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ニンニクといえば、様々な料理の調味料で使われている食材です。
家庭菜園でも簡単に育てることはできますが、その大きさや質を左右するのが肥料。ニンニクの栽培では肥料のやりすぎに注意し、正しく与えることが大切なのです。
今回はニンニク栽培の肥料の与え方ややりすぎたときの症状・対処方法についてご紹介します。
今やニンニク専門料理店ができるほど人気のニンニク。国産となると値段が高くなるので手を出しにくくなるかもしれませんが、じつはニンニクは家庭菜園で意外と簡単に育てられるので、手軽に国産ニンニクが楽しめますよ。
ニンニクを植えつける時期は9月半ばから10月の終わりごろです。収穫はその翌年の初夏ごろとなるので、栽培期間は少々長いですが、栽培難易度自体は低いです。
基本的な育て方はこちらの記事でご紹介しているので参考にしてみてください。
ニンニクを育てる際、もっとも重要になってくるのは肥料の使い方です。肥料によって質や大きさが大きく変わるといっても過言ではないので、しっかり肥料設計を立てましょう。
ニンニクに限らず、植物を栽培する上で肥料を与えるタイミングには下記があります。
とくにニンニクは栽培期間が長いので、元肥だけだと栽培途中に肥料効果が水に流されて失われてしまうことがあります。きちんと元肥1回、追肥2回の計3回にわけて肥料を与えるようにしましょう。
ちなみにマルチ栽培の場合は、雨による肥料の流出を防げるので、元肥だけで育てることもできます。
肥料にはたくさんの種類の成分が含まれていますが、中でも大切なのが3要素と呼ばれる以下の3つの成分です。
肥料の製品表示をみると「N-P-K=15-10-8」などの記載がありますが、これは3要素がどのような割合で含まれているかを示しています。
ニンニクの栽培におすすめの肥料は、「N-P-K=8-8-8」の水平型と呼ばれるもので、なおかつ効き目がゆっくり長く続く緩効性肥料です。購入するときは製品表示をよくみて用意しておきましょう。
市販の商品には野菜用肥料などの名目で販売されているものもあり、3要素以外の微量要素と呼ばれる成分が、野菜栽培に最適化されているものもあります。
極端に安いものは不純物が混ざっていたり、生育不良を起こすこともあるので、信頼できるメーカーのものを選ぶことも大切です。
ニンニクに肥料を与える時期は下記の通りです。
なお、鱗茎肥大期となる5月の時期に窒素肥料が多く残っていると玉割れという生育障害が起きてしまうので、2回目の追肥はなるべく2月中に与えましょう。
野菜の栽培に必要な肥料の量はすでに決まっていて、ニンニクの場合、肥料全量は窒素・リン酸・カリがそれぞれ1㎡あたり200g〜250gずつ必要になります。
この全量に対し、元肥の段階で1/2を、残り2回の追肥で1/4ずつ与えるようなイメージで肥料設計をします。1㎡あたりの施肥量を表にしたものが下記です。
成分 | 全量 | 元肥 | 追肥1 | 追肥2 |
窒素(N) | 200〜250g | 100g | 80g | 60g |
リン酸(P) | 200〜250g | 100g (250g) |
50〜80g (0g) |
50〜80g (0g) |
カリ(K) | 200〜250g | 100g | 50〜80g | 50〜80g |
プランターなどで栽培する場合は、市販の野菜用培養土を使うことが多いと思われます。
ほとんどの製品には元肥が含まれていますが、どの程度の栄養分が含まれているのかを確認して、必要であれば元肥配合済みでもさらに植え付け時に化成肥料を足しておくといいです。
反対に多めに配合されているのなら、その後の追肥を少なめにして全量を調整しましょう。
栽培に慣れている中級者以上の方は、リン酸の施し方を変えてみてもいいです。
3要素のなかでもリン酸は雨に流れにくい性質をもっているので、元肥の段階でリン酸全量の200〜250gを施して、追肥ではリン酸が含まれていない製品を使うと、より収穫が安定します。
ニンニクに肥料をやりすぎると、肥料を与えてから数日後に急激に葉が黄色く枯れます。また、もう少し後になって収穫予定時期より早く葉の色が黄色くなることもあります。
そのほか、収穫したニンニクが不揃いになったり、玉割れが起きてしまうので、肥料のやりすぎには注意が必要です。
肥料をやりすぎてしまった場合は、できるだけ土から肥料を取り除きましょう。プランター栽培なら1回の水やりの量を増やして、水で栄養分を押し流すようにするといいです。
反対に、ニンニクは肥料不足でも栽培に失敗することがあります。
肥料不足になると球が小さくなって収穫量がかなり減ってしまいます。環境や品種と地域の関係に問題が無ければ肥料不足が原因と思われます。
これらの対策方法としては、即効性の液体肥料を与えるのが有効です。ただし、冬の期間は根や葉を傷める危険があるので追肥は不要です。
また、収穫の2か月前までしか追肥は効果を発揮しません。収穫直前に焦って肥料を与えても、逆に玉割れを起こしてしまうことがあるので控えてください。
ニンニクは肥料にさえ気を付ければ簡単に栽培することができます。
今回ご紹介した肥料の与え方を覚えて、ぜひご自身のニンニク栽培にいかしてみてください。
※トップ画像はPhoto by ハチクロさん@GreenSnap
GreenSnap編集部