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梅雨の風物詩であるアジサイは、育てやすい低木花木として親しまれる人気の花です。そんなアジサイは、剪定で切った枝などを使って、簡単に挿し木で増やすことができます。今回は、アジサイの挿し木の方法や適した時期のほか、失敗しないコツや水栽培による発根のさせ方、鉢上げの方法などについてもご紹介します。
最近では鉢花として室内で楽しむ人も増えてきたアジサイは、挿し木で簡単に増やすことができます!
挿し木はアジサイの増やし方の中でも、もっとも一般的な方法です。
挿し木とは、植物の枝の切れ端をつかって、土や水栽培で発根させて増やしていく方法です。アジサイは生命力が強く、発根もしやすいので、挿し木から育てるのも簡単です。初心者の方もぜひ挑戦してみてくださいね。
アジサイの挿し木をする時期は、花が咲き終わった頃の6〜8月頃です。この時期ちょうど夏の剪定をするので、剪定で切り落とした枝を挿し穂にして、挿し木で増やしていくといいです。
ただし、真夏の暑い時期に挿し木を行うと、植物の負担になりますので、真夏の気温が高い時期は避けましょう。また、アジサイは10月頃になると花芽をつけるので、花芽がつく前に挿し木にチャレンジしてください。
緑枝挿しは5~7月、9月に、休眠枝挿しは2~3月に行うのが良いでしょう。
挿し木をするときは無菌で清潔な土を用意しなければなりません。市販の挿し木・種まき用培養土が、赤玉土(小粒)もしくは鹿沼土(小粒)100%を用意しましょう。
肥料成分や腐葉土に含まれるような有機質はカビなどの原因になるため、一般的な草花用培養土は避けてください。
剪定したアジサイの枝は、葉を2節ずつつけて、だいたい10〜15cmほどの長さに切り分けます。途中の枝もすべて挿し穂として使えますよ。
アジサイの挿し穂を切り分けたら、下の1節分の葉を取り除き、上の葉2枚は半分になるようにカットします。アジサイは葉が大きいので、葉をカットすることで挿し木したときの蒸散作用のバランスをとります。
また、切り口はナイフなどで斜めにカットしておきます。こうすることで、その分栄養や水分を吸収する面積が大きくなり、根が出やすくなります。
アジサイの挿し穂の準備ができたら、1〜2時間ほど下の切り口を水につけておきましょう。メネデールなどの発根剤を水に適量まぜることで、発根しやすくなり、挿し木の成功率があがります。
ポットに挿し木用の土をいれたら、あらかじめ水やりをしてよく湿らせておきましょう。また、割り箸などを深さ5cmほどまで挿して、植え穴をつくっておきます。
水からあげた挿し穂の切り口に、ルートンなどの発根促進剤をつけましょう。挿し木の発根率が上がって、成功しやすくなりますよ。
植え穴にアジサイの挿し穂を植えましょう。だいたい枝が5cmほど埋まるくらいを目安にしてください。また、下の節(切り落とした下の葉の切り口)が土に埋まるようにするといいです。
最後に、水やりをしてアジサイの挿し木の完了です。上からたっぷり霧吹きをかけるか、トレーなどに水をためて腰水で管理してもいいでしょう。
アジサイの挿し木では、安定するまでは乾燥させないこと、なるべく発根剤をつかうことの2つを気をつけておけば、失敗がかなり減ります。
とくに挿し木は乾燥が大敵です。アジサイは葉が比較的大きいので、挿し木するときは葉を切ったり、油をスプレーして蒸散する気孔を塞ぐようにしましょう。
なお、大きい鉢やプランターなら10cm間隔離して数本植えられますが、このときは画像のように鉢の縁にそってなるべく外側に挿すと、適度な通気性が得られるので発根率が上がります。3号ポットなどであれば1本ずつ植えましょう。
葉っぱの調子が悪くなっても、気にしないで育ててあげてください。
アジサイの挿し木は、培養土ではなく水栽培でも発根させられます。挿し穂の準備までは同じ方法で、そのまま水につけて育てていきます。水は毎日交換し、適量発根剤をいれると成長しやすいです。
根が十分に生えてきたら、土に植え替えしましょう。あまり長く水に入れていると、土になじまなくなりますので、ご注意ください。透明な容器だと根の成長がわかりやすいので、おすすめです。
挿し木したアジサイは、挿し木して2〜3日は日陰で育てるようにしましょう。そのあと徐々に明るい日当たりと風通しのいい場所へ移動させてください。
ただし直射日光はさけ、雨ざらしになるような場所もさけてください。
挿し木したばかりのアジサイは根が出ていない状態で、乾燥させるとすぐ弱ります。そのため、表土が乾き切る前に水やりをしましょう。だいたい1週間ほどは乾燥させないようにして、その後は土が乾き切ったら水やりをしてください。
もしくは皿に水をためておいて、腰水状態で管理するといいです。表土に鹿沼土を少しかぶせると、土の乾燥状態が色で判別しやすくなります。
挿し木したばかりのアジサイには肥料を与えないでください。なかなか新しい芽を出さないからといって、むやみに肥料を与えてしまうと、栄養過多になって肥料やけを起こしてしまうので注意しましょう。
肥料を与えるのは、鉢上げをして生育が安定してからです。そのあとは適切な肥料の時期や量を守って施肥しましょう。
挿し木したアジサイは1ヶ月ほどで発根します。茎元をもって揺らしたとき、ぐらつかずに安定しているようであれば発根している証拠なので、鉢上げ(植え替え)をしましょう。
市販のアジサイ専用培養土や草花用培養土などに植え替えてください。11月以降は休眠に入ってしまうので、休眠前に鉢上げしましょう。
なお地植えで育てる場合は、鉢上げして1年ほど鉢植えとして育てて、生育が安定したころに植えてください。
アジサイは、そもそも冬に落を落とす落葉樹です。挿し木の鉢上げ後、冬の時期に枯れはじめても、あまり心配しなくて大丈夫です。しっかりと根をはっていれば、目が残っていたり、春に暖かくなると新芽が生えてきます。
枯れているように見えても休眠しているだけなので、水やりの回数は控えめにしつつも、土が乾いて3〜4日経ったら暖かい時間帯にたっぷり与えてください。
毎年春と夏の変わり目に咲くアジサイはとても美しいので、ぜひ増やしてみませんか。挿し木や水栽培は剪定した枝を利用することができるので、ついで作業で増やすことができますよ。ダメージを軽減させるため、猛暑の日は避けて行うといいでしょう。
藤原正昭
GreenSnap編集部