ダブルワークの警備の仕事をしている時だった。

通行止めの看板の前に立っていると下校中の小学2〜3年生だろうか、1人の少女が笑顔で『さようなら』と挨拶して来た。

私も笑顔で『はい、さようなら。気をつけてね』と手を振った。


その30秒後

血相変えて走ってくるさっきの女の子。


『蜂が、蜂がいるの。怖い』

そう言って私の後ろに回り込み、隙間から前を伺っている。


Σ はっ！！！！！！！！！！！！！！！！


キュルリリリィィィィィィィィィィィィィィン！！


（↑注意:ニュータイプの音）



なっ！なんなんだ！
この沸々と湧き上がる感情は！！

これが！これが噂の



母性本能！！！！！！！！！

！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！





そっ！そうか！こう言うことか！！！

今なら分かる！！！


例えこの世が！！！


この世がゾンビの世界になったとしても！


私は命に変えて、この子をゾンビや無法者達から守り抜き、
一緒に楽園へ続く旅を続けて行く自信がある！！



いや、もっとリアリティのある例えにしよう！


例えこの子が！！


この子が偶然見てしまったマフィアの取引現場の唯一の目撃者だったとして！！


次の法廷で証人として出席するハメになるが！それを阻止しようとするマフィアから次々に送り込まれる刺客たち！！

しかし私は！傷だらけになりながらも！命懸けでこの子を守り事件解決に結びつける！！

だか！！安心も束の間！！実はその裏には！引き渡した検事が！実はマフィアと繋がりのある黒幕で！自身の不正が暴かれるのを阻止するために彼女の命を狙うのだった！！

引き渡した廃墟ビルで！！



『冥土の土産に教えてやろう！』


そう言って悪徳検事は今までの悪事を詳細に話したあとで私達に銃を向ける！！

しかし！そこには隠しカメラが備え付けられてあり！同時にSNSやマスコミ各社に映像がライブ中継で送られ！白日の下に晒されたのだった！！

私は身を挺して彼女の盾となり、撃たれながらも悪徳検事を倒し！廃墟ビルの階段を2人で降りていくのだった！



もしくは！この子が！！


この子が！のちの地球の未来を救う重要なカギとなる人物だったとして！


それを阻止しようとする未来から送り込まれる敵側の殺し屋達！！

逃げつつも反撃の攻勢を繰り返し、なんとかギリギリのところで敵を倒していた！！

そしていよいよ！最後には悪玉のボス自らが暗殺に登場！！激闘の末相打ちとなり凶弾に倒れる。


おじちゃん！！死なないで！！おじちゃん！！！


駆け寄り泣き叫ぶ女の子。倒れたまま動かない私の身体をさすると！


イテテテテッ。

おいおい・・・、

せっかく人が気持ちよく寝ていたのに、そんなに揺らしたら痛てぇじゃねーかよ・・。


おじちゃん！！！！！

！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


そう！撃たれた私の胸には！！

偶然にも1ドル銀貨が入っていて致命傷を免れたのだった！！

イテテテテッ。病人はもう少し丁寧に扱うもんだぜ。


もう！おじちゃん！！！！！！




エンドロール














Fin