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みなさんが大切に育てているバラは、いつ病害虫の被害にあうかわかりません。そんなとき、バラの増やし方を知っていれば安心ですよ。同じ株の遺伝子を継いだ増やし方なら、これまで注いできた愛情もきっと受け継がれるはず。
今回は意外と簡単にできる、バラの増やし方についてご紹介します。
バラを増やす方法は挿し木か接ぎ木がおすすめです。種まきから増やすのはプロでも苦戦するほど難しいので、どちらかの方法で増やしてみましょう!
挿し木 | バラの枝を切って新たな苗として増やしていく方法です。初心者でも簡単にできますが、成長時間が長く、花を楽しむのに3〜5年かかります。 |
接ぎ木 | ノイバラと増やしたいバラを接着させて増やす方法です。バラ生産者などのプロがとる難易度の高い手法ですが、成長が早く1〜2年で立派な株になります。 |
バラを挿し木で増やすときは、次のいずれかの時期に行いましょう。
休眠挿しは冬の剪定で切った枝からつくることができますが、成長が遅いのが難点です。その点、緑挿しは生育期での挿し木で、比較的成長も早いのでおすすめです。
栽培適温は20〜30℃です。緑挿しでも真夏の気温が高すぎる時期は避けたほうがいいでしょう。休眠挿しは室内での管理が必要です。
バラを挿し木で増やす際に準備するものは次の通りです。
剪定したバラの枝を切り分けて、10cm程度の挿し穂をつくります。挿し穂にする枝は下記の条件を満たしたものを選びましょう。
また、葉がは2箇所、かつ1箇所につき葉が3〜4枚になるように切り分けておきます。
挿し穂の切り口を清潔なカッターなどでV字に削ぎ落とします。こうすると水分を吸い込みやすくなり、その後の発根率が上がります。
挿し穂の切り口を、水に1〜2時間ほどつけておきます。このとき、水にメネデールなどの活力剤を混ぜておくのがおすすめです。
育苗ポットなどに、挿し木用の土を9割ほどいれておきます。今回はプラカップの底に穴をあけて代用しました。
土はあらかじめ水やりをして、十分に湿らせておきましょう。割りばしなどを5cmほどの深さまで挿して、植え穴をあけておきます。
水につけた挿し穂を取り出し、切り口に発根促進剤(ルートンなど)をつけてから、植え穴にさします。このとき、だいたい挿し穂の半分が土に埋まるくらいの深さまで植えてください。
最後にたっぷりと霧吹きをして挿し木完了です。
育苗ポット以外でも、大きめの容器に複数本、挿し木をしても大丈夫です。いくつか挿す場合は、植え穴の間隔を5cmほどとるようにしてください。
バラを挿し木したら、明るい日陰で管理するようにしましょう。直射日光が当たらないように気をつけてください。
屋外であれば建物の東側の明るい日陰がおすすめです。また、休眠挿しの場合には、温度調整が必要ですので、簡易的な温室か、24時間暖房の効いた室内で管理するといいですよ。
バラの挿し木では、乾燥させないことが重要です。発根して新芽が伸びるまでのだいたい1〜2ヶ月間は、土が乾かないように水をあげてください。
常に湿った土が理想で、受け皿に常に水をためて底面給水できるようにしておくといいでしょう。清潔を保つためにも受け皿は適宜よく洗ってください。もしくは挿した枝がずれないように優しくたっぷり水やりするようにしましょう。
発根して新芽が生えたさらに1ヶ月後に、鉢に植え替える「鉢上げ」をしましょう。
なお、地植えで育てたいという場合でも、挿し木苗をいきなり地植えにすると根をはる体力が備わっていないので弱りやすいです。まずは鉢植えから始めて、2〜3年したら地植えにきりかえるのがいいでしょう。
植え付けた年の小さい苗でも、つぼみがつきますが、未熟な苗にたいして花を咲かせるのは負担が大きいので、来年に向けての準備と思って切り取りましょう。
植え替えのやり方はこちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
花束やブーケによく使われるバラの切り花も、挿し木で増やすことができます。
とはいえ、葉っぱが全てとられていたり、そもそも茎が細くて貧弱な場合や、長く飾ってしおれている場合は発根する力がないので、挿し木で育てるのは難しいです。
もし5枚葉が2組ほどついていて、鉛筆ほどの太さのある新鮮な切り花があれば、「水差し」という方法で育ててみましょう。
その後は前述の挿し木と同じ手順で管理してください。イボのような発根の初期段階に入るまではだいたい2〜3週間かかります。その間、水腐れにならないよう水換えをこまめにしながら管理しましょう。
ゼオライトなどの根腐れ防止材をいれておくと、ある程度水質が清潔に保たれます。またメネデールなどの発根促進剤を適量、水に混ぜておくと発根しやすくなりますよ。
バラの接ぎ木は、1月下旬〜3月上旬の真冬から初春にかけて行いましょう。台木となるノイバラが休眠から覚めるタイミングをねらって接ぎ木します。
とはいえ先にも述べましたが、バラの接ぎ木は成功率が低く、温度湿度管理などがセンシティブなので、バラ栽培の中級者やステップアップしたいという方におすすめの方法です。
バラを接ぎ木で増やす際に準備するものは次の通りです。
接ぎ木ではノイバラと増やしたいバラの形成層を密着させて伸ばしていきます。そのため台木に使うノイバラは、主枝が5〜8mmの鉛筆くらいの太さのものがおすすめです。穂木となる増やしたい方のバラの同じくらいの太さのものを選んで切り取りましょう。
バラの接ぎ木の時期は冷え込むので、発泡スチロール箱の中や、二重鉢にして温度の低下を防ぎます。屋内の明るい日陰で管理しましょう。芽がで始めたら、室内の直射日光を避けた日当たりの良い場所に移動します。
土の湿り具合をみながら、だいたい週に1回ほど水やりを行います。基本的に休眠期からの目覚めのタイミングなので、水の吸い込みは遅いです。
なお、接いだ部分に水が入るとうまく活着せずに、接ぎ木に失敗してしまうので、株下の水に与えるようにしてください。
接ぎ木したバラは、1〜2ヶ月ほどすると、テープを突き破って新芽が伸びてきます。葉が開き始めたら覆っていたビニール袋は取り外してください。このとき、もし台木のノイバラから芽が出ているようであれば、切り落としましょう。つぼみができていたら摘み取って、苗の成長に養分を回します。
新芽の草丈が20cm以上になり、暖かい時期になったら、鉢上げをしましょう。
バラを増やす方法は他にも、種まき、芽接ぎなどがあります。種まきから芽吹かせて栽培するのはとても難しく、栽培のプロが新しい品種を生み出すときに取られる手法です。
また、芽接ぎは開花したてのバラの芽を利用して、挿し木のように増やしていく手法です。元気な目の見極めやタイミングが難しく、こちらも難易度が高いのでお勧めできません。
初心者であれば挿し木で地道にバラを増やしていくことをおすすめします。新鮮な切り花であれば、水挿しなどを利用して増やしていくことも可能です。プレゼントでもらったバラを鉢植えで育てることもできるので、贈り物を大事に長く育てられるのも、挿し木や接ぎ木の魅力ですよね。
みなさんも、バラを増やしてみて、花々に囲まれた生活を送ってみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部