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粘り気が強い山芋はよく知られていますが、自然薯はあまり聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれません。長芋と自然薯は同じ山芋の仲間ですが、味や特徴などは異なります。
自然薯の特徴や食べ方、そして栄養や保存方法などについて詳しく紹介していきます!
自然薯は「じねんじょ」と読み、山芋の仲間でつる性の宿根性草本です。名前の由来には諸説ありますが、一説によると山に自生している芋であることから自然薯と呼ばれるようになったといわれています。
自然薯は昔から国内の本州や四国、九州地方などに広く分布していますが、近年では野生の自然薯が少なくなってしまいほとんどが栽培されています。そのため、真っすぐできれいな形の自然薯が市場に流通していることが多いです。
自然薯の芋の部分は他の山芋と同様に地下で育ち、長さは約1.5m、太さは直径3cm程度まで生長します。
江戸時代には街道沿いの茶屋などに自然薯のお食事処があったようで、現在でも神奈川県箱根町などに自然薯料理を提供するお店がありますよ。
自然薯と山芋、そして長芋はどれもよく似ていますが、具体的にどのような違いがあるか気になりますね。それでは、3つの違いについて詳しく見ていきましょう!
山芋とは長芋や自然薯などヤマノイモ科の芋の総称であり、正式名称は「ヤマノイモ」です。山芋はつる性の多年草植物で、日本原産の山芋は自然薯のことを指します。
長芋は中国が原産の芋で、産地からもお分かりのように長芋と自然薯は別品種です。長芋と自然薯はどちらも山芋の仲間ですが、厳密にいうと長芋はナガイモ種、自然薯はヤマノイモ種に分類されています。
ちなみに、長芋は英語で「Chinese yam」、自然薯は「Japanese yam」と呼ばれていて、英語名からでもそれぞれの産地が想像できますね。
また、長芋の収穫時期は年に2回あり、12~1月頃と4~5月頃です。一方、自然薯の収穫時期は11月上旬~12月頃で、お歳暮やお正月などに使われることが多いですよ。
長芋と自然薯には特有の粘り気がありますが自然薯の方が圧倒的に粘り気が強く、自然薯は長芋よりも栽培が難しいことから金額も長芋の6~8倍程度高くなる傾向にあります。
多くの芋類は皮を剥いて食べますが、自然薯の場合は皮ごと食べられることも特徴の一つです。自然薯は皮の部分にも栄養を豊富に含んでいるので、皮ごとすりおろしてみましょう。
自然薯のすりおろし方は、すり鉢を用意して底に自然薯を押し付けるようにしてすりおろしてください。その後すり棒でよく混ぜることで、粘り気がより増してきます。皮つきと皮なしで風味が変わってくるので、お好みの方法ですりおろしてみることをおすすめします。
自然薯をすりおろす時に手がかゆくなることがありますが、これは自然薯に含まれているシュウ酸カルシウムによるものです。水で薄めた酢水で手を洗い流せばかゆみが治まるので、ぜひ試してみてください。
自然薯はおもに、とろろにして食べられますが、それ以外には短冊切りや千切りにして他の野菜と一緒にサラダなどでおいしく召し上がれますよ。
自然薯は水菜や長ねぎなどと相性がよく、めんつゆやすりごまなどを加えればさっぱりした和風サラダができ上がります。自然薯のシャキシャキした食感を楽しみたい方は、サラダで召し上がってみてはいかがでしょうか。
自然薯は昔から漢方でも用いられさまざまな栄養があり、特に食物繊維は長芋の約2倍も含まれているので便秘解消やコレステロールを低下させる働きがあります。
また、炭水化物は長芋の約2倍、さらにビタミンEは約20倍も含んでいて、美肌効果や血圧低下などに効果があります。自然薯は他にもアルギニンという酵素を含んでいることから強精作用があり、古くから山のうさぎとも呼ばれていました。
自然薯は高温だと腐りやすく約3~5℃が適温とされているため、ご家庭では冷蔵庫で保管するようにしましょう。
また、自然薯はすりおろした状態であれば冷凍保存できますが、切芋を冷凍保存すると解凍後に自然薯の鮮度が落ちてしまうため、切芋の冷凍保存は避けてください。
長芋と自然薯は同じ山芋の仲間でも、特徴などにはさまざまな違いがありますね。自然薯はスーパーなどで見かけることは少ないかもしれませんが、強い粘り気が特徴なので蕎麦やごはんなどにかけておいしく召し上がれます。
自然薯を提供しているお店は探せば意外とあるので、ご興味があれば自然薯料理を一度食べてみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部