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蝶々のような黄色い花を咲かせるオンシジューム(オンシジウム)は、ラン科の植物です。ラン科の中でも初心者でも育てやすく、品種が豊富な植物としても知られています。耐暑性がややありますが、耐寒性に弱いため冬の時期は室内で育てます。室内に存在感があるオンシジュームを飾るだけで、雰囲気も華やかになります。今回は、オンシジュームの育て方について詳しくご紹介していきます!
ラン科オンシジューム属に分類されるオンシジュームは、西インド諸島~南アメリカを中心に分布する多年草植物で、低地~高地までさまざまな場所に自生しています。和名では「群雀蘭(むれすずめらん)」と呼ばれ、オンシジュームの花姿が雀が群れているように見えることから名付けられました。
オンシジュームは湿気に弱いため、一年を通して風通しの良い場所で育てましょう。気温が5度以下の環境では育たないため、冬の時期は日当たりの良い室内で管理しましょう。ただし、直射日光に当てると葉焼けの原因にもなるため、直射日光は避けるようにしましょう。春~秋の時期は、屋外で半日陰の場所で育てることをおすすめします。
オンシジュームは元々岩の上などに着床して育つ植物のため、一般的に水苔を用います。鉢に水苔を敷いてオンシジュームを植え付け、根元の部分も水苔で覆います。その他、軽石やバーク、そしてヤシ殻チップなどをブレンドした水はけの良い洋ラン用の用土もおすすめです。
年間を通して、土の表面が乾いてきたら水やりをします。特に夏の時期はすぐに乾いてしまうため、発育も良い時期であることから毎日お水を与えるようにしましょう。
耐寒性に弱い植物なので、冬の時期の水やりはなるべく日中にしましょう。夜に水を与えると翌朝には霜になってしまう恐れがあるため、水やりの時間帯には気を配りましょう。また、室内の暖かい場所で管理している場合は、霧吹きで花や葉などに水を与えることで花持ちが良くなります。
オンシジュームの株に縦のシワが寄っている場合は、水または肥料不足のサインなので注意しながら観察しましょう。
春~秋の時期は、月に2~3回を目安に液肥を与えます。それ以外の時期は、2倍に薄めた液肥を与えます。4月~6月には、1回程度有機質の固形肥料を施します。開花している時期には、肥料は必要ありません。肥料を与えることで花付きも良くなるので、時期に合わせて適量の肥料を与えるようにしましょう。
オンシジュームの植え付けは4月~5月頃が最適な時期で、鉢には洋ラン用の用土または水苔を用います。水苔の場合は、鉢に水苔を入れて根元まで水苔で覆いながら植え付けていきます。
植え替えに最適な時期は4月~5月頃です。
株が鉢からはみ出してきたら一回りまたは二回り大きな鉢に植え替えましょう。水苔の場合は素焼き鉢を使用し、バークや軽石などがミックスされた用土を使用する場合はプラスチック鉢に植え替えると良いでしょう。植え替えを手軽に済ませたい方は、バークがブレンドされた用土を使用することをおすすめします。
オンシジュームの花の開花時期は12月~1月(春咲き)、4月~6月(秋咲き)、そして9月~10月(冬咲き)の3パターンあり、品種によって開花時期は異なります。
オンシジュームは「薄葉系」「厚葉系」「剣葉系」「棒葉系」と4つの系統に分類され、特徴などもそれぞれ異なります。プレゼントや切り花などで選ばれるオンシジュームは、薄葉系がほとんどです。
冬の時期は気温が5~10度以上の環境であれば良く育ちますが、剣葉系の場合は特に寒さに弱い特徴があるため、13度以上の環境で育てるようにしましょう。
代表的な黄色い花色のオンシジュームは「オンシジューム・アロハイワナガ」という品種で、丈夫でボリュームがあります。黄色のほかには、品種によってピンクやオレンジ、そして白色などの花色もあり、雰囲気も変わります。
オンシジュームは現在では約400種類以上の品種があるといわれ、花色や大きさなどさまざまです。甘い香りがする品種もあり、室内に飾るだけでも存在感があります!オンシジュームは長期間花が咲く植物のため、長く観賞できることも魅力の一つです。
オンシジュームの花が約3分の1咲き終わったら、根元より花径を切り取ります。切り取った花は、切り花で2週間程楽しむことができます。
オンシジュームは、「株分け」で増やすことができます。株分けの時期は4月頃です。
バルブと呼ばれる葉の付け根の膨らんだ部分が4つ以上できたら、親株に2つのバルブをつけた状態で丁寧に切り離します。切り離した株は、水ゴケまたはバークに植え付けていきます。小さく株分けすると生育が悪くなる場合があるため、バルブの数には気を付けましょう。
オンシジュームには、アブラムシやガイガラムシが発生する場合があります。つぼみができる時期には、アブラムシがつきやすくなります。
その他、株の間が詰まっていることでガイガラムシが発生しやすいです。株の間を空けて育てることで、予防することができます。オンシジュームがかかりやすい病気は、特にありません。
オンシジュームには、「可憐」「気立てのよさ」「一緒に踊って」などの花言葉があります。オンシジュームは蝶々を連想させるような小さい花姿から、可憐という花言葉が付けられたとされています。
また、一緒に踊ってという花言葉は、英名である「Dancing lady orchid(踊る女性のラン)」が由来だと言われています。Dancing lady orchidという英名は、オンシジュームの花びらがまるでスカートが広がっているように見えることが由来です。
オンシジュームは同じラン科である胡蝶蘭などのように派手ではありませんが、可愛らしい印象の植物です。丈夫な植物なので園芸初心者でも育てやすく、室内に飾っておくだけでもその存在感は抜群です!特に冬の寒い時期にお部屋に切り花などのオンシジュームを飾れば、雰囲気も明るくなるのでおすすめです。
品種も豊富なので、開花時期が異なるオンシジュームをいくつか育てても楽しめそうです。花付きが良く最大約2か月まで楽しめる植物なので、ぜひともご自宅でオンシジュームを育ててみてはいかがでしょうか。
なお、オンシジュームを育てるには、肥料と水やりが重要となります。時期によって肥料の種類や量と水やりの頻度が変わるため、気を付けながら手入れしましょう。
Lily