警告

warning

注意

error

成功

success

information

山草の一覧

いいね済み
85
いいね済み
醜男
稚児車(チングルマ) バラ科チングルマ属の落葉矮性低木。草のように見えるが、茎は木質化して越冬する落葉低木。高山帯の雪渓のふちや砂礫地に生える代表的な高山植物。高さ3〜10㎝。よく分枝して広がる。葉は茎の中部で最も大きく、頂小葉は倒卵形で長さ1〜1.5㎝。側小葉は下部ほど小さく、最下のものは線形で長さ2〜3㎜。花期は7~8月。花は枝先に単生し、花柄は長さ4〜5㎝、果期には7〜10㎝に伸びる。花は直径2〜2.5。萼片の先は尾状に伸びる。副萼片は萼片や花弁より短い。痩果は長さ約2.5㎜、短毛を密生する。花が淡紅色を帯びるものはタテヤマチングルマ、八重咲きのものはヤエチングルマと呼ばれる。 江戸時代の一時期のことである。幼児に中国風の装いをさせることが流行した。そのひとつが『唐子髷(からこまげ)』である。幼児の頭のうち、両側頭部やうなじの中央のくぼんだ部分(盆の窪)、時には前頭部などの毛だけを残して、ほかの部分を剃る髪形である。主に女児がやった髪形であった。残された毛は風に吹かれると、なびいたり、回転する。これを『稚児の風車』と見た。風車は単に車ともいい、『稚児車』の名前ができた。唐子髷の髪はチングルマの毛のついた果実にそっくりである。そこで、この草にチングルマの名前がついた。他に、花を子供をあやす風車に見立てたことが名前の由来という説もある。 出典『高山に咲く花』『夏の野草』『四季の野の花図鑑』『野草の名前 夏』
いいね済み
146
醜男
梅鉢草(ウメバチソウ) ニシキギ科ウメバチソウ属の多年草。山野の日当たりの良い湿地に生える。垂直分布は低地から標高3000m近いところまでと広く、そのため花期も長期にわたる。根生葉は数個が束生し、長い柄がある。葉身は長さ幅とも2〜4㎝の広卵形で、基部は心形。茎葉は無柄で茎を抱く。花期は8~10月。花茎は高さ10〜40㎝、茎頂に直径2〜2.5㎝の白色の花1個を上向きに開く。花弁は5個、雄しべは5個。花粉を出さない仮雄しべ5個は、先が糸状に12〜22裂し、先端に小さい球状の黄色い腺体がつく。雌しべの柱頭は4裂する。ウメバチソウは蜜を持たないが、仮雄しべが蜜標となって昆虫が訪花するともいわれている。果実は蒴果。卵球形で周りに萼や糸状の仮雄しべが残る。熟すと3〜4裂して種子を出す。種子は線形や線状楕円形でごく小さく、一部が翼になる。 ウメバチソウ属の仲間は日本には3種がある。ウメバチソウの他にヒメウメバチソウ、コウメバチソウ。仮雄しべの数、花弁の柄、花期、分布する地域などで見分ける。 藤原氏によって失脚させられた菅原道真は、大宰府にて寂しい一生を終えた。彼の亡骸は大宰府の天満宮に葬られて、大宰府の祭神となる。彼の好んだ梅の花は、天満宮の神紋になった。天満宮の氏子や道真を尊敬する人々、道真にゆかりのある人々は、梅の花の家紋を採用した。そのうちの1つが『梅鉢紋』。梅の花の雄しべを省き、花弁を円形にしたもの。ウメバチソウの雄しべを省いた形によく似る。梅の花を形どったいくつかの家紋のうち、梅鉢紋が最もウメバチソウに似る。これがウメバチソウの名前の由来。ウメバチソウの花が梅の花に似ることが名前の由来とする説もある。 出典『山に咲く花』『高山に咲く花』『四季の野の花図鑑』『草木の種子と果実』『野草の名前 秋冬』
いいね済み
82
醜男
山路の杜鵑草(ヤマジノホトトギス) ユリ科ホトトギス属の多年草。山野の林内に生える。ホトトギスは湿った岩場に垂れ下がっていることがほとんどだが、本種は林縁や林内で見かけることが多く、茎も斜上することが多い。茎に下向きの毛が密生する。葉は長さ8~18㎝。葉に暗緑色の斑紋が見られることが多い。花期は8~10月。花は茎の先や葉腋に1個~3個つく。花被片には紅紫色の斑点がある。花被片が水平に開き反り返らない。花柱には模様がない。ホトトギス類で花の中央に立つ噴水状のものは、大きく立ち上がり3裂してさらに先が2裂する雌しべと、下向きの葯をつけた雄しべである。 花の地色が白くて広い地域に分布しているホトトギス類は『杜鵑草』『山杜鵑草』『山路の杜鵑草』である。しかし、『山路』は山道でよく見かけるからというような特徴を表す言葉ではなく、杜鵑草や山杜鵑草と区別するための記号といったようなもの。杜鵑草の杜鵑は鳥のホトトギスのことで、中国では野鳥のホトトギスのことを杜鵑(とけん)という。花びらに細かな紫点がある。この紫点を鳥のホトトギスの胸毛などの紫点に見立てて杜鵑草の名前がある。 日本に杜鵑草の仲間は10種ほどあるが、主なホトトギス類の違いは次の通り。 山路の杜鵑草 ・花被片は平開する ・花被片は白地に紫色の斑点がある ・花は茎の先や葉腋に1~3個つく ・葉は長楕円形または広披針形で長さ8~18㎝ 山杜鵑草 ・花被片は強く反り返る ・花被片は白色に紅紫色の斑点がある ・花は茎の先と葉腋から散房花序を出す ・葉は長楕円形または楕円形で長さ10~15㎝ 杜鵑草 ・花被片は斜開する ・花被片は白色で紫色の斑点がある ・花は葉腋に2~3個つく ・葉は長楕円状披針形で長さ10~20㎝ 台湾杜鵑草 台湾や西表島に自生する。観賞用として庭や公園などに植えられ、都会で見られるものはほとんど台湾杜鵑草と思ってよい。栽培されていたものが逃げ出し人家周辺に野生化している。山地に自生する杜鵑草との交配による園芸品種も多く作られている。 出典『山に咲く花』『里山の植物 ハンドブック』『野草 見分けのポイント図鑑』『野草の名前』
いいね済み
76
いいね済み
醜男
蔓豆(ツルマメ) マメ科ダイズ属のつる性1年草。野原や道端などに生える。茎には下向きの粗い毛がある。葉は3小葉からなり、両面とも毛がある。小葉は長さ2.5~8㎝、幅1~3㎝の狭卵形~披針形。花期は8~9月。花は淡紅紫色で長さ5~8㎜の蝶形花で、葉腋に3~4個ずつつく。茎や萼には毛がある。豆果は淡褐色の毛が密生、種子は2~3個。種子は広楕円形でやや扁平、黒色で表面に茶褐色の鱗片があり、ざらつく。 名は、茎がつる状になるマメという意味。 本種の種小名の『soja』は『しょうゆ』の意味で、本種は大豆の原種と考えられている。大豆は重要な資源作物として広く栽培されている。中国で5000年前から栽培の歴史があるとされる大豆は、本来、中国や日本など東アジアで主に栽培された作物であり、豆腐、味噌、納豆、醤油のように東洋の伝統的食品に利用されることがほとんどであった。半世紀前にアメリカで大規模に生産が開始されてから世界中に広まって、今日では油脂やたんぱく源として最大の作物となっている。大豆の世界の総生産高は約1億7700万トンで年々増加傾向にある。そのうちアメリカがトップで、続いてブラジル、アルゼンチン、中国が4大生産国である。1970年代からブラジル、アルゼンチンの生産が増大し、アメリカのシェアは年々低下傾向にある。日本の輸入大豆はアメリカ産が75%を占め、ブラジル、カナダが続いている。国産大豆の生産量は一時10万トンを切るほどに低下したが、食料自給率向上を目指した作付け奨励策により、現在は約27万トンにまで回復した。なお、枝豆は、大豆の莢が緑色のうちに収穫して若い種子を食べるものである。大豆の穀物用としての利用は古代からであるが、枝豆としての利用は17世紀末からである。若い種子を食べる枝豆は大豆用とは違う品種で、種子は大きい。近年は200にも及ぶ品種が発表されている。 出典『野に咲く花』『草木の種子と果実』『食材図典』
いいね済み
73
いいね済み
醜男
石見川(イシミカワ) タデ科イヌタデ属のつる性一年草。道端や田の畦、河原などに生える。茎は長さ1〜2mに伸び、下向きの鋭い刺でほかの草や木に絡みつく。葉は互生し、長さ2〜4㎝の三角形で、葉柄は葉身の基部近くに楯状につく。托葉鞘は鞘状の部分は短く、上部は葉状に広がって円形になる。花期は7~10月。茎の先や葉腋に短い総状花序を出し、淡緑色の小さな花が多くかたまってつく。花序の基部には丸い葉状の苞があってよく目立つ。花冠の裂片に見える肉厚の萼片はほとんど開かない。径は3〜4㎜で5裂する。萼は多肉質になって痩果を包み、直径約3㎜の球状になる。色は緑白色から紅紫色、青紫色へと変化する。痩果は黒色で光沢がある。 名前の由来にはいくつかの説がある。 ①現在の大阪府河内長野市の近くに石見川村があった。江戸時代中期の『倭訓栞』によると、薬草『杠板帰』としての本種は、石見川村のものが良質だったので、イシミカワと呼ぶようになった。 ②江戸時代中期の『和漢三才図絵』によると、イシミカワのつる葉は、骨折の場合に膠の如く骨を接ぐ。骨を石の如くつけるので『石膠』。石膠が『いしみかわ』に訛った。 ③石のようにかたい果実に皮があることから。 出典『野に咲く花』『野草の名前 秋』『里山のつる性植物』
いいね済み
86
醜男
釣舟草(ツリフネソウ) ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草。野山の湿った場所に群生する。茎はやや赤みを帯び、節が膨らむ。葉は互生し、菱状楕円形で細かい鋸歯がある。花期は8~10月。花序は葉腋から斜上し、紅紫色の花を数個つける。花弁3個、萼片3個からなる。萼片も紅紫色で花弁のように見え、下の1個は大きく袋状になり、その先端は細長い距(きょ💬花冠や萼の一部が管状に突出したもの)になって渦巻状に巻く。この距の部分に蜜がたまるので蜂が潜り込む。果実は蒴果。披針形で少し波打ち長さ1~2㎝。熟すと5片にはじけて種子を飛ばす。果実は刺激でも弾けて種子を飛ばし、種子は水に流れて散布される。 名前の由来は、花の形が吊り下げた帆掛け船に似ることから。あるいは、花がぶら下がっている姿が花器の『釣舟』に似ることから。花器の『釣舟』は舟の形をしていて、天井から鎖を垂らして吊る。 よく似た近縁種との違いは次の通り。 釣舟草(ツリフネソウ) ・距は渦巻状に巻き込む ・花は紅紫色 ・葉の上部に粗い毛がある 葉隠釣舟(ハガクレツリフネ) ・距は曲がるが巻き込まない ・花は淡紅紫色 ・葉の両面に毛がある ・葉の下に隠れるように咲く 黄釣舟(キツリフネ) ・距は巻かずに垂れ下がる ・花は黄色 出典『野に咲く花』『山に咲く花』『里山の植物 ハンドブック』『草木の種子と果実』『野草 見分けのポイント図鑑』
いいね済み
77
醜男
山母子(ヤマハハコ) キク科ヤマハハコ属の多年草。カワラハハコの基本亜種。日当たりの良い山地の草原に生える。亜高山帯の河原などでは群生していることも珍しくない。地下茎が伸びて殖える。茎は直立して高さ60㎝ほどになり、白い綿毛に覆われる。葉は互生し、長さ6〜9㎝の線状披針形で無柄、やや厚く、3脈があり、縁はやや裏側に巻き込む。基部は半ば茎を抱き、裏面は綿毛を密生して白色。花期は8~9月。雌雄異株。頭花は枝先に散房状に多数つく。花弁に見えるものは萼に相当する総苞片。乾いた膜質で光沢があり、白い花びら状。中心部の黄色いかたまりが花。花は5弁花に見える両生花と糸状の雌花があり、それぞれ別株が普通であるが、同居する場合もある。なお、葉が細いものはホソバヤマハハコで、本州中部以西の西日本に分布し、本種と分布域が異なる。 名前は、山に生えるハハコグサに似た花という意味。ハハコグサは葉や茎が優しい感じの綿毛に覆われている。この草姿が母のイメージに結びつく。また、ハハコグサの脇株が横に広がるのを、『這う子』に例えてハハコグサになった。全草の毛がほおけ立つから『ホホコグサ』がハハコグサになったという説もある。 出典『山に咲く花』『野に咲く花』『秋の野草』『日本名山花紀行』『日本アルプスの高山植物』『野草の名前 夏』
いいね済み
103
いいね済み
醜男
谷地鳥兜(ヤチトリカブト) キンポウゲ科トリカブト属の多年草。亜高山帯〜高山帯の湿った草地に生える。茎の先は長く伸びて70〜150㎝。標高の低い所では花序はよく分枝して円錐状、高山の風衝地では散房状になる。花期は8~9月。雄しべはふつう無毛。本種は細葉鳥兜(ホソバトリカブト)の変種。広義のホソバトリカブトは花柄と萼の毛が開出することが特徴。東北地方南部から中部地方にかけて3つの地方的変種、中部地方の高山に高山変種が1つ認められる。トリカブトの仲間は雑種を作りやすく、正確な同定は困難。 伶人(れいじん💬雅楽を演奏する人)は錦製の鳳凰をかたどった冠をつける。これを鳥兜という。花の形がこの鳥兜に似るのでトリカブトの名前がついた。ヤチトリカブトとは谷地(湿地)に生えるという意味で、基準標本が上高地の谷間で得られたため。しかし、本種は北アルプス高山帯に広くふつうに分布する。高山植物が低所の渓谷沿いに生育することはしばしば見られる現象であり、ヤチトリカブトが湿地に好んで生えるというわけではない。 トリカブトは毒草の代表で、古くから矢毒に利用された。全草、特に根に猛毒のアルカロイドを含むが、含まない種類もある。漢方では紡錘状に膨らんだ母根を烏頭(うず)、その周りにつく子根を附子(ふし)と呼び、様々な方法で減毒して、多くの処方に用いる。日本にはトリカブトの仲間が40種類以上あり、区別は難しい。花はひと目でトリカブトの仲間と分かるほど独特の形をしているが、若葉は二輪草(ニリンソウ)などの山菜と間違えやすい。死亡した例もあるので注意が必要。ニリンソウの地下の根には膨らんだ塊根はないので、葉が似ていても、地下に膨らんだ塊根があれば毒草と思って採取しないこと。 出典『高山に咲く花』『西穂高の花100選』『薬草の呟き』『野草の名前 秋冬』
いいね済み
89
いいね済み
醜男
栃の木(トチノキ) ムクロジ科トチノキ属の落葉高木。日本固有種で、果実は縄文時代から食べられていた。山地の沢沿いに自生し、公園樹や街路樹としても植えられる。しばしば樹高30m、径約2mの巨木に育つ。葉はホオノキに似るが、トチノキは掌状複葉で対生し、ホオノキにはない鋸歯がある。花期は5~6月。枝先に円錐花序が直立する。花は白い4花弁で、花弁の黄色い斑は蜜がなくなる頃に赤く変わり、蜜蜂を誘導する。果実は蒴果。9月頃に熟すと3裂して1〜2個の大形の種子を出す。種子は褐色で下半分は大きなへそになる。種子はデンプンを多く含み、アクを抜いて栃餅を作るなど、昔から利用されてきた。山ではリスやネズミが運んで埋めるが、一部を食べ残すことで散布される。 トチノキは日本に自生し、果実は食糧として重要だった。名前の由来は定かではなく、果実が多く成るので『十(ト)』と『千(チ)』でトチともいう。蜜蜂がトチの花を好んだことから『ミツバチノキ』と呼ばれていたものが、『ミ』の音の省略や『ツバチ』の音の変化でトチになったという説もある。その他に、アイヌ語あるいは朝鮮語に由来するのではないかという説もある。漢字『橡』は中国ではクヌギを意味する。日本では『橡』の他に『栃』『杤』の字が用いられたが、その理由は『十(ト)✕千(チ)=万』とされる。明治時代、栃木県が成立した後、『栃』に統一された。 庭木や街路樹で見られるものにはヨーロッパ産のセイヨウトチノキ(マロニエ)もある。また、ベニバナトチノキはセイヨウトチノキ(マロニエ)とアメリカ産のアカバナトチノキの交配種。 よく似たセイヨウトチノキ(マロニエ)との違いは次の通り。 トチノキ ・日本固有種 ・葉は大きく表面にしわがない ・果皮にとげがない セイヨウトチノキ(マロニエ) ・バルカン半島南部原産で明治時代中期に渡来した ・葉はトチノキより小さく表面にしわがある ・果皮に硬く大きなとげがある 出典『里山の植物 ハンドブック』『樹木 見分けのポイント図鑑』『身近な草木の実とタネ ハンドブック』『樹木の名前』
1358件中 49-72件 を表示

人気のコラム一覧

2024.02.14

春に咲く花といえば?4〜6月に見頃を迎える春の花一覧

by.GreenSnap編集部
2019.10.16

簡単DIY!「100均製氷ケース」で多肉ポットを作ろう!

by.hana (a piece of dream*)
2022.08.31

クローバー(シロツメクサ)の花言葉|葉の枚数によって幸せにも怖い意味にも...

by.GreenSnap編集部
2020.01.29

カット苗を買ってきたら?購入後の手順と根を出させるコツ

by.mokutaro(杢太郎)
2020.01.15

小さな多肉がギュギュぎゅっと。魅惑の「多肉畑」へようこそ!

by.内田アリ
2024.02.14

冬に咲く花といえば?寒い時期を彩る人気の冬の花一覧

by.GreenSnap編集部