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ヤマモミジは、日本海側を中心に自生してきた、紅葉が美しい植物です。昔から庭木や盆栽としても、広く親しまれています。
今回はそんなヤマモミジの育て方を、カエデとの違いと合わせてご説明します。
ヤマモミジは日当たりのよいところを好み、乾燥は苦手とします。池の周りに植えたり、湿度を保つ肥えた土で育てると、樹高10~15mくらいまで成長します。
秋の季節にヤマモミジの美しい紅葉を楽しみたい場合は、昼夜の温度差が必要です。建物から離れた場所に植えましょう。住宅地では、車の排気ガスにも注意してください。
基本的な植木の管理手入れは必要となりますので、年間を通してよく葉に日が当たる場所を選び、日陰になる場所には植えないでください。
ヤマモミジを地植えする場合は、基本的に水やりは不要です。
ヤマモミジの鉢植えでは、夏期に水切れを起こさないよう、朝と夕方、十分に水を与えます。水分が不足すると葉がしおれたり湾曲したりしますので、注意が必要です。
ヤマモミジの落葉後すぐに、有機物と緩効性の化成肥料を混合したものを施します。落葉して休眠期に入っても、その後早い時期に吸水を始めるので、遅れないように肥料を施しましょう。
ヤマモミジは、通気性と水はけがよく、適度な湿度を保つ肥よくな土壌を好みます。
赤玉土(小粒)に腐葉土と黒土の配合土を用いましょう。混合比率は、赤玉土7に対して、腐葉土1、黒土2の目安です。
盆栽用には赤玉土を単独で用いることが多いようです。
ヤマモミジの鉢植えは、2~3年に1回の割合で植え替えが必要です。植え替え時期は、1月から2月頃が適期です。小ぶりな鉢に植え付け、盆栽仕立てに育てるのも人気があります。
ヤマモミジを地植えにする際は、12月から3月頃に、事前に腐葉土などの有機物を植え穴によく混ぜてから植えつけましょう。
ヤマモミジの野生種は実生(種まき)で、園芸品種は接ぎ木で増やすことができます。
挿し木は一般的には難しいとされますが、通常は5月下旬から7月上旬に当年枝の半熟枝を10~15cmほどに切って赤玉土など培養土に挿して発根させます。
ヤマモミジは育ちが早く、手入れを怠ると枝が間伸びしたり、混みあって三又になったり、樹形が崩れやすいものです。
ヤマモミジを庭木として育てる場合は、晩秋11月下旬頃、木の頭頂部が落葉したら直ぐに剪定を開始しましょう。葉が全部落ちて1週間もすると、剪定をしたところから樹液が出て、樹勢が弱ってしまいます。徒長枝や混みあっている枝などを主に剪定します。
同時に不要な芽や葉を取る、芽かきや葉刈りも行うとよいでしょう。
うどんこ病は梅雨どきに多く発生します。また成熟した葉にはすす病が発生することがあります。日頃から日当たりと風通しに注意して予防に努めましょう。
新芽や若い葉にアブラムシ類が発生することがあります。また、幹をテッポウムシが食害すると致命傷になることがあるので注意して観察してください。
モミジとカエデは、いずれもカエデ科カエデ属に属する植物です。つまり、植物学的には同じ植物ということになります。
ただし、園芸の世界では、葉に5つ以上切れ込みが入った掌状のものを「モミジ」、切れ込みが浅くて数も少ないものを「カエデ」と呼んで区別をしています。
モミジは紅葉する木の代表種で、日本には35種が自生しています。一般に「モミジ」と呼ぶ場合はイロハモミジを指し、ヤマモミジはイロハモミジの変種です。分布地でははっきりした違いがあり、イロハモミジは太平洋側、ヤマモミジは日本海側に自生します。葉の形はほとんど同じですが、ヤマモミジの方が少し大きいです。
いかがでしたか。ヤマモミジは、5月頃に赤く小さな花を咲かせ、10~11月には葉が美しく紅葉するため、シンボルツリーとしてよく庭木に用いられていますよ。代表的な品種には、鴫立沢、水潜り、手向山などがあり、いずれも水と相性がよく、庭の池や井戸の周りに植えるとしっくりと納まります。
水面に映る紅葉は風情があって素敵ですが、ウォータースペースを作るのが難しいときは、盆栽やスイレン鉢と組み合わせてビオトープのように育てることもできます。秋の紅葉だけでなく、春夏の葉緑もとても美しいので、ご家庭で四季折々に鑑賞してみてくださいね。
※トップ画像はウメケソさん@GreenSnap
GreenSnap編集部