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コケは非常に種類が多く、実は鑑賞性の高い植物です。ここでは、そんなコケの種類を、苔庭、苔玉、苔テラリウムにおすすめなもので分けて、いくつかご紹介していきます。
道のコンクリートの隙間など、日常生活でも見かけるコケは、日本全土に自生しています。
岩の上をはいつくばるように成長する性質を持っているため、自宅の玄関にコケがつくと掃除の手間が増えたりなど、邪魔なものと思われることもあります。ただし、コケはきちんと管理すれば、盆栽や苔テラリウムに利用されるなど、鑑賞性の高い存在でもあります。
日本においては、古くから庭園なども親しまれれることもよくありますよね。また、京都にある西芳寺は苔寺とも呼ばれ、非常にコケが美しい場所としても知られています。
そんなコケはクロロフィルを持っているため、緑色をしています。苔の多くの種類は、ジメジメした湿気のある日陰を好みます。とはいえ、ほかの植物と同じく光合成はしますが、コケには維管束や根がなく、種子ではなく胞子で増るため、花は咲きません。
コケは日本だけでも約1,500種類以上が自生し、世界中では約20,000種類以上も存在しているといわれています。
コケの種類は、大きく分けて「マゴケ(蘚類)」「ゼニゴケ(苔類)」「ツノゴケ」の3つに分類されることが多いです。
私たちがもっともよく目にするコケの種類が、おそらくこの「マゴケ」です。苔盆栽や苔テラリウムやなどでもよく使われています。
代表的な品種には、スギゴケ、ハイゴケ、ヒノキゴケ、タマゴケなどがあります。
「ゼニゴケ」は姿も独特で、葉と茎にわかれていない葉状体と呼ばれる見た目をしています。繁殖力が強いことから、コケの中でも悪い種類であるとされることが多いです。
代表的な品種には、ゼニゴケ、ムチゴケ、ジャゴケなどがあります。
ツノゴケは、ゼニゴケと同じく、葉と茎にわかれていない葉状体と呼ばれる見た目をしています。そこから胞子体が地面と垂直に生えるものや、地面と平行に生えるものがあります。
代表的な品種には、ナガサキツノゴケ、ニワツノゴケなどがあります。
葉と茎が明確に分かれているものはマゴケ(蘚類)、葉と茎のに分かれていないものはゼニゴケ(苔類)、細長いものがツノゴケ類と、見た目で大まかに判別できます。※種類によってはこの通りに分類できないものもあります。
苔庭で楽しめるコケの種類をご紹介します。
京都にある西芳寺(苔寺)にはこのホソバオキナゴケがたくさん。美しい緑色とふわふわとした質感のあるコケです。ホソバオキナゴケは、「マンジュウゴケ」とも呼ばれます。コロコロとした丸いコケなのでこの別名がつけられました。見た目の雰囲気は、コキアのよう。直射日光は好みではありません。じめじめした場所を好みます。
ホソバオキナゴケは成長がゆっくりな特徴も。水を与えすぎると蒸れるため、注意が必要です。
日本庭園のコケというとこちらも人気。寺院の庭園でよく見かけます。スギのような葉を持つコケで、苔庭では一番人気があるといっても過言ではありません。園芸店やホームセンターでも苔としてよく流通しているため、手に入りやすいコケと言えるでしょう。半日陰はもちろんですが、一日中日があたる場所でもよく育ちます。
ハイゴケは横に広がる性質があります。そのため、「這う苔」という意味を持つハイゴケという名前になりました。半日陰、日の良く当たる場所、どこでもよく育ちます。非常に生命力が強く、岩の隙間やコンクリートの上でもしっかりと成長するのですよ。またハイゴケはコケ玉にも利用される苔です。日が当たる場所では緑ではなく、黄色っぽく色が薄くなります。
スナゴケ
スナゴケは、葉が小型の苔で最も直射日光に強い苔で乾燥にも強いので苔庭にもぴったりな苔です。乾燥すると葉が閉じた状態になりますが水を与えるとすぐにきれいに葉を開いて、上から見ると星形に葉が広がりきれいです。
横に広がるハイゴケは苔玉作りにも利用されます。
マット状に広がり、繊細に広がる葉が非常に美しい苔です。比較的成長が早く着生もしやすいので、苔玉にも適しています。乾燥には強くないので、毎日の水やりを忘れないようにしましょう。
盆栽には直立性があるコケがおすすめです。
ギンゴケの高さは1センチほど。葉は重なり合っています。葉の形はやや尖った卵型。盆栽の表面に使用されることが多いですよ。
苔テラリウム(コケリウム)は近年とても人気が出てきています。ここでは人気の種類を紹介します。
まるまるとした見た目のコケは非常に愛らしく人気。丸い胞子体を付けることから、タマゴケという名前がつけられました。暑さに弱いため、コケの先端が茶色く変色することがあります。
ホソバオキナゴケは苔テラリウムとしても人気です。苔テラリウムでは、スプレーをして水を与えますが、こちらは濡れたままでいることを嫌います。ゆっくりと成長して、育てやすいコケですので、初心者の方にも向いています。
コツボゴケは湿った土の上や、倒木の上に生えるコケ。水を与えるとキラキラと光るように見えます。水の与えすぎで、コケを蒸れさせなければ育てやすいコケですので、苔テラリウム初心者の方にも向いています。
コツボゴケの新芽は水を浴びて光に照らすと、黄緑色で透き通ったガラスのような姿をしていて、テラリウムではそのきれいさを存分に楽しむことができます。
これらのほか、自分の意図しない形でコケが庭に生えてくることもありますよね。よく庭に生えるとされるコケの種類には、「ギンゴケ」と「ゼニゴケ」があります。
中でも「ゼニゴケ」は前述にもある通り、繁殖力が高く、見た目が好まれないことが多いため、嫌な種類として扱われることが多いです。発生した場合は、注意してください。
コケは非常に種類が豊富。葉の大きさや形も異なります。また利用目的によっておすすめのコケは違います。苔庭にする場合、苔玉にする場合、苔テラリウムにする場合でおすすめなコケは異なりますので、よく選んでコケを楽しんでくださいね。成長がゆっくりで水やりの頻度も低く育てやすいです。初心者の方もぜひ楽しみませんか。
苔屋のAkinobu
GreenSnap編集部