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園芸店などで見かける鹿沼土とはどんな土なのか、特徴をご紹介しています。鹿沼土のpH値や、鹿沼土にはどんな種類があるのか、どのような植物に使うのかなどをまとめていますので、ぜひご参照ください。
鹿沼土(かぬまつち)とは、。関東ローム層で採取できる土で、赤城山が噴火したときできた軽石が風化したものです。植物を育てる土を培養土といいますが、その培養土の大部分をしめる”基本用土”に分類されます。
鹿沼土は通気性がよく、さらに水持ちもよい特徴があります。この性質は赤玉土とほぼ同じレベルで、赤玉土の代用としても使え、とくに乾燥を好む多肉植物や、サボテンの基本用土に利用されます。
鹿沼土にはほとんど有機質が含まれていないので、菌の繁殖や害虫の発生がほとんどなく、土の清潔を保ちやすいです。
鹿沼土はpHは4~5.0で、強い酸性の性質をもつ園芸資材です。そのため、大量に配合すると、土が酸性に傾きすぎて、酸性を好まない植物は生育不良を起こします。
(pH値はpH6.5~7.0のものが中性、pH6.5以下の値は酸性、pH7.0以上はアルカリ性です)
鹿沼土は水分の有無で土色を変えます。水やりをして水分を含むと、土が黄色く変化し、乾燥すると鹿沼土が白くなります。
写真も左上にある茶色の土が赤玉土で、その右となりにあるベージュ色の土が鹿沼土です。
よく使われる基本用土に赤玉土がありますが、鹿沼土との大きな違いはpH値にあります。ほとんどの植物が好むpH値はpH5.5〜7.0なのに対し、赤玉土はpH5.5〜6.5ほどなので、酸度調整をせずに使用できます。
育てる植物がどのようなpH値を好むかによって、鹿沼土と赤玉土を使い分けするといいでしょう。ただし全体用土の2割程度であれば、鹿沼土を使っても土壌全体が酸性に傾くことはないので、赤玉土と併用することもあります。
そのほか、赤玉土より鹿沼土のほうが崩れにくいので、通気性や排水性を持続しやすいという特徴があります。
鹿沼土の酸性pH値を利用して、酸性を好む植物の培養土として使いましょう。配合は「鹿沼土6:腐葉土3:バーミキュライト1」で混ぜ合わせると、ほとんどの酸性土壌を好む植物の培養土として使えます。
酸性の土壌を好む主な植物は次のとおりです。
サボテンや多肉植物は、一般的な観葉植物や草花よりも通気性の高い土を好みます。また、サボテンや多肉植物は、有機物の吸収をよくするため微酸性の土が好ましいとされているので、培養土に鹿沼土を使うのがおすすめです。
配合例は次の通りです。
ほとんど無菌の鹿沼土は、デリケートな挿し木用の土としても使えます。鹿沼土は保水性も高いので、挿し木の発根に適しています。ただし、酸性の度合いが強いため、発根したら早めにその植物が好む土に植え替えしましょう。
水分の有無によって土色がかわる鹿沼土の性質を利用し、観葉植物や多肉植物、サボテンの土表面をおおう飾り土としても使えます。鹿沼土を飾り土にすることで、土中の水分量がわかりやすくなり、水やりのタイミングがわかります。
また、鹿沼土は有機物をほとんど含まないので、表土の有機物に卵を産み付けるコバエの発生防止にもつながります。
鹿沼土は粒の大きさで種類が分かれています。一般的に、大粒、中粒、小粒、細粒に分けられます。硬さでも種類が分けられ、硬い鹿沼土である「硬質鹿沼土」というものもあります。
鹿沼土の粒が硬ければ、粒が崩れにくくなります。粒の形が崩れてくると粒が小さくなるので水持ちがよくなります。しかし、その分だけ水はけが悪くもなります。植物の種類や生育状況に合わせて鹿沼土の粒の大きさや硬さを選びましょう。
大粒の鹿沼土は、1粒の大きさが12~20mmほどです。水はけはとてもよいですが、水持ちはさほどよくはありません。鉢底石、軽石として使用されます。
中粒の鹿沼土は、1粒の大きさが6~12mmほどです。水はけも水持ちもバランスのよく、盆栽や鉢植えなど、5号以上のサイズ感がある観葉植物に使用します。
小粒の鹿沼土は、1粒の大きさが2~6mmほどです。粒が細かいので苗が安定しやすく、酸性を好む草花、サボテン、多肉植物の土や、挿し木用の土など、幅広く使えます。水はけ、水持ちどちらのバランスもよいです。
細粒の鹿沼土は、1粒の大きさが1~2mmほどです。とても細かくサラサラとした土で、大粒ほど水はけはよくありませんが、水持ちはよいです。とくに小さいサボテンや多肉植物の土におすすめです。
鹿沼土は植物の基本用土として、赤玉土と併用されたり、赤玉土の代用にしてよく使われます。pH値が低く、酸性の性質をもつので、今回ご紹介した使い方を参考に、育てる植物が好む土に合わせて使いましょう。
赤玉土の特徴や使い方を覚えて、より楽しく健康に植物を育ててみてください。
GreenSnap編集部