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ヒサカキ

姫榊

柃

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醜男

2023/11/20

姫榊／柃(ヒサカキ)

ツバキ科ヒサカキ属の常緑高木。照葉樹林や雑木林の林床に生え、神社や公園に植えられる。サカキの分布域外である東日本などでは、サカキの代用品として本種を神事に用いる。サカキと異なり仏前に供えることもある。葉は倒卵形で光沢があり厚く、鈍い鋸歯があり先端はわずかに凹む。花期は3～4月。雌雄異株で、枝の下側に白い壺形の小さな花が多数つく。花はガスのような強い異臭がありハエを誘う。果実は液果。球形で径約5㎜の果実が枝の下にびっしりつき、秋に黒く熟す。果実に種子は20個内外。果皮は発芽阻害物質を含み、果実を鳥に食べられて果皮が除去されることで発芽が可能になる。地面に落ちた種子が親の真下で芽を出さないようにするためと考えられる。

名前は、サカキに似ているが、葉も果実もサカキより小ぶりであるため『姫榊(ひめさかき)』と呼ばれたのがヒサカキに転じた。サカキに似ているがサカキではないので『非榊』の意であるとする説もある。そのほか、『実榊(みさかき)』から転じたという説や、『火榊』の意であるという説も。また、『古事記』の歌謡の中で『いちさかき』はヒサカキとされ、『いちさかき』の名は神聖なめでたい木を意味するという。

出典『里山の植物ハンドブック』『身近な草木の実とタネハンドブック』『樹木の名前』