら、そこから生えている茎の分け目を探して、手で割いていきましょう。絡まって割けない場合は、細い根であればナイフで切り分けても大丈夫です。
病気や害虫などの被害にあってしまったり、根詰まりや根腐れで弱ってしまった観葉植物の植え替えは、活力剤を使うのがおすすめです。
バケツにはった水にメネデールなどの根に効く活力剤を適量たらしましょう。植え替えのときに一度すべて土をおとして、30分〜1時間ほど根をつけてから植えると、復活する可能性がぐんと上がります。
また、土に混ぜるタイプの殺虫殺菌剤なども併用すると、今後の予防にもつながりますよ。
観葉植物の植え替えは難しそうな印象があるかもしれませんが、鉢から取り出して新しい鉢に入れ替えるだけです。鉢のお引越しのような感覚です。
定期的に観葉植物を植え替えないと、きれいな葉が変色してしまうこともありますので、ぜひ植え替えにチャレンジしてみてくださいね。

GreenSnap編集部