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アーチやフェンスなどに咲いているつるバラは、西洋の雰囲気が漂うかわいらしいバラです。バラ園などで頻繁に見かけることが多く、つるバラが咲いているだけで周りの雰囲気も一層華やかになりますね。バラの剪定は大変だと思われる方も多いですが、つるバラの剪定と誘引はそこまで難しくありません。
今回は、つるバラの剪定や誘引の方法などについて詳しくご紹介していきます。
つるバラの剪定の目的や効果は、翌年の花付きをよくすること、剪定することで風通しをよくして害虫を予防することの2点です。とくにバラは葉などが密生すると害虫が付きやすくなるため、定期的に剪定することが大切です。
また、多くのつる性植物は自然にフェンスなどに絡まる性質がありますが、つるバラの場合はそのような性質がないため、人工的に誘引させる必要があります。剪定と誘引はセットで同時におこなうようにしましょう。
つるバラの剪定は、基本的に開花する2〜3ヶ月前のタイミングを目安におこないます。また、開花中は枯れた花を切り取る花がら摘みも継続しておこないましょう。
なお、つるバラは開花時期によって下記の2種類に分けることができ、つるバラを剪定する時期はその種類によって異なります。きれいな花を咲かせるためにも、自分が育てているつるバラの系統や開花時期を確認しておきましょう。
一季咲きのつるバラを剪定・誘引する時期は、基本的には年1回で、12月~1月中旬頃におこなう「冬剪定」だけです。あとは開花期間中にこまめに花がら摘みをしましょう。
つるバラは木立性のバラと比べて芽吹きが早く、2月頃に新芽が動き出すため、休眠中の冬に強く(深めに)冬剪定をします。2月以降でも剪定はできますが、この時期にする場合は新芽が取れないように気をつけて作業しましょう。
基本的に一季咲きつるバラは冬剪定だけで問題ありませんが、株が混み合って通気性が悪いようであれば、9月上旬頃に夏剪定(弱剪定)もします。
四季咲きつるバラの剪定・誘引をする時期は年に2回あり、12月~1月中旬頃におこなう「冬剪定」と、8月下旬~9月上旬頃におこなう「夏剪定」です。冬剪定は春の開花のために、夏剪定は秋の開花のためにおこないます。
四季咲きつるバラも、開花中はこまめに花がら摘みをすることで、継続して美しく咲かせられるようになります。
つるバラを剪定するときは、基本的には全ての枝を切るようにしてください。年数の経った太い枝は浅めに、若い細い枝は深めに剪定することで、枝の太さバランスが整います。ただしシュート(その年株元から生えた芽)が少ない場合には、2〜3年目の若い枝でも浅めに切って残しておいてください。
つるバラを剪定するときは、芽の上5〜10mmほどの位置で平らに切るようにしましょう。できるだけ切り口を小さくすることで病気にかかるリスクを抑えます。残す芽の向き(内側か外側か)によって、成長したときの枝伸びのバランスが決まります。基本的には外側に向いている外芽を残しましょう。
枯れ枝・弱い枝については株元から切り落とし、枝脇から生える小枝も分岐元から切り落としてください。切り落とす小枝の太さは、大輪は鉛筆、中輪であれば割りばし、そして小輪はつまようじ程度の太さを目安にしましょう。
つるバラには「頂芽優勢」という、一番高い位置にある花芽を優先して成長させていく習性があります。そのため、剪定が終わった段階で目の高さが水平になるように切りそろえると、より多くの花を咲かせることができます。
つるバラの剪定では、以下の道具を用意しましょう。
なお、剪定では両刃の剪定バサミを使うことが多いですが、つるバラなどの硬い枝を切る場合は片刃の剪定バサミが扱いやすくておすすめです。剪定バサミの素材には鉄製などがありますがあまり使用しないと錆びてしまうため、メンテナンスが大変だと思われる方はステンレス製の片刃を使用することをおすすめします。
手袋は軍手などでも構いませんが、つるバラの刺が手に刺さると危ないので、牛皮や本革などの厚手の手袋を用意しましょう。
つるバラの冬剪定は、つるバラの種類に限らず、全体の半分の高さになるまで切るイメージで強めに剪定していきましょう。また、冬剪定では残っているつるバラの葉を全て取り、枝先につぼみや花があればまだ咲ききっていなくとも切り落としてください。
一季咲きのつるバラは、基本的に夏には剪定しません。ただし、あまりにも枝が混み合って蒸れそうであれば、内向きに生えた枝や枯れた枝を切り落としたり、枯れている葉を取り除くなどしてください。
つるバラの夏剪定は、四季咲きつるバラ、とくにシュラブローズ(半つる性のバラ)に限っては冬剪定と同じように、全体の半分の高さになるように強めに剪定しましょう。ただし、冬剪定とは違って夏剪定の場合は葉を残しておくようにしてください。
また、春の時期によく花が咲いた枝は2~3芽程度残して切り戻します。逆に小さい花しか咲かなかった枝や枯れた枝などは、枝元から切り落としてください。
つるバラの誘引は、剪定と同時におこないます。また誘引するときには、枝の先端を下げないように注意してください。
つるバラをフェンスやトレリスなどの幅広タイプに誘引したい場合は、まず最初に太くて長い枝の配置を決めて誘引していきましょう。また、壁に誘引する場合は、ワイヤーなどを使って壁に固定してください。
太い枝の間隔は大輪系なら20cmほど、小輪系なら10cmほどが目安です。あとは空いたスペースにシュートや細い枝を配置していきます。株元や芽のつきにくい太い枝には、細い枝を被せてあげると、均等に花が付いてきれいです。
つるバラをアーチやオベリスクなどの幅狭タイプに誘引したい場合も、基本的には太くて長い枝から誘引していきます。一本の枝をS字にくねくねと這わせ、もう一本の枝は互い違い交差するようにS字にしていきます。
なお、オベリスクの場合は螺旋状に巻いて、もう一方の太い枝と交差するように誘引していくといいでしょう。余ったスペースに残りの枝を巻いて、使わなかった枝は根元からカットしてください。
つるバラの種類に限らず、開花期間中はこまめに花がら摘みをしましょう。花がら摘みとは、咲き終わった花を摘み取って次の開花に養分を回してあげる作業のことをいいます。
花がら摘みをするタイミングは、花びらが色褪せて満開時より一回り小さくしぼみ始めたらです。完全に枯れてから花がら摘みをするのでは遅いので、できるだけ早めに花のつけ目から切り取ってあげましょう。
つるバラの品種は多種多様で、フェンスやアーチなどに誘引してご自宅のお庭などでも楽しむことができます。お庭につるバラが咲いていれば、より一層豪華な雰囲気になりますね!剪定や誘引もポイントを押さえれば難しくはないので、ぜひ挑戦してみてください。
GreenSnap編集部