ドラマの中の台所

映画やドラマの中での調理シーンには、とても綺麗でお洒落で機能的な調理道具が出てくる。

てか、新品?って、いつも思う。
暮らしや食に特化したドラマだと、お皿やインテリア、エプロンまで素敵だ。
そして、素朴で何気ない品物こそ、実はお高かったりする。
そう、そんなに金持ちじゃなさそうなシチュエーションのお宅にも、それって実はお高いんよね、っていう台所用品が多々ある。

例えば、昨夜のドラマ、『じゃああんたが作ってみろよ』で竹内涼真がとり天を揚げていた鍋も、どう見ても新品だった。
菜箸ひとつに至るまで全てが新品。
フルタイムで働く男の一人暮らしなのに、キッチンが綺麗すぎる。

NHKでやっていた『しあわせは食べて寝て待て』
主演桜井ユキの台所は団地の普通のものだが素敵にアレンジとリメイクされており、やはり鍋も調理道具も素敵だ。
お金がない人の設定のはずだが、すべて同じ物で揃えようとしたら、私は散財するだろう。
桜井ユキが履く靴下でさえ、ユニクロなどで買えるものではない。

沢田研二主演の『土を喰らう十二ヵ月』にも、こだわり深そうなアンティークな皿や道具が多々出てくる。
自給自足、旬の食材を食べることで日本の四季を感じさせる、とても良い映画だったけれど、やはり道具は一流のものばかりだった。

『かもめ食堂』で北欧ブームがやってきた時には、私とて百貨店にアラビアのお皿やマリメッコ の布を見にいった。
シンプルで素朴な、あの食堂で業務用に使われているとは思えないくらいのお値段だった。
このお皿におにぎりをのせていたのか…と私は皿をまじまじと手に取って眺めた。
もちろん買わずに帰った。
実家の食器棚には、食パン祭りで頂いた白い食器が燦々と輝いていたし。

ドラマの中の台所を眺める度に、竹内涼真の台所を眺める度に、百均の欠けたお皿、出てこい! ちゃんと洗えてなくて汚く曇ったコップ、出てこい!!
と念じている。


※渋柿
放置して、ずくし柿にしてスプーンで食べるとか。
まだまだ。