warning
error
success
information
仏教行事の1つである、仏の誕生を祝う祭り花まつりで、本堂に飾られる甘茶という飲み物は、アジサイの仲間であるアマチャからつくられています。ここでは、そんなアマチャの育て方や特徴、効能、お茶の作り方や飲み方についてもご紹介していきます。
アマチャとは、アジサイ科の植物でガクアジサイの仲間で、見た目はほかのアジサイと違いはありません。ただし、葉に甘みがあり、お茶にすることができるという特徴があります。日本国内では、長野県、富山県、岩手県で多く栽培されています。
冒頭でもお話しした、仏の誕生日の花御堂へかける甘茶とは、このアマチャというアジサイからつくられるもののことをいいます。また、アマチャの葉は生薬としても利用することが可能です。
また、アマチャに似た名前のアマチャヅルという植物もありますが、こちらはウリ科の植物で、見た目も全く異なる別物です。
アマチャはアジサイの仲間ですので、他のアジサイと同じく、半日陰で育てます。一般的なアジサイは土壌によって、ピンクか青に花色が変わりますが、アマチャは土壌の酸度は気にしなくて問題ありません。
花後に固形の緩効性肥料を与えると、次の花期にまた美しい花を咲かせますので、肥料を与えましょう。だいたい肥料は7月から9月に与えてください。
アマチャは水切れしやすい植物ですので、こまめに水やりをしてください。土が乾燥していたら水やりをする、と意識するとよいですよ。地植えの場合も適宜水やりをしましょう。
アマチャの花言葉は「祝杯」です。とてもめでたい花言葉が設定されていますが、これは仏の誕生を祝って天から甘露の雨を降らせて産湯にした、という言い伝えからつけられた花言葉だと考えられます。
アマチャの効能としては、抗アレルギー作用、歯周病改善、口臭予防によいとされています。アマチャにはタンニンが含まれていますが、このタンニンが、歯周病や口臭の元になる菌の増殖を抑える効果があるそうです。
さらに、アマチャは花粉症の方にも良いとされています。アマチャに含まれるタンニンは、代謝をよくする効果もありますので、老廃物を外に排出することの期待もできます。
アマチャは漢字で「甘茶」と書くように、甘いのが特徴。フィロズルチン、イソフィロズルチンという甘味成分を含みます。この甘茶の甘さはショ糖の数百倍もあるとされています。しかし、カロリーはありませんので、ダイエット目的でアマチャを飲む方も少なくはありません。
アマチャを使った、甘茶の作り方を解説していきます。
ご自宅でアマチャを育てている場合は、夏にアマチャの葉を採取してください。アマチャ作りには花ではなく葉を用います。採取した葉を2日ほど天日干しをして乾燥させます。
パリパリと乾燥したアマチャの葉に一度水をスプレーで吹きかけて、濡らし放置。これで自然と発酵します。アマチャの葉を発酵させたあとは、葉を手でよく揉み、さらに乾燥させます。葉から汁が出てくるほどよく揉んでください。
この発酵の過程が重要。発酵させないと甘味成分が出てこないので、必ず甘味成分がでるように発行をさせましょう。発酵後に葉がまた乾いたら茶葉の完成です。
2~3グラムの茶葉を約1リットルのお湯で煮だしてアマチャを楽しみましょう。
アマチャの葉にはタンニンが含まれていますので、長時間煮だすことで、渋みがでてしまいます。煮だしすぎには注意をしてください。また渋みだけでなく、タンニンが多く出たアマチャを飲むと、お腹が痛くなり下痢の心配もありますので、気をつけましょう。
タンニンを取りすぎると、嘔吐など副作用もありますので、飲みすぎにはご注意ください。
アマチャは天然の甘さのある植物で、お茶にすることができます。タンニンは自然毒と言え、摂りすぎると健康を害すことがありますが、適量を守ればアマチャは体によい飲み物です。抗アレルギー作用など嬉しい効果も期待できますので、飲んでみませんか。
ご自宅にあるアマチャの葉を乾燥させ、1日発酵させたあとに再度乾燥させて、あとは普通のお茶のように飲むだけですよ。ぜひお試しくださいね。
GreenSnap編集部